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New Releases - 2025年03月 発売タイトル
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【次々と姿を現す、闇に沈められていた17世紀イタリアの女性芸術家の世界】バロック期の音楽を中心に、作品成立時の佇まいをよく見定め曲の味わいを引き出してゆく女性奏者集団レ・カプスベルガールズの新作は、歴史に埋もれていた17世紀イタリアの作曲家たちに光を当てる好企画。名高い貴婦人作曲家バルバラ・ストロッツィや多作な修道女作曲家イザベッラ・レオナルダ、「麗しのアマリッリ」の作者ジューリオ・カッチーニの娘フランチェスカなど既に比較的録音に恵まれている作曲家たちはもちろん、14歳の若さでローマの有名楽譜出版社が作品刊行に踏み切ったフランチェスカ・カンパーナ、コレッリの同時代人で近年再評価めざましいアントニア・ベンボといった女性たちの名品も数多く収録しています。バロック初期のレチタール・カンタンド(歌いながら語る)様式の残照から1700年前後の充実したカンタータ風の作品に至るまで、声楽のよき伴侶を務めた楽器テオルボの名手カプスベルガーの作品も挟みながら、さまざまな女性芸術家たちの感性を通じて17世紀音楽の多様さにも気づかされる内容の充実も嬉しいところ。小編成ならではの親密なアンサンブルで、21世紀ならではの古楽的発見の面白さを存分に味わえる1枚となっています。(2025/03/28 発売)
レーベル名 | :Alpha |
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カタログ番号 | :ALPHA1098 |
【アブドゥライモフのショールがALPHAからも登場、カップリングはプロコフィエフの2番!】2009年のロンドン国際ピアノ・コンクールで優勝して以降、着実に演奏経験を重ねてきたウズベキスタン出身のピアニスト、ベフゾド・アブドゥライモフ。ALPHAからのアルバム第3弾は協奏曲を収めたもので、プロコフィエフ第2番とショール第1番という待望の内容となっています。プロコフィエフがサンクトペテルブルク音楽院在学中に完成させ、1913年に作曲者自身がソリストを務めて初演されたピアノ協奏曲第2番は、先鋭的な内容が大きな反響を呼んだもののその手稿はロシア革命を挟む混乱の中で行方不明となり、現行版は1923年に記憶を基に復元のうえ改訂された版となっています。力強く野性的、かつモダンでロマン性も高いこの作品をアブドゥライモフは得意としており、2023年6月のNHK交響楽団定期公演でも披露し、圧巻の演奏を聴かせてくれたことも記憶に新しいところ。ここでもペトレンコ率いるロイヤル・フィルの力演もあり、ダイナミックで歌心に溢れる期待以上の演奏となっています。カップリングはウクライナ出身で現在ではニューヨークを拠点に活動するアレクセイ・ショールのピアノ協奏曲。ショールは近年注目を集めていますが、アブドゥライモフは2024年12月の来日公演でここに収められたピアノ協奏曲第1番の日本初演を行い、NAXOSにもショールの協奏作品を録音(8.579140)するなど、その作品を高く評価しています。多分にロマンティックで美しく聴きやすいショールの作品は、プロコフィエフの野性味と好対照をなしながら反発することはなく、むしろお互いに共鳴していると感じられるほど自然な組み合わせとなっていることに驚かされます。アブドゥライモフはここでも作品に深く寄り添い、その美しさを十二分に引き出し色彩感を際立たせた伸びやかな演奏を聴かせています。(2025/03/28 発売)
レーベル名 | :Alpha |
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カタログ番号 | :ALPHA1124 |
【名花ケイト・リンジーが歌い上げる「女の愛と生涯」】アメリカはヴァージニア州生まれで現在は英国を拠点に活動するメゾ・ソプラノ、ケイト・リンジー。古楽から現代、ジャズまで幅広いレパートリーを持ち、その類稀な表現力で高い評価を得ている彼女がALPHAからリリースする4枚目のソロ・アルバムは、よく知られたシューマンの名作『女の愛と生涯』と、知名度では落ちるもののフランス歌曲ファンの間では根強い人気を持つ、フォーレの『イヴの歌』の2作を柱とした一枚です。どちらの歌曲集も、恋する女性と楽園のイヴという女性を主人公としており、「無垢、発見、喜び、悲しみ、そして最終的には経験によってのみ得られる人生のより深い理解を扱っています」とリンジーは語っています。そして彼女はこのアルバムを、生から死、そして新たな生へと続く命のサイクルを想起させる『サンサーラ(サンスクリット語で輪廻)』と名付けました。『ミルテの花』からの数曲や、「月の光」なども収録。シューマンとフォーレのいずれに関してもスペシャリストという絶好の共演者、ル・サージュのピアノも素晴らしいサポートを聴かせます。リンジーの持つ声と表現の美しさを堪能するこのとできるアルバムです。(2025/03/28 発売)
レーベル名 | :Alpha |
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カタログ番号 | :ALPHA1125 |
【ラザレヴィチが新発見手稿譜から読み解く、意外な作曲家によるフルート音楽の機微】太陽王ルイ14世の庇護下で、自身も演奏に秀でていた弓奏弦楽器ヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)のため600曲近く作品を残したフランス・バロックの巨匠マレ。他にオペラや室内楽なども作曲、その録音もヴィオール曲ほどではないにせよ少なくありませんが、ことフルートを主役に据えマレが作曲した(つまり編曲ではない)作品となると、専門家の間ですらその存在が全く認識されていませんでした。しかし2023年、18世紀に書かれたフルート向け手稿譜が2揃い相次いで急浮上。そこにマレの名を冠しながら、既知の彼のヴィオール作品群に原曲が見つからないフルート作品が少なからず含まれていたのです。それらを徹底検証、他の稀少作品も交え「マレのフルート曲」と認識しうる未知の音楽に光を当てるのは、バロック期のフランス音楽に深い知見を持ち、トラヴェルソ(バロックフルート)の他さまざまなバグパイプも吹きこなす名手フランソワ・ラザレヴィチ。名歌手ドミニク・ヴィスとの共演で知られる大ベテラン撥弦奏者エリック・ベロック、ソロ活動も好調なヴィオール奏者リュシル・ブーランジェらの共演を得て、通奏低音にチェンバロを用いない親密な響きの中で綴られる音楽はいずれ劣らぬ繊細な名曲ばかり、名手揃いの宮廷楽団を指揮していたマレがフルートに関心を寄せ作曲していた可能性も示唆する内容になっています。奏者自身による解説(国内仕様盤には全訳付)と併せ、作曲家像にもフランス音楽解釈にも新風を呼び込む1枚と言えそうです。(2025/03/28 発売)
レーベル名 | :Alpha |
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カタログ番号 | :ALPHA1126 |
【冴えわたる銘器の美音を通じ、変容による新たな魅力で広がるバッハ世界】現代楽器と古楽器をどちらも弾きこなし、イ・ムジチのメンバーでもあったイタリアのヴァイオリン奏者マルコ・セリーノは、映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネの厚い信望も得て活躍を続けてきました。バッハ研究者としての顔も持つセリーノはさまざまな作品の成立経緯を辿って復元・再構成も手がけており、彼が準備した楽譜はジュリアーノ・カルミニョーラやコンチェルト・ケルンの録音でも使われています。アマティの銘器とトゥルト(トゥルテ)の弓を手に臨んだこのソロ録音では、ヴァイオリン音楽であった可能性が示唆されている有名な「トッカータとフーガ」と、19世紀以来ヴァイオリン独奏版もたびたび編まれている『無伴奏チェロ組曲』からの2編を編曲。もともと無伴奏ヴァイオリンのための作品であるパルティータ第2番に始まり、鮮烈な高音域と分散和音が印象的なトッカータとフーガを経て、チェロの音域と不可分と思われた楽想が意外にもバロック・ヴァイオリンに馴染んで聴こえる編曲世界へと向かう入念なプログラムを聴かせてくれます。楽器の巧みなコントロールによって導き出される美しい響きを、溢れんばかりの自身の歌心に任せず適切な音楽解釈へと昇華してゆくセリーノの演奏は実に見事。曲順の妙と相俟って深く聴き極めたくなること必至の充実録音に仕上がっています。(2025/03/28 発売)
レーベル名 | :Arcana |
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カタログ番号 | :A577 |
少年時代のショパンに音楽理論と作曲を教え、その才能を見出したことで知られるユゼフ・エルスネル(ヨゼフ・エルスナー)。彼の室内楽作品の多くは20代から30代にかけて作曲されました。このアルバムに収録されたピアノ三重奏曲と四重奏曲では、ウィーン様式を学んだ古典派の正統な継承者としての側面がうかがえます。また、ショパン以前にポロネーズの様式を確立した作品の他、技巧的な「シャコンヌ」では、彼が優れたヴァイオリニストであったことを窺わせます。(2025/03/28 発売)
レーベル名 | :CD Accord |
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カタログ番号 | :CDAccordACD343 |
ポーランドで活躍するラファウ・アウグスティンは、作曲家、ピアニスト、音楽評論家、作家、そして文献学者。作曲家としては交響曲、室内オーケストラ曲、声楽曲から電子音楽、さらには劇音楽までおよそ70作を発表、とりわけピアノが重要な役割を果たす作品が多いのが特徴です。1990年代半ば以降はヴィジュアル・アーティストや建築家、写真家と協力し、多くのマルチメディア作品を制作しています。このアルバムには「パガニーニの主題による変奏曲」とリゲティの影響が感じられる「モノソナタ」を中心に収録。彼の作品は伝統的な対位法を用いたり、単なる音響の混合から生まれるのではなく、旋律線の独立した動きと絶えず変化する和声に彩られているのが特徴です。(2025/03/28 発売)
レーベル名 | :CD Accord |
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カタログ番号 | :CDAccordACD345 |
1984年ポーランド生まれのクシシュトフ・メイシンゲル(マイジンガーとも)。アニエロ・デシデリオやクリストファー・パークニングらの名手に学び、ペペ・ロメロに匹敵する才能と評されるギタリストです。東京をはじめ、ウィーン楽友協会、ベルリン・フィルハーモニー、ロンドンのウィグモア・ホール、パリのシャトレ座など世界中で演奏する他、数々の音楽祭にも出演。2017年からはシュチェチンで「メイシンゲル音楽祭」を創設、芸術監督を務め、多くのアーティストを招聘しています。このアルバムは「20世紀のギター作品集(CHAN20225)」、「スペイン作品集(CHAN20278)」に続くCHANDOSへの3枚目の録音で、1700年代から1900年代初頭のスペイン音楽を中心に選曲。パーカッション奏者のパトリツィヤ・べトリーと自らの名を冠した弦楽アンサンブル「メイシンゲル・ソロイスツ」とともに躍動感溢れる演奏を聴かせます。使用しているのはイグナシオ・フレタ・ペスカドール製ギターの復元楽器(アンドレス・シュテルナー製)です。(2025/03/28 発売)
レーベル名 | :Chandos |
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カタログ番号 | :CHAN20382 |
【教育用に書かれながらも異彩を放つ名作2曲をカップリング】モスクワで音楽一家に生まれベルギーでオーギュスタン・デュメイに師事、現在はアムステルダム音楽院で後進の指導にもあたるヴァイオリニスト、マリア・ミルシテインと、オランダの名手マティユー・ファン・ベッレンによるヴァイオリン・デュオのための大作2題。バルトークが教育用に書いた44の二重奏曲は東ヨーロッパ諸国の民謡が元になっており、順を追って難易度が増す趣向ですが、独創的な和声や印象的な不協和音なども聴かれるたいへんユニークなもの。ここでは演奏者の解釈によって独自の順で演奏されています。ベリオの二重奏曲もまた教育用として書かれたもので、技巧的にも曲想的にも多彩でそれぞれの曲には献呈先あるいは先人達の名前が付けられています。第1曲「ベラ」はバルトークへのオマージュ。CHALLENGE CLASSICSからも既にデュオのアルバムをリリースしているミルシテインとファン・ベッレンは、彼らならではの息の合った演奏と隙の無いテクニック、そして鋭い表現で最後まで集中を切らすことがありません。倍音が重なり合い、2挺の音にはとても聴こえないような響きも楽しめます。(2025/03/28 発売)
レーベル名 | :Channel Classics |
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カタログ番号 | :CCS47425 |
【過渡期ならではの新旧様式の交錯……だけではない充実のオラトリオ!】バロック後期の巨匠A.スカルラッティとほぼ同じ時期を生き、ローマとヴェネツィアで充実した活躍をみせた作曲家ガスパリーニ。その再評価はこの数十年で静々と、しかし着実に進んでおり、ヴェネツィア歌劇界を盛り上げる前、ローマ時代に作曲した数々の宗教音楽劇(オラトリオ)の魅力にも光が当たる機会が増えてきました。ヴェルサイユに集うフランスの若き才人たちによって録音されたこの『アタリア』全曲録音もまさに近年の研究成果が詰まった充実名演です。欧州西部で覇権を確立したフランスの太陽王ルイ14世のもと、大家ラシーヌが1691年に発表した戯曲『アタリ』を元に、親仏姿勢を強めつつあった教皇庁の本拠ローマで翌1692年に上演された本作は、当時のオラトリオにはまだ珍しかったダ・カーポ・アリア形式を積極的に導入、少し前にストラデッラが試み始めた合奏協奏曲風の書法を取り入れるなど新技法が目立つ内容。野蛮な暴君アタリアに殲滅された王族に仕えてきた大祭司と乳母が、将軍オルマーノと共に復讐を果たす起伏に富んだ物語です。これを時にソロを挟んでコントラスト豊かな響きを聴かせる弦楽(編成は4/4/2/4/2)に支えられ、バロックから現代まで幅広いレパートリーで躍進中のカミーユ・プルを始めとした5人の歌手が合唱も兼ね、充実の歌唱で伝えています。同時期のコレッリ作品にも通じる音使いの妙、ヴィヴァルディ前夜の刺激的なイタリア・バロック世界をじっくりお楽しみください。(2025/03/28 発売)
レーベル名 | :Château de Versailles Spectacles |
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カタログ番号 | :CVS147 |