シューマン, ロベルト(1810-1856)
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シューマンの歌曲が文学的にも優れているとされるのは、彼が選択したテキストによるものです。この第9集でもハイネやシラー、アイヒェンドルフなどの詩が使われており、シューマンはこれらに素晴らしい曲を付けています。中でもよく知られているのが、作品番号49のロマンスとバラード。“ラ・マルセイエーズ”の旋律が効果的に用いられた「二人の擲弾兵」はもちろんのこと、2人の兄弟が同じ少女を好きになったため、決闘で決着をつけるという「憎み合う兄弟」のような、物語りに沿った劇的な音楽がつけられているのも、シューマンの才能ならではのものでしょう。アルバムではバリトンのデトレフ・ロートが情感豊かな歌を歌い、ピアノのアイゼンロールが当意即妙のピアノを聴かせます。(2020/09/11 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.574029 |
エコー賞やグラミー賞受賞者であるチェリストのセヴェリンは長い間、チェロと弦楽合奏のためのロマン派の音楽を録音したいと考えていましたが、この分野のために書かれた曲はハイドンやC.P.E.バッハ、ボッケリーニなどバロックや古典派が多く、理由は不明ですが、いくつかの例外を除いてロマン派の時代には、ほとんどチェロと弦楽合奏のための作品は書かれなくなっていました。17世紀から18世紀に花開いたこのジャンルは、100年後には廃れてしまっていたのです。本作はシューマンの作品を中心に据えて選曲されていますが、それはシューマンがロマン派を代表する作曲家であり、室内楽や声楽においてもオーケストラ並みの豊穣さと複雑な音色を持つことにセヴェリンが着目したためです。シューマン唯一のチェロとピアノのための5つの民謡風の小品集Op.102は、室内オーケストラと相性がよいと判断し、編曲を委嘱しました。シューマンの前にはチェロの大家カサドと美しい旋律のフォーレ、後にはラフマニノフのよく知られたヴォカリーズを配置し、ロマンティックな雰囲気のアルバムに仕上がっています。セヴェリン自身もメンバーであるドイツ、エアランゲンのカメラータ・フランコニアとの演奏です。(2020/05/29 発売)
レーベル名 | :Solo Musica |
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カタログ番号 | :SM318 |
【アーロン・ピルザンが弾くシューマンとヴィトマン】1995年オーストリア生まれのアーロン・ピルザンは、モーツァルテウムでカール=ハインツ・ケマーリングに学んだのち、ハノーファー音楽学校のラルス・フォークトのもとで研鑽を積みました。2014年にCDデビュー、2021年にはALPHAより、こだわりの不等分律によるバッハの「平均律」をリリースし、大きな話題を呼んでいます。ALPHA第2弾となる今作ではシューマンの2作品と、シューマンから大きな影響を受けているというヴィトマンを収録。シューマン若き日の傑作の一つ「クライスレリアーナ」は際立った構成力で物語を語るように聴かせ、シューマンの生涯最後の作品とされる変奏曲では、慈しむような美しいタッチで魅了します。ヴィトマンによる「ユモレスク」はその第10曲に、後に収められたシューマンの変奏曲が1小節引用されているなど、関連性の深い作品。ピルザンはこの作品でも持ち前のメリハリの効いたコントロールで、現代的な音の間に散りばめられた美しいフレーズをごく自然に引き立て、浮かび上がらせています。(2023/05/26 発売)
レーベル名 | :Alpha |
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カタログ番号 | :ALPHA896 |
【ニーク・バールのセカンド・アルバムは、ベン・キムとの共演!】オランダのヴァイオリニスト、ニーク・バールは、デン・ハーグの王立音楽院でフィリップ・グラファン、ペーター・ブラントらに学んだ後、ベルリンにてシュテファン・ピカールやクリストフ・ポッペンの元でさらなる研鑽を積みました。オランダ国内はもとより各国のコンクールで入賞を重ねており、今回がセカンド・アルバムとなります。方やアメリカ出身のピアニスト、ベン・キムは、2006年のミュンヘン国際コンクールで優勝後世界各地で活躍しており、SONYとDECCAからソロ・アルバムもリリースしています。2022/23年シーズンに共演を重ねている2人がここで聴かせるのはシューマン夫妻による作品。最初の1音から、彼らがこれらの作品に傾ける深い情熱が伝わってくるような力演で、両者ともよく歌いながら振幅の大きな表現もぴったりと息の合った、素晴らしいパフォーマンスを聴かせています。(2023/09/08 発売)
レーベル名 | :Channel Classics |
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カタログ番号 | :CCS45123 |
フランス出身のヴィオラ奏者エレーヌ・ドゥサンは、2011年にジュネーヴ州立高等音楽院を卒業後、この世代随一のソリストとして活躍するほか、アンサンブル2e2mのメンバーとしても活動しています。彼女が強い情熱をもってシューマンに取り組むこのアルバムでは、現代を生きる作曲家クルターグの作品と対峙させることにより、お互いの特性を引き立てるという稀有な試みを成功させました。全部で24曲あるクルターグの「サイン、ゲームとメッセージ」から5曲を選び、その間にシューマンの「3つのロマンス」を挟み込むという実験的な試みも素晴らしい効果を生んでいます。もう一つ収録されたクルターグ作品もシューマンへのオマージュであり、親和性が高いのは当然のこと。作風は異なっているものの、音楽が目指す方向が近い作曲家だからこそ、このような共鳴が生まれるのだと言えるでしょう。ドゥサンのヴィオラは鳴らし過ぎることなく、常に優しく耳当たりの良い音色で、19世紀と20世紀が生んだ巨匠の音楽を丁寧に歌い上げています。CHANDOSレーベルに録音の多いロルティの参加も注目です。(2019/01/18 発売)
レーベル名 | :Fuga Libera |
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カタログ番号 | :FUG611 |
ヨーロッパでは人気が高い演目なのですが、日本ではあまり話題にならないこのシューマン(1810-1856)の「ファウストの情景」。音楽と同じくらい文学を愛したシューマンが、ゲーテの「ファウスト」を音楽で表そうとした結果、オペラではなくオラトリオとして創り上げたものです。完成までに9年の歳月を費やし、綿密に計算されたこの音楽はゲーテの深遠な思想と、究極の女性像など様々なものを丁寧に組み込んだ見事なものとなっています。ただし、オペラのアリアのような派手な曲もなく、ひたすら深い美しさのみがあるため、なかなか取っ付き難い作品であることも確かです。ハーディングはもともとシューマンを得意としていて、この曲にも深い理解を示しています。2013年12月には、ベルリン・フィルでもこの曲を指揮(アーノンクールの代役として)、こちらの演奏でも高く評価されたことが記憶に新しいものです。多くの独唱者と大編成のオーケストラを縦横無尽に操り、壮大な音楽を紡ぎだすハーディングの手腕と、バイエルン放送合唱団の巧みな合唱をぜひご堪能ください。(2014/11/26 発売)
レーベル名 | :BR-Klassik |
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カタログ番号 | :900122 |
悪魔に魂を売り渡したファウスト博士の伝説を基に、ゲーテが書きあげた戯曲は様々な芸術家に影響を与え、19世紀の作曲家たちも挙ってこの物語に曲を付けています。中でも「神秘の合唱」はマーラーの第8番の第2部とリストの「ファウスト交響曲」でご存知の方も多いでしょう。このシューマンの作品はゲーテの物語から「死と変容」というテーマを読み取ったもので、彼の最高傑作のひとつと言われています。早いペースで曲を書き上げる彼にしては、構想から完成まで9年間の長い年月をかけ、じっくりと曲想を練っています。最初に書かれたのは神秘の合唱の部分から。まずクライマックスを仕上げてから、物語を遡るように音楽を書き進め、1853年に序曲が書かれて、雄大なる物語が完成しました。1856年にその生涯を閉じたシューマンですが、最後の3年間は創作することが不可能だったため、この年が実質的に彼の最後の「生きている証」をなったのです。(2011/04/13 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.572430-31 |