日本でただひとり、ソロクラリネッティストとして活躍する、クラリネットの貴公子・赤坂達三の実に6年ぶりのニューアルバム、そしてデビュー20周年記念アルバムです。今回の収録曲は演奏者自身が強く望んでいた「アーティストとして最盛期の今しか残せないであろう」と語る超絶技巧曲集。パリ・コンセールバトワール(パリ国立音楽院)の歴代作曲家がパリ音楽院の試験曲として作曲した各曲は、当代一流の名門音楽大学の試験曲というだけあって、最高難度の技巧、高い音楽性が要求される曲ばかりです。サン=サーンスのオーボエソナタは演奏者自身のクラリネットに対する想いから、クラリネット版での世界初録音となりました。アンコールピースとして、オーリックの映画音楽「赤い風車~ワルツ」も収録、フランス・パリに自身の音楽的ルーツを置く赤坂達三ならではの、まさにオマージュ・ア・パリです。収録曲の中にはあまり演奏機会の少ない作品もあり、秘曲ファンにはまさに垂涎の1枚です。レコーディングはDSDレコーディングで、音質も充実。また共演ピアニストは長い間伴奏者を務める浦壁信二。二人はパリ国立音楽院の留学組みで実に25年来の仲ですが、まさに肝胆あい照らし、酸いも甘いも知り尽くした二人ならではの絶妙のアンサンブルは圧巻です。いわゆるグランドピースアルバムではありませんが、世界的に認識されている最高難度の名曲の数々は、今の赤坂達三の実力、芸術観を世に問う1枚として注目されていくことでしょう。