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New Releases - 2022年09月 発売タイトル

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    マーラー:交響曲第9番(バイエルン放送響/ラトル)

    【ラトル3度目のマーラー第9番。バイエルン放送響とのハイティンク追悼コンサート、その圧倒的なライヴ録音】2021年11月、バイエルン放送交響楽団は、次期首席指揮者サー・サイモン・ラトルの指揮でマーラーの交響曲第9番を演奏し、大きな反響を呼んだ。これはその演奏会のライヴ録音だ。ラトルはこの曲について、「演奏者の性格を可視化して、深い絶望のようにも愛や憧れのようにも響きうる、他に類のない作品」と語る。だが、一切のデフォルメを排し、細部まで透徹した響きに貫かれたこの演奏は、むしろ、聴く人に応じて、絶望にも愛にも憧れにも感じられるのではないだろうか。いわば、多義性が多義性のままに提示された名演奏だ。――増田良介2021年11月26日、バイエルン放送交響楽団は、61年にも及ぶ共演歴を持ち、そのひと月あまり前に逝去したベルナルト・ハイティンク追悼の特別コンサートを行いました(翌日にも公演)。曲目はハイティンクの指揮で演奏したことのあるマーラー交響曲第9番。指揮は2023/24シーズンから首席指揮者に就任するサイモン・ラトル。クーベリック、マゼール、ヤンソンスといった歴代首席指揮者が培ってきたマーラー演奏の伝統と、世界最高峰と評価される演奏能力を持つオーケストラが、現代屈指のマーラー指揮者の下で繰り広げた演奏は圧倒的な出来栄えとなりました。ウィーン・フィル及びベルリン・フィルと同曲のCDを出しているラトルも、このコンサートの出来に感激してCD化を強く要望。ここにCDリリースとなりました。演奏時間バイエルン放送響(2021年)27:13+15:26+12:17+23:59/total 79:58ベルリン・フィル(2007年)28:44+15:51+12:32+25:51/total 82:58(2022/09/30 発売)

    レーベル名:BR-Klassik
    カタログ番号:900205

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    シルヴェストロフ:ラリッサに捧げるレクイエム(バイエルン放送合唱団/ミュンヘン放送管/ムストネン)

    【シルヴェストロフ生誕85周年。キーウの姉妹都市ミュンヘンの合唱団による演奏をCD化】ウクライナのキーウ(キエフ)に生まれたシルヴェストロフ。「キエフ・アヴァンギャルド」の一員として前衛的な作品を発表し、ソ連時代には演奏を禁じられたこともありますが、1970年代には調性感のある、穏やかな曲想の音楽に転じ、近年はじわじわと人気を広げて来ました。シルヴェストロフはかつて自身が取り組んだ前衛音楽を音楽史の終着点とし、近年の自身の作品を「音楽史が尽きた後に鳴り響く音楽」と位置付けています。この「レクイエム」は、1996年に音楽学者で文学者でもあった妻ラリッサ・ボンダレンコに先立たれたシルヴェストロフが3年をかけて完成させた作品。全7章からなり、ラテン語のレクイエムの断片を歌詞としつつ、中央の楽章ではウクライナの国民的詩人タラス・シェフチェンコの詩「夢」が引用されています。最愛の人を悼んで書かれたこのレクイエムの特徴は、多くの作曲家が激烈な音楽を付けてドラマティックに描いた神による裁きの場面が無いこと。時に甘美な回想をまじえつつ、60分余りをかけてゆるやかに起伏する悲しみと哀悼の音楽は、亡き人の魂の平安を願いつつ、残された人の心を慰めるかのようです。2022年2月にロシアがウクライナに侵攻すると、キーウにいたシルヴェストロフは知人らの働きかけによって避難し、3月上旬にドイツに移りました。この録音は、キーウの姉妹都市ミュンヘンから、シルヴェストロフ85歳の記念としてリリースされるものです。指揮のアンドレス・ムストネンはエストニアのタリンに生まれ、中世音楽や中近東の音楽、バロック、古典派から現代音楽まで演奏。特にトゥール、ペルト、グバイドゥーリナ、ペンデレツキの作品に熱心に取り組んでいます。ここでは合唱団とオーケストラから繊細で緻密な響きを引き出し、作品を織り上げています。(2022/09/30 発売)

    レーベル名:BR-Klassik
    カタログ番号:900344

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    モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番/交響曲第40番/歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲(シュタイアー/ル・コンセール・ドゥ・ラ・ロージュ/ショーヴァン)

    【古楽器の敏捷性と機微が光る堂々たる大作群、シュタイアーの即興性溢れるフォルテピアノも絶妙】Aparteレーベルでのハイドン「パリ交響曲」シリーズで注目すべき実績を上げた後、ALPHAでモーツァルトの重要な管弦楽作品を体系的に録音してゆくSimply Mozartシリーズを開始したフランス最前線の古楽器オーケストラ、ル・コンセール・ド・ラ・ロージュ。「ジュピター」などを収録し世界中で高い評価を博した第1弾(ALPHA776/NYCX-10256)に続き、第2作は同じ後期交響曲群中唯一の短調作品であるト短調の第40番と、パリに自筆譜が残っている2作(《ドン・ジョヴァンニ》序曲、ピアノ協奏曲第23番)という重要作揃いのプログラムです。協奏曲のソリストに迎えられたフォルテピアノの大御所アンドレアス・シュタイアーは、意外にもモーツァルト協奏曲の録音が決して多くはなく、20世紀終わりにTeldecからリリースされたコンチェルト・ケルンとの4曲(第9、17、18、19番)以来の満を持しての新録音!随所に聴こえる通奏低音としての即興含め、当時の演奏習慣を踏まえた装飾が盛り込まれた解釈の流麗さはますます冴えわたるばかり。シュタイアーとともに自筆譜を検討し演奏に反映させたというル・コンセール・ド・ラ・ロージュの各セクションも古楽器ならではの機微に満ちた解釈で、ヴァイオリンを弾きながら指揮するショーヴァンのもと意欲溢れる一体感で各作品の深みと迫力をあざやかに伝えてやみません。なおここではクラリネットの入った版を使用。終楽章の半音階的楽想をふまえ第40番にあえて添えられた「十二音技法」という副題(彼らのコンサートの聴衆から募集し、団員によって選ばれたものとのこと)にも現れている通り、作品本来の姿を徹底して見つめ直した先に垣間見えるモーツァルトの先進性に改めて驚かされます。自筆譜がパリに辿り着いた経緯やシュタイアーへのインタビューなど、解説も貴重な情報満載です(仏・英・独語/国内仕様盤は日本語訳付)。(2022/09/23 発売)

    レーベル名:Alpha
    カタログ番号:ALPHA875

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    ラモー:歌劇「アストレの帰還」/歌劇「シバリスの住民たち」(ペルボー/ヴィチャック/ルフェーブル/アンサンブル・レ・シュルプリーズ/カンブーラ)

    【ラモー芸術の粋が詰まった稀少な二つの“1幕物”。フランス最前線の精鋭陣による演奏で】1733年、齢50の年に初めてのオペラ《イポリートとアリシ》で物議を醸して以来、遅咲きながら瞬く間にフランスで最も話題の舞台音楽作曲家となったラモー。独自の作風を見出し名声の絶頂を迎えた彼の評判は間もなくルイ15世の王室に届き、1740年代には王の公妾となった稀代の文化人ポンパドゥール夫人からの愛顧を受けつつ、独特な作風をより洗練されたものへと進化させてゆきます。フランス最前線の古楽シーンから届いた今回の録音では、そんな時期にポンパドゥール夫人の肝煎りで複数回上演された音楽劇《愛の驚き》から、過去に録音されることのなかったプロローグ(序幕)と、1757年の再演時に新たに挿入された第2幕の原型となった《シバリスの住民たち》を収録。すでに名歌手ヴェロニク・ジャンスとの共演盤『PASSION』(ALPHA747/国内仕様NYCX-10234)でフランス古楽との抜群の相性を印象づけたアンサンブル・レ・シュルプリーズが、俊才歌手たちとともに、両作品の細部にいたるまで徹底的に吟味した解釈で比類ない名演に昇華。詩句の味わいを活かした歌唱もさることながら、無孔ナチュラル・トランペットを吹きこなすマドゥーフ兄弟やボンポルティ国際コンクール優勝者でもあるヴァイオリンの出口実祈など、注目すべき演奏家たちが多数揃った器楽勢の頼もしい共演も見事です。ラモー特有の音使いのユニークな魅力を心ゆくまで味わえる一編です。(2022/09/23 発売)

    レーベル名:Alpha
    カタログ番号:ALPHA876

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    失われた宝石の数々~19世紀フランス歌劇のコロラトゥーラ秘曲集(デヴォス)

    【どれ一つとっても、忘却されたことが嘘のよう! 華麗なコロラトゥーラがデヴォスの名歌唱で甦る】イタリアのベルカント作品やワーグナーの楽劇などの傍ら、フランス19世紀のオペラは近年までやや日陰の存在に甘んじていましたが、21世紀に入って急速に復権が進み、かつてヨーロッパ全域の歌劇世界を牽引した当時の勢いが生々しく思い起こされつつあります。現代蘇演される幻の名作も少なくありませんが、ここではそうした19世紀の知られざる声楽作品の再発見に大きく寄与している新世代の名歌手ジョディ・デヴォスの独唱で、オーベール、マイアベーア、トマらをはじめとする重要作曲家たちの作品に盛り込まれた華麗なコロラトゥーラ・ソプラノのためのナンバーを厳選。中には《ディノーラ》の影の歌のようにモッフォ、サザーランド、ダムラウら新旧の名歌手たちが歌いこなした作品もありつつ、多くは滅多に録音されない稀少作品ばかり。18世紀の名カストラート、ファリネッリを主人公にしたオーベール《悪魔の取り分》や、バレエ《ジゼル》の作曲者アダンの秘作でタイトルの元にもなっている《失われた宝石》など、多くは他ではまず聴けない稀少さでありながら、デヴォスの伸びやかな歌唱もあり、どの曲も第一級のイタリア・オペラにもひけをとらない抜群の存在感で耳を捉えてやみません。ブルーズ率いるブリュッセル・フィルも、作品の魅力をよく捉えた迫力満点の演奏で好サポートを聴かせます。ロマン派フランス音楽の面白さを再認識させ、未知の音楽への探求心を改めて掻き立ててくれる1枚です。(2022/09/23 発売)

    レーベル名:Alpha
    カタログ番号:ALPHA877

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    ヴェネツィアへのグランド・ツアー~ドレスデン宮廷楽団におけるヴェネツィア楽派の影響(ゼフィーロ/ベルナルディーニ)

    【18世紀ドレスデン宮廷楽団の華やぎの向こうに感じる、本場ヴェネツィアからの“西風”】かの大バッハが、ライプツィヒ聖トーマス教会の楽団よりはるかに確かな楽員たちの腕前を羨んだドレスデン宮廷楽団。その音楽活動の素晴しさは、ピゼンデルやゼレンカ、ハイニヒェンといった当時の宮廷作曲家たちの名作群からも推察されるところ。彼らは楽団に欧州随一の名声をもたらした稀代の演奏家でもありましたが、同時にヨーロッパ最先端の流行をふまえた作曲センスでも比類ない技量を誇っていました。そのセンスが大きく伸びたのは1710年代半ば、後のザクセン王フリードリヒ・アウグスト2世のグランド・ツアー(主に学業や見分を広めるために、数年に渡って国外を旅行するもの)で音楽の本場ヴェネツィアを訪れた際、中心メンバーの何人かが同地で名匠ヴィヴァルディの教えを受けるなど意義ある刺激を受けてきたことと無縁ではありませんでした。経験豊かなイタリアの古楽器奏者たちが集うゼフィーロは、そんなヴェネツィアからの“西風”をふまえ、ドレスデン宮廷を訪れたヴェラチーニやロッティらの作品も含め、この宮廷楽団が18世紀当時どれほどイタリア音楽に多くを負っていたかを解き明かす充実プログラムを届けてくれました。主宰者アルフレード・ベルナルディーニをはじめ管楽器奏者たちを中心に、今回も味わい深く伸びやかな音作りが圧巻。バッハの同時代を知る上で一人として欠かせない実力派作曲家たちの妙技をご堪能ください。(2022/09/23 発売)

    レーベル名:Arcana
    カタログ番号:A534

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    ヴィヴァルディ:室内協奏曲集(海の嵐)(レ・パラダン/コレア)

    【室内楽的対話とライヴならではの味わい。声楽中心の古楽アンサンブルだからこそのヴィヴァルディ!】「ライヴでの収録は、スタジオ録音に打ち込んでいる時とは全く違った集中力が問われます。聴き手がそこにいるからこその興奮をもって音楽に臨めるのです。演奏者たちはヴィヴァルディの音楽が語りかけてくるのを受けて、それをできるだけそのまま聴き手に伝える必要があります。ライヴで客席に人がいて反応があるということは、それだけで然るべき勢いを、精力を音楽にもたらす要因になるのです」(ジェローム・コレアス/解説より)自身も古楽歌手としての豊かな経験を誇る一方、チェンバロを弾きながら欧州シーンの第一線で大小のバロック作品を指揮してきた実力派ジェローム・コレアス率いるレ・パラダン。これまで主に声楽主体で活動してきた彼らが、今回はなんと器楽奏者だけで、ヴィヴァルディの室内協奏曲を集めたアルバムをライヴ収録。「そこに言葉を感じる音楽がある」とコレアスが語るのも頷ける、奏者同士のバロックらしい音使いでの対話に聴こえる阿吽の呼吸はやはり声楽作品演奏の豊かな経験あればこそのものと言えるでしょう。コロナ禍の自主隔離中ずっとこれらの楽譜と向き合ってきたコレアスは、実演の場で奏者たちと音を交わしながら、ヴェネツィアを離れ一時マントヴァ宮廷で小規模編成の名手集団と仕事をしていた頃のヴィヴァルディのように、互いの意見を聞きあい音楽を作ってゆく面白さを実感したとのこと。室内楽と協奏曲の間をゆくヴィヴァルディ作品中でもユニークな一連の室内協奏曲の数々、そのスリリングで奥深い味わいに最前線の名手たちの演奏で出会える1枚です。(2022/09/23 発売)

    レーベル名:B Records
    カタログ番号:LBM045

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    マイアベーア:歌劇「悪魔のロベール」(エドリス/モーリー/オズボーン/ボルドー国立歌劇場合唱団/ミンコフスキ)

    【ミンコフスキ&ボルドー国立歌劇場による待望の録音!フランス・オペラ史上屈指の傑作の真価が甦る!】ワーグナーの音楽が多くの人々を虜にする前まで、イタリアのベルカント・オペラと並んで全欧州で人気だったフランスのグランド・オペラ。その最大の立役者の一人であるドイツ出身のユダヤ人作曲家マイアベーアは、1831年にパリで初演された《悪魔のロベール》で圧倒的な人気をわがものにし、その後の《ユグノー教徒》(1836)や《アフリカの女》(1864)で確固たる地位を得ました。《悪魔のロベール》は19世紀を通じて絶大な人気を誇り、コルンゴルト《死の都》(1920)の原作となったロダンバックの小説『死都ブリュージュ』(1892)にも上演の場面が象徴的に出てくるほど。後にワーグナー称揚の機運が高まった結果、ワーグナーとその周辺が必死でネガティヴ・キャンペーンを張ったマイアベーアの音楽は20世紀にひとたび忘れられそうになりましたが、近年のフランス19世紀音楽復興の流れの中で再評価は急速に進展。知られざるフランス歌劇の復権に尽力する名匠ミンコフスキもその作品上演に熱心で、良好な関係を続けているボルドー国立歌劇場での象徴的傑作《悪魔のロベール》録音がついに実現しました。舞台は中世シチリアの都パレルモ。 “悪魔の子”ロベールはシチリア王女イザベルと相思相愛でありながら、正体を隠して彼に近づき彼の魂をわがものにしようとする父の悪魔ベルトランの謀略で無一文にされた末、その助力や甘言に惑わされます。一時はベルトランの仲介で得た魔力で敵を斥けイザベルに近づくことに成功しますが、パレルモで再会した異父妹アリスのはたらきかけで我に返り、魔力の助けを失い囚われの身に。魂を売ればイザベルに近づけるぞと言い募るベルトラン。しかしロベールはアリスから受け取った母の遺言状に従って誘惑を斥け、ベルトランは地獄へ引き戻され恋人たちは結ばれることに……ベルトランが呼び出す尼僧たちの亡霊のバレエや終幕の大きな場面転換など、見せ場に事欠かない全5幕の一大スペクタクルを、ミンコフスキの圧倒的なドライブと精緻な解釈のもと、厳選歌手陣による確かな解釈で聴けるのは画期的というほかありません。演奏の充実もさることながら、BRU ZANEレーベルならではの図版満載充実解説(仏・英語)も頼もしく、マイアベーアとフランス19世紀オペラの真価を再認識してゆくうえで必携の決定的録音と言ってよいでしょう。(2022/09/23 発売)

    レーベル名:Bru Zane
    カタログ番号:BZ1049

  • ルクレール: 《シラとグロキュス》

    【フランス・バロック随一のヴァイオリン奏者=作曲家ルクレール唯一の歌劇作品、瑞々しい新録音!】ローマの巨匠コレッリの系譜をひく名手ソミスに師事、フランスでいち早く独自のヴァイオリン芸術を確立した稀代の名手=作曲家ルクレール。一時はオランダで過ごし、同世代のイタリア出身の名手ロカテッリと親交を結んで技芸に磨きをかけた後帰国、演奏家としても作曲家としても高い名声を得ながら、最期は謎の刺殺事件の犠牲者として世を去りました。ヴァイオリンのための作品は古楽器奏者たちも数多く録音してきましたが、彼がオランダから戻って間もなくルイ15世の皇太子の結婚祝賀として書いた唯一のオペラ《シラとグロキュス》は意外に音源に恵まれない作品。セバスティアン・デラン指揮の録音がALPHAで最近出るまではジョン・エリオット・ガーディナーによる1986年の録音があるだけだったこの作品に、ヴィダル、スケラート、ヴァリケットらフランス歌劇界の最前線をゆく名歌手たちによる瑞々しい新録音が登場したのは実に歓迎すべきことと言えるでしょう。海の精シラに思いを寄せる海の神グロキュスに恋をした魔女シルセが、ひとたび魔法で虜にしたグロキュスに去られ恐ろしい復讐を果たす全5幕の堂々たる抒情悲劇。ヨーロッパで最も古楽が盛んな国になりつつあるポーランドの実力派楽団の好サポートを得て、名歌手たちは今書かれたばかりのような生々しい演奏解釈で作品の味わいを細部に至るまでじっくり味わわせてくれます。指揮のステファン・プレフニャクはバロック・ヴァイオリン奏者としても数々の名盤を世に送り出してきた名手。イタリア音楽への抜群の適性の傍ら、フランス音楽でも妥協ない解釈を聴かせる俊英であることを改めて実感させてやみません。(2022/09/23 発売)

    レーベル名:Château de Versailles Spectacles
    カタログ番号:CVS068

  • ボワモルティエ: 《公爵夫人家のドン・キホーテ》

    【鬼才ニケが入れ込む「ラモーを凌ぐ」天才作曲家の秘作、圧巻の最新録音!】フランス・バロック復興の勢いを数十年にわたり第一線の演奏シーンで支え、今やバロックのみならずロマン派以降のフランス音楽でも名演を連発している鬼才指揮者エルヴェ・ニケ。作曲家の現在の知名度にこだわることなく、演奏機会の少ない作品の発掘にも意欲的に取り組んでいますが、18世紀に誰よりも早くフリーランス作曲家として自活を達成した人気作曲家ボワモルティエには「同世代のラモーより先をゆく先進的作曲家」と絶賛を惜しみません。彼が早くから入れ込み実演でも頻繁にとりあげてきた《公爵夫人家のドン・キホーテ》は、NAXOSに録音している(8.553647)ほかALPHAで映像もリリースしていますが(ALPHA711)、今回はヴェルサイユでCDを再録音しました。従者サンチョ・パンサとともに所領に迷い込んだドン・キホーテをからかうべく公爵夫人が素人芝居を開催、恋するアルティシドールやニッポンの女帝に扮して二人を翻弄する荒唐無稽な物語を、ロココ期のフランス音楽ならではの典雅な魅力たっぷりに聴かせてくれます。コロナ禍によるスケジュール変更の間隙をぬって実現したという贅沢布陣の録音で、主人公のドン・キホーテと公爵夫人はそれぞれヴィダルとサントン=ジェフェリという現代フランス最前線を行く名歌手が鮮やかに演じ切り、合唱と合奏が織りなす連携の面白さもル・コンセール・スピリチュエルの俊才陣によってひときわ魅力的に響きます。旧盤CDから四半世紀をへて、ニケ自身も解釈の深まりを自負する名演で、起伏に富んだ物語の面白さをじっくり堪能できます。(2022/09/23 発売)

    レーベル名:Château de Versailles Spectacles
    カタログ番号:CVS075