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アレッサンドリーニが満を持して世に送り出す、バッハのフルート・ソナタ。パートナーは、アレッサンドリーニの楽団コンチェルト・イタリアーノの首席を20年務めるという、篤い信頼で結ばれたイタリア出身のフルート奏者ポンテコルヴォです。3曲あるフルートとチェンバロのためのソナタのうち、真作と見られている第1番と第3番(不完全な第1楽章はアレッサンドリーニが補作)を中心に、編曲2作品をプラスしました。C.P.Eバッハにより「トリオ」と命名された「6つのオルガン・ソナタ」より第2番は、調性をハ短調から長三度上げてホ短調とし、オルガンの右手をフルート、左手をチェンバロの右手、ペダルをチェンバロの左手へと置き換えて演奏されています。またヴァイオリン・ソナタ第6番の編曲は、今回のアルバムのために彼ら自身で行われたものです。二人の深く丁重な歌いこみがたいへん印象的な演奏で、低いチューニングもあいまって、作品の奥行きをじっくりと堪能できるアルバムに仕上がっています。使われているトラヴェルソ(バロック・フルート)は“ビュッファルダンの子”として知られる18世紀の残存楽器のコピーで、これはバッハともゆかりが深いドレスデン宮廷楽団のフルート奏者P=G.ビュッファルダン(1690頃~1768)に由来する楽器と考えられているもの。その精巧な再現楽器によって、バッハ自身の生きた時代の響きに迫った企画となっています(原文解説では、バッハとビュッファルダンの直接の知遇があった可能性も示唆されています)。(2018/09/21 発売)
レーベル名 | :Arcana |
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カタログ番号 | :A453 |
【かの無伴奏ヴァイオリン曲集をチェロで!? 妥協なく楽器と音楽学を追求した驚くべき解釈】巨匠アントニオ・ヤニグロ門下に学び、チャイコフスキー国際コンクールで優勝して現代チェロ奏者としてキャリアを歩みはじめたイタリアの名手マリオ・ブルネッロ。近年は歴史的奏法や古楽器への見識を深め、ヴェニス・バロック・オーケストラ(ジュリアーノ・カルミニョーラ主宰)やモーツァルト・オーケストラ(クラウディオ・アバド主宰)などで古楽器演奏家としても存在感を高めてきました。バッハの『無伴奏チェロ組曲』も2010年に録音、しかし彼は「もうひとつのバッハ無伴奏」であるヴァイオリンのための6曲の存在が、ずっと気になっていたのです。ブルネッロはバッハ研究者たちの近年の研究を受け、18世紀にも存在していたテノール・ヴァイオリン(通常のヴァイオリン同様4弦で、1オクターヴ下の調弦)に相当すると考えられるアマティ・モデルの小型チェロを用い、かのヴァイオリン作品の至宝と対峙しました。結果「今までバッハを半分しか理解していなかった」と感じ、全曲録音するまでにのめり込んだとのこと。この演奏効果に『海の上のピアニスト』の原作者アレッサンドロ・バリッコが驚き、解説にコメントを寄せているほどです。楽器や弓、弦のほか、演奏台にもこだわりを見せた録音でブルネッロが迫る音響世界――『無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ』の作品理解に大きな一石を投じる録音です。(2019/10/25 発売)
レーベル名 | :Arcana |
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カタログ番号 | :A469 |
古楽から近代作品まで幅広いレパートリーを誇るイタリア出身のチェリスト、マウロ・ヴァッリによるたいへん興味深い企画。音楽史上最も早い時期の無伴奏チェロのための作例であるドメニコ・ガブリエッリのリチェルカーレと、バッハの無伴奏チェロ組曲を調性の関連に目を付けて並べたアルバムです。ガブリエッリのいたボローニャは、17世紀当時からチェロを独奏に使った音楽がいち早く花開いた都。ヴァッリはそうしたイタリア・バロック期のチェロ音楽に対する自らの深い理解を背景に、バッハ自身もフレスコバルディ、アルビノーニ、ヴィヴァルディといったイタリアの作曲家に魅了されていたことをふまえ、独自のイタリア風解釈のバッハを作り上げました。また通常の組曲第6番はもちろん、第4番でも5弦チェロ・ピッコロを使用しているのが興味深いところです。(2019/02/27 発売)
レーベル名 | :Arcana |
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カタログ番号 | :A459 |
【快演!名手カルミニョーラによる無伴奏チェロ】ドイツ・グラモフォンに録音した「無伴奏ヴァイオリン」の名演から4年(録音時点では3年)、ジュリアーノ・カルミニョーラがもう一つの"無伴奏"、チェロ組曲をARCANAレーベルに全曲録音しました。編曲はイ・ムジチのメンバーとして活躍し、カルミニョーラとは20年にわたり共演を重ねてきた友人マルコ・セリーノによるもの。新型コロナ・ウイルスによる世界的パンデミックの直前にこの楽譜と出会ったカルミニョーラはその編曲に感銘を覚え、チェリストの友人マリオ・ブルネロの協力も得て、ロックダウンの中この作品に取り組んだということです。チェロとヴァイオリンの調弦は1オクターヴと5度違うため、この編曲でも基本的に5度上に移調されています。また第5番ではチェロと同様に第4弦を1音下げるスコルダトゥーラを採用。そして5弦のチェロ・ピッコロ(2~5弦の調弦はヴァイオリンの丁度1オクターヴ下)のために書かれたとされる第6番は原調にて臨んでおり、本来は低いC弦を使う箇所のみ、音楽の流れを崩さぬよう1オクターヴ上げて演奏されています。このためヴァイオリンでも軽やかな表情が可能となり、チェロのものとは大きく違うものの、ヴァイオリンならではの自在な表現で美しく歌われる無伴奏チェロ組曲が誕生しました。作品に命を吹き込む、カルミニョーラならではの活き活きとした表情が大きな魅力となっています。なお編曲者マルコ・セリーノは、「エンニオ・モリコーネ: シネマ組曲」(A495/NYCX-10268)にソリストとして参加しております。(2022/09/09 発売)
レーベル名 | :Arcana |
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カタログ番号 | :A533 |
【18世紀に消えゆくガンバとリュートが、新開発楽器フォルテピアノと交錯する時】ヴェテラン古楽撥弦奏者ロルフ・リスレヴァンドの子で、2022年ARCANAから『解き放たれたフォルクレ』(A486)でソロ録音デビューを果たした新世代のヴィオラ・ダ・ガンバ奏者アンドレ・リスレヴァンド。フランス音楽に特化していた前作から一転、今度はドイツと英国で18世紀に活躍した作曲家たちに焦点を当て、ガンバと同じく当時すでに全盛期を過ぎ廃れかかっていたリュート(およびテオルボ)と、新たに普及していったフォルテピアノを交えた編成で「ヴィオラ・ダ・ガンバ史の秋」の比類ない魅力に迫ります。テレマンのファンタジアやアーベルの小品など無伴奏作品で聴かせる、パッションを秘めた人間味豊かな音楽性もさることながら、フォルテピアノの玄妙な響きがガンバのたおやかな美音やリュートの撥弦音と重なり合う、C.P.E.バッハやアーベルの前古典派流ソナタの味わいは何ともユニーク。鍵盤ぬきにガンバとリュートだけで奏でられるヴァイス原作のバッハ編曲作品も魅力的な響き。自身バロック・ヴァイオリン奏者としての活動歴を持ち古楽器の機微をよく知る名技師ライナー・アルントの的確なエンジニアリングを得て、古楽器ならではの音色美や音作りをじっくり味わえる仕上がりになっています。(2023/08/25 発売)
レーベル名 | :Arcana |
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カタログ番号 | :A549 |
【ARCANAレーベルの「作品1」は、南フランスに花開いたルネサンスのリュート芸術】Astreeを立ち上げた伝説的プロデューサーのミシェル・ベルンステンが、そのNAIVEへの発展的解消にさいし再独立、1993年に立ち上げたArcana。記念すべきリリース番号1を冠されているのが、この味わい深いリュート録音です。ミラノ出身のリュート奏者パラディーノは16世紀中盤、その頃イタリア人が多く暮らしていたフランス南部リヨンで活躍しました。当地で刊行された2編の作品集は、イタリアの器楽作法がフランスへもたらされた貴重な例です。ジャヌカンらの多声シャンソン全盛期と同時代であることを示す編曲例も興味深い一方、ファンタジアや舞曲の数々にはフランチェスコ・ダ・ミラノらに通じる深みもあります。名手フェレの確かな解釈は、その魅力を存分に伝えています。(2021/01/15 発売)
レーベル名 | :Arcana |
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カタログ番号 | :A905 |
【宗教史の大きな謎に迫る好企画!】クロアチアという隠れた古楽の宝物庫から現れ、世界的な活躍を続けている中世音楽集団ディアロゴスの最新盤のテーマは「釈迦物語」。驚くべきことに、仏教の開祖ゴータマ・シッダルタ=ブッダの生涯はマニ教の書物を介してアラビア語圏に伝わり、そこから東方正教やローマ・カトリックの世界に伝わった結果なぜかブッダが「老人バルラームとの出会いでキリスト教に目覚め、父王の怒りを買いながらも改宗した聖人ヨサファト」として扱われるようになったとのこと。ディアロゴスはイタリアやスラヴ語圏・ギリシャなどの中世写本、あるいは南仏吟遊詩人の物語歌などから関連する詩歌を精選、簡素な中世楽器を伴奏に用いながら、独特の朗誦でその実像を浮き彫りにしてゆきます。ごくシンプルな器楽伴奏による歌の響きは、それを聴くだけでも心が中世へと誘われる美しいもの。音だけでは伝わりにくい詳細な諸問題点にも配慮は万全で、ダウンロードによるマルチメディアe-book(英語版とフランス語版)が付属しており、200ページにも及ぶ解説文と豊富な図版、解説と演奏の動画などを楽しむことが出来、この興趣の尽きない伝説を俯瞰する興味深い内容となっています。※e-bookはブラウザを使用してお楽しみいただけますが、映像が支障なく再生できる環境(Windows10とMicrosoftEdgeの組み合わせなど)が奨励されています。(2019/05/24 発売)
レーベル名 | :Arcana |
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カタログ番号 | :A458 |
【同曲集最高の録音とも目されてきた名盤、レツボール最初の「ロザリオのソナタ」】オーストリア17世紀を代表する作曲家のひとりであり凄腕ヴァイオリン奏者であったビーバーが、長く仕えたザルツブルク大司教のために書いた『ロザリオのソナタ集』は、15の通奏低音付ソナタで聖母マリアの生涯のエピソードを表現したもので、14通りの変則調弦を通じて当時のヴァイオリンの作曲技法が縦横無尽に披露され、末尾には無伴奏の長大なパッサカリアが添えられています。同じオーストリア出身の名手レツボールが1997年にリリースしたこの録音は、多彩な通奏低音パートの考え抜かれた解釈といい、レツボール自身の圧巻というほかない超絶技巧といい、隅々まで美しさがきわだつ鮮烈な録音として高い評価を博してきました。プレス切れ期間も長く復活を望む声がとくに多かったタイトルですが、このたび廉価シリーズの第一弾リリースに編入され、お求めやすく再登場することに。PAN Classicsから登場したレツボールの同曲新録音(2020年レコード・アカデミー賞音楽史部門受賞)との聴き比べは、古楽ファンならぜひ楽しみたいところです。(2021/01/15 発売)
レーベル名 | :Arcana |
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カタログ番号 | :A902 |
【1曲だけで名を残した初期バロックの幻の作曲家、バーゼルの精鋭陣が解き明かすその素顔】古楽研究の一大拠点、バーゼルのスコラ・カントルムで腕を磨いた管楽器奏者たちが2009年に結成したコンチェルト・シロッコ、今回の新譜では、たった1曲で名前だけが広く知られていたものの、全貌がまるでわからなかった初期バロックの異才の素顔が明らかに。英国ルネサンス期の鍵盤曲集でもとくに名高い『フィッツウィリアム・ヴァージナル・ブック』に唯一登場するイタリア人で、そこに収められた異色のトッカータ1曲だけでしか名が知られていなかったジョヴァンニ・ピッキなる作曲家が、生前いかに多彩な音を紡いだ音楽家だったかが、19曲もの器楽曲を通じて解き明かされます。1572年頃に生まれヴェネツィアを中心に活躍、モンテヴェルディとほぼ同時期を生きたピッキは、かの水の都で『タンクレーディとクロリンダの戦い』やカステッロのソナタ集などが世に出た1625年に1編のカンツォン集を刊行していました。ヴァイオリン、リコーダー、木管コルネット、サックバット(トロンボーン)など多彩な楽器がその音色美とテクニックを競い合わせ、コンチェルト様式の粋をゆくエキサイティングな対話的音楽から、ガブリエーリの複合唱形式を思わせる比較的大編成の作品まで、本場の才人奏者たちでなくては達しえない高度な演奏で味わえるのは絶妙。研究成果に基づきサックバットのパートをヴィオローネに割り当てるなどの機転も興味深いところで、そのような解説も国内盤には日本語訳を掲載いたします。※ このCDのバックインレイにて、ピッキの生歿年が誤って記載されておりますが、そのままのご提供になります。ご了承ください。なお、ブックレット及び国内盤の帯に関しては、正しい年が記載されます。(2020/08/14 発売)
レーベル名 | :Arcana |
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カタログ番号 | :A476 |
【英国に根づいてゆくフランス式オーボエ音楽の味わいをそのままに!】ヴィヴァルディやアルビノー二の協奏曲、バッハの教会カンタータなどで大々的な活躍の場があるため、比較的バロック音楽の世界でもなじみ深いオーボエ。しかしその歴史は弓奏弦楽器や鍵盤楽器ほど古くはなく、ショームやボンバルド属などに代わる本格的なオーボエがフランスで誕生したのはバロック後期、17世紀もかなり後になってからのこと。そして同国以外では英国が、1670年代からいち早くフランス風オーボエの導入が見られた地域でした。フランスに亡命中チャールズ2世が同地の洗練された文化を吸収した後、王政復古で英国に返り咲いたことも大きかったようですが、その姪で英国王室最後のステュアート家出身者となったアン女王(1665-1714、在位1707-)は、王位継承前からフランス流オーボエ楽団を雇っていたほどこの楽器を愛した君主。本盤でCDデビューを飾るラ・プティット・エキュリーは彼女の時代に光を当て、「パーセル以降、ヘンデル以前」の英国におけるオーボエ音楽の魅力に迫ります。彼らは当時のオーボエ楽団を構成した3種の管楽器と打楽器という編成で、フランス風組曲仕立てに書かれた英国の作曲家たちの室内楽を続々披露。コントラスト鮮やかな舞曲のリズムもさることながら、各楽器の伸びやかで味わい深い響きも聴きどころ。リコーダー作品で知られるペイジブルや近年密かに再評価が進むチェコ出身のフィンガーなどに交じり、歿後なお人気の衰えなかったパーセルの傑作選まで楽しめるのも嬉しい選曲です。(2022/04/22 発売)
レーベル名 | :Arcana |
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カタログ番号 | :A527 |