リスト ピアノ作品全集
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波乱万丈の生涯を送ったリスト。若い頃は華麗で技巧的な作品を書いていましたが、壮年から晩年に至るにつれ、少しずつ落ち着いた内省的な作風へと変化していきます。日本語で「慰め」と呼ばれるコンソレーションは、1844年から49年頃に作曲された6つの曲からなる曲集で、現在演奏されるのは1950年に改訂された第2稿が多く、こちらの初稿版はほとんど耳にすることがありません。初稿版では、最もよく知られてる第3番には、ハンガリー狂詩曲風の全く別の曲が置かれているなど、いくつかの変更点があり、リストの創作過程の変遷の一端が伺えます。他の作品も普段耳にする稿とは違うヴァージョンで、違いを探しながら聞く楽しみも味わえます。リストの研究者ゴラン・フィリペツの演奏です。(2018/09/28 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573794 |
リストの代表作「ハンガリー狂詩曲」が完成したのは1853年。彼の創作の絶頂期ともいうべき時期でした。そして同年に書かれたのがこの「ハンガリーのロマンス集」です。この作品は若きブラームスとコンビを組んでいたことで知られるエドゥアルト(エド)・レメーニがワイマールを訪れ、一時期リストの指導を受けていた時期に師と共作したもので、このアルバムの18曲がリストの手によるものです。当時のハンガリーの作曲家たちによる様々なメロディを主題に用い、基本的には狂詩曲と同じ「遅い部分-急速な部分」の2部で構成されており、要所要所には即興的な場面も用意されています。ただ、完全な形で残されていない曲も多く、13番以降はほとんどスケッチのような状態であり、またリスト特有の超絶技巧もあまり見られません。存在自体も知られておらず、近年の研究によって発表されたばかりの曲集です。(2018/06/27 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573805 |
リストと言えば「ハンガリーの作曲家」のイメージがありますが、実際には両親はドイツ系の移民であり、本人もハンガリー語を話すことは出来ませんでした。しかしリスト自身は「ハンガリー人としてのアイデンティティ」を生涯大切にしていました。波乱万丈の生涯を送ったリストでしたが、年を取るに従って健康が悪化、その上、自身の祖国と認識していたハンガリーからも拒絶されるなど最晩年は決して幸せなものではなかったようです。しかし作品には自由度が増し、晩年の「忘れられたワルツ」やいくつかのチャールダッシュなどは、調性からも脱却、現代にもつながる前衛性を備えていることで知られています。ここで一連の作品を演奏しているのは、リスト作品で高く評価されているクロアチアのピアニスト、ゴラン・フィリペツ。鮮やかな技巧で難曲を弾きこなしています。(2018/04/27 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573705 |
リストの代表作の一つ「ハンガリー狂詩曲」。全部で19曲あるとされ、その中の何曲かは管弦楽版にも編曲、こちらも高い人気を誇っています。しかし自作を何度も改編、改作するのが常だったリスト、この「ハンガリー狂詩曲」にも更なるオリジナル・ピアノ版が存在していることはあまり知られていません。このアルバムに収録されている「Magyar Rapszodiak-マジャール狂詩曲」がそのオリジナル版で、1846年から1847年に、リストがハンガリーで耳にした様々なメロディーを組み合わせて作った曲集です(12番から始まっているのは、11曲ある「ハンガリーの民族旋律」のあとに附番されているため)。この中のいくつかの作品が後に現在耳にする「ハンガリー狂詩曲」へと生まれ変わりましたが、オリジナル版もリストらしい華やかな技巧が凝らされており、聴きごたえもたっぷりです。名手カルロ・グランテの演奏です。(2018/02/23 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573784 |
ピアニストとしての素晴らしい活躍、そして華やかな女性遍歴。若い頃から波乱万丈の人生を送ってきたフランツ・リストですが、人生の中盤を迎えた頃から宗教に傾倒し、それとともに作品も次第に深遠な雰囲気を帯び始め、また調性からの脱却も見られるようになります。このアルバムに収録された2曲のオラトリオは、どちらもリストが50歳を越えた1860年代に作曲された“宗教曲”で、「聖エリザベートの伝説」(1862)はドイツの聖女の物語、「キリスト」(1866)はそのタイトル通りキリストの誕生から受難、復活までが描かれた壮大なオラトリオです。ただ、どちらの作品も全曲演奏は稀であり、耳にする機会もあまりません。リストは各々の作品から美しい部分を取り出し、ピアノ独奏用の楽譜も準備しました。若い頃の作品に比べるとかなり落ち着いた雰囲気を持つ美しい曲集です。/(2017/10/27 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573385 |
リストとベルリオーズ。2人は生涯に渡って親しい友人であり、お互いに影響しあうライバルでもありました。リストが最初にベルリオーズの作品をピアノ用に編曲したのは1833年の「幻想交響曲」。あまりにも素晴らしい編曲であったため、ベルリオーズの原曲よりもリスト編曲版が先に出版されるほどでした。その後も、リストはベルリオーズの作品を愛し、多くの機会でそのピアノ編曲版を演奏、結果的にベルリオーズ作品の普及に努めることになりました。このアルバムでは、ベルリオーズの「幻想交響曲」に登場するイデー・フィクス(固定楽想)をリストが発展させたものを含む興味深い作品を聴く事ができます。/(2017/05/26 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573710 |
難曲として知られるリストの「超絶技巧練習曲」。タイトルからして“難しいぞ”と断言しているこの曲集、実は「パガニーニ練習曲」のようにいくつかのヴァージョンが存在します。通常耳にすることが多いのは第3稿と呼ばれるもので、こちらは改訂を重ねた最終形態でリスト41歳の時に出版されています。実は、リストが最初にこの練習曲の構想を立てたのは15歳の時。「すべての調性のための48曲の練習曲」として着想されるも、結局は12曲だけが作られ出版にいたりました。その11年後に再チャレンジしたのが、今回収録された第2稿にあたる曲集です。有名なマゼッパ(第4番)には、まだタイトルは付けられていませんし、何より、実際に演奏されることよりも、彼の理想とするピアニズムを追求することが目的であるため、演奏者には無理な要求がなされている部分が多く、一部の曲についてはシューマンが「嵐、恐怖の練習曲で、リスト自身ですら演奏できないのではないか」と呼ぶほどに、演奏困難な曲集なのです。とは言え、中国人ピアニスト、ジン・ウェンビンはいとも容易く弾きこなしているように聞こえます。(2017/03/24 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573709 |
リストのピアノ曲全集第44集は「声楽曲のトランスクリプション」集。リストが残した膨大なピアノ曲の中でも、とりわけ異彩を放つのが一連の編曲物であり、このアルバムでも、同時代の作曲家の歌曲と、リスト自身の歌曲をピアノ用に編曲した興味深い作品を聞くことができます。リスト自身の曲と、1曲だけ含まれたショパンの作品以外は、原作の作曲家名すら知られておらず、この編曲によって後世に名が残った人もいるという貴重な作品集。共感に溢れた「ハンガリー賛歌」(トラック6)での荘厳な響きは、ハンガリー生まれのリストの心意気の表明です。またショパンの作品「わが喜び」(トラック4)は、すでにリリースされている「ポーランドの歌」(8.553656)の第5曲とは違うヴァージョンというのも面白いところです。リスト自身の作品の中では「ノンネンヴェルトの僧房」の4つの異稿版が聴きもの。お気に入りの作品には何度も手を加えたリストならではの、作品の微妙な違いを聞き分けるのも面白いでしょう。この録音の4ヵ月後にこの世を去ってしまったカナダ人ピアニスト、ジョエル・ヘイスティングスの追悼盤です。(2017/01/25 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573557 |
NAXOSの人気シリーズ、リスト(181-1886)のピアノ曲全集第43集。過去には2台ピアノ版の「ダンテ交響曲」(第26集:8.570516)、「前奏曲」(第29集:8.570736)、「ファウスト交響曲」(第34集:8.572560)がリリースされていて、編曲者としてのリストの才能を知ることができましたが、今回はいくつかの交響詩の「ピアノ独奏版」の登場です。作曲家によっては、ブラームスのように、まずピアノ版を作ってからオーケストラ稿を書く人もいますが、このアルバムに収録された作品はちょっと事情が違い、もともとの管弦楽版を、リストの監修のもと、他の作曲家がピアノ独奏版に仕上げたものです。どれも出来上がった作品をリスト自身がちょっとだけ手直しして出版するという「リスト承認」の編曲版といったところでしょうか。ピアニスト、モンテイロはブラジル生まれ。4歳からピアノを学びブラジル国内および南米のコンクールで優勝し、ブラジル文化省から奨学金を得てイーストマン音楽学校に留学。第2回マルタ・アルゲリッチ国際ピアノ・コンクールで2位を獲得しました。GRANDPIANOレーベルからエンリケ・オズワルドのアルバムをリリース(GP682)、こちらも好評を博しています。(2016/06/29 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573485 |
NAXOSがリスト(1811-1886)のピアノ曲全集に挑むことになった時、多くのリスト・マニアたちは「あのパガニーニ練習曲はどうするんだ!」とつぶやいたに違いありません。何しろ通常耳にする「大練習曲」はともかく、難しすぎることで知られる初版の方・・・これを完璧に弾ける人がいるんだろうか。と杞憂したのです。しかし安心してください!ついに問題の「超絶技巧練習曲」の方もお届けいたします。これまでにこれを完全に録音しているピアニストはこのフィリペツを含めても5人もいないはず。有名な「ラ・カンパネラ」の初稿ヴァージョンも(パガニーニのヴァイオリン協奏曲のメロディが混じる)、あの第4番の「第2稿」ももちろん入ってます(この曲に至っては、完璧な演奏を聴きたかったら「打ち込み」に頼るしかなかった)。とにかくこの偉業を聴いてみてください。すごいぞ、フィリペツ!まさに疾風怒涛の70分。新たな伝説が始まります。(2016/04/27 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573458 |