●収録楽曲解説
Tr.1 ヴィヴァルディ: ヴァイオリン協奏曲「四季」より 「冬」 Op.8 No.4 RV297 – 第2楽章
♪雨の休日、家でまったりしながら聴くハイレゾ♪
ライフスタイル×ハイレゾの融合をテーマにした「ハイレゾクラシック Relax」は、まさにそのコンセプトにうってつけの曲からスタートします。季節にちなんだ短いソネット(詩)をイメージして書かれたといわれるヴィヴァルディの「四季」ですが、この「冬 – 第2楽章」は、「満ち足りた静かな日々を暖炉の前で過ごす/外は見わたすかぎり雨が降りしきっている」というソネットに基づくのだとか。雨の休日、リビングでゆったりとこの曲を鳴らして、ハイレゾと一緒にインドアで過ごす喜びを味わってみては。
演奏: チョーリャン・リン(ヴァイオリン)/セジョン
録音: The Church of Holy Trinity, New York City, from 6th to 9th September, 2005
Producer: Steven Epstein
Engineer: Richard King
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ヴィヴァルディ: ヴァイオリン協奏曲集「四季」
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Tr.2 ラヴェル: 亡き王女のためのパヴァーヌ
♪お仕事の休憩タイムに、疲れをやわらげるハイレゾ♪
最近はハイレゾ・ポータブル・オーディオのリリース・ラッシュ。通勤時の音楽もハイレゾに切り替えたという人が多いのでは。せっかくポータブル機器を持っているのだったら、仕事の休憩タイムにもハイレゾを聴いてみてはいかがでしょう。「亡き王女のためのパヴァーヌ」は、クラシック界きっての美メロ曲。派手な尖った音は一切なく、弦楽器や管楽器が、ふんわりしたメロディを奏で、耳から身体を包みこみます。キーボードを叩く音や、ピリピリしたオフィスの空気から逃れて、6分34秒、このたゆたう美しい音に心身をゆだねてみませんか。
演奏: フランス国立リヨン管弦楽団/レナード・スラットキン(指揮)
録音: The Auditorium de Lyon, France, on 2nd and 3rd September, 2011
Produced and engineered by Tim Handley
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ラヴェル: 管弦楽作品集 第1集
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Tr.3 フィビヒ: 交響詩「田舎の印象」 Op.54 – I. 月の光 Op.9
♪おやすみ前にぴったりの安眠のハイレゾ♪
「ハイレゾはオーディオの前で腕を組んで真剣にじっくりと味わうもの。クラシックなら尚更だ」…もちろんそれもOK。でも、気持ちのいい音を、自分がいちばん気持ちのいい時間にたっぷり浴びるのも素敵なもの。「月」はクラシックの音楽家が好むテーマですが、郷愁と人情の国(?)チェコの作曲家フィビヒが描く「月の光」は、神秘的、ロマンチックというより、どこか心をほっとさせる暖かさを持っています。ハイレゾであれば、その優しい光が細かい滴のシャワーのように降り注いでくるのを感じつつ、幸せな気持ちで眠りにつけるでしょう。
演奏: チェコ・ナショナル交響楽団/マレク・シュティレツ(指揮)
録音: Recorded at CNSO Studio No. 1 ‘Gallery’, Prague, Czech Republic, 6–7 February 2012
Producer: Jiři Štilec
Engineers: Václav Roubal, Karel Soukeník
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フィビヒ: 管弦楽作品集
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Tr.4 ドヴォルザーク: 交響曲第8番 ト長調 Op.88 B.163 – 第2楽章
♪旧友を招いて一緒に聴きたいハイレゾ♪
ハイレゾの魅力は最新録音に限りません。青春時代にレコードで聴いた「懐メロ」のリマスタリング音源を聴き、当時の感動をリアルに思い起こす人も多いのでは。Tr.3のフィビヒと同じくチェコ人であるドヴォルザークは、郷愁の作曲家の代表格。のどかなボヘミアの田園風景を描いたといわれる交響曲第8番は、はじめて聴く人にも懐かしさを催させる魔法の曲。昔の友達を招いて、自宅でハイレゾ鑑賞会を催した時は、ぜひ合間にでもこの曲を流してください。かつて皆で夢中になってレコードプレイヤーを囲んだ記憶が蘇り、涙を誘う…かもしれません。
演奏: ボルティモア交響楽団/マリン・オールソップ(指揮)
録音: Recorded live at Joseph Meyerhoff Symphony Hall, Baltimore, USA,
from 10th to 13th January, 2008 (tracks 5-7), and from 19th to 22nd March, 2009 (tracks 1-4)
Producer: Steve Epstein
Engineer: Richard King
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ドヴォルザーク: 交響曲第7番/第8番
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Tr.5 メンデルスゾーン: ヴァイオリン・ソナタ ヘ短調 Op.4 MWV Q12 – 第2楽章
♪まるで知的なサロン…インスピレーションを得たいときのハイレゾ♪
メンデルスゾーンといえば、クラシック音楽界きってのお坊ちゃん作曲家。富裕な銀行家の息子として生まれ、語学や詩作や絵画も嗜み、日曜ともなれば自宅のサロンに地元の名士やアーティストが押し寄せたとか。このヴァイオリン・ソナタも、そうしたサロンで演奏されたといわれている曲。貴族の時代のようなキラキラゴージャスではなく、あくまで知的で真面目、そして文化の香り高い作品。きっとこの若き日の作品(なんと16歳作曲!)が、そこに集うアーティストに新たなインスピレーションを与えることもあったことでしょう。ハイレゾで、ぜひ、メンデルスゾーン家のサロンの臨場感を体感してください。
演奏: 楊天堝(ヴァイオリン)/ロマン・デシャルム(ピアノ)
録音: Hankasalmi Church, Jyväskylä, Finland, from 1st to 3rd September, 2010 (tracks 1-3), and on 30th and 31st August, 2010 (tracks 4-6), and at Clara-Wieck-Auditorium, Sandhausen, Germany, on 15th December, 2011 (tracks 7-9)
Producers: Sean Lewis (tracks 1-6); Günter Appenheimer (tracks 7-9)
Engineers: Andrew Mellor and Sean Lewis(tracks 1-6); Günter Appenheimer (tracks 7-9)
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メンデルスゾーン: ヴァイオリン協奏曲 ホ短調/ニ短調/他
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Tr.6 ベルリオーズ: 夢想とカプリス Op.8
♪ワインを傾けながらほろ酔いで聴きたいハイレゾ ♪
若者が恋に破れてアヘンに耽りキケンな妄想に溺れていく…これがベルリオーズの代表作「幻想交響曲」のあらすじ。これがどこまで自伝的な内容なのかはさておき、彼の音楽がサイケデリック・ミュージックのハシリであることは間違いなさそう。この「夢想とカプリス」も、ただ美しいだけではなく、ヴァイオリンの妖しげな旋律が酩酊感を醸し出しているちょっとアブない作品。19世紀のフランスの社交場はかくも危険な魅力に満ちたところだったのでしょうか。こんな音楽は、アヘン…ではなく適量のお酒と一緒にどうぞ。ハイレゾによる心地よい酔いの快楽を味わってください。
演奏: ジョヴァンニ・ラディヴォ(ヴァイオリン)/フランス国立リヨン管弦楽団/レナード・スラットキン(指揮)
録音: Recorded live at the Auditorium de Lyon, France, on 24th and 26th October, 2013
Produced and engineered by Tim Handley
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ベルリオーズ: イタリアのハロルド/他
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Tr.7 クネヒト: 自然の音楽的描写 – I. 美しい田舎、そこでは太陽は輝き、優しい東風はそよぎ、谷間に小川は流れ、鳥がさえずる。急流は音を立てて流れ落ち、羊飼いは笛を吹き、羊たちは跳びはね、羊飼いの女は美しい歌声を聴かせる。
♪都会の喧騒に疲れたときの癒しのハイレゾ♪
自然は古今東西の音楽家にたくさんのインスピレーションを与えてきました。このクネヒトという作曲家は、ベートーヴェンより一世代前の人物でありながら、すでに名作「田園」と同じ自然賛美の境地に至っていたようです。満員電車、ビル街、スマートフォン、都会と文明にお疲れのイマドキの社会人諸氏は、ぜひ長~い副題を追いながらこの曲を聴いてみてください。「これが高解像度のJPG画像ならデスクトップに設定したい」と思うような美しく素朴な田舎の風景が、ハイレゾならではのリアルな高精細でもって、たやすく目に浮かび、心を豊かに満たします。
演奏: トリノ・フィルハーモニー管弦楽団/クリスティアン・ベンダ(指揮)
録音: Recorded at the Sala Concerti del Conservatorio Giuseppe Verdi, Torino, Italy, on 15th January, 2013
(tracks 1-5), and at Studio Domovina, Prague, Czech Republic, on 17th March, 2012 (tracks 6-13)
Producers: Silvio Germano Ricci (tracks 1-5), Kateina Chobotov (tracks 6-13)
Engineers: Silvio Germano Ricci (tracks 1-5), Michael Rast (tracks 6-13)
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クネヒト: 自然の音楽的描写/他
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Tr.8 マンチネッリ: ヴェネツィアの風景 – II. 愛の宣言(アンダンテ・ソステヌート)
♪恋人と車の中で聴くロマンチックなハイレゾ♪
最近では愛車にハイレゾ・オーディオを装備する人も増えてきたもよう。さて、そんな人のハイレゾ・ドライブでうってつけの音楽がこちらです。マンチネッリは、イタリア人にしては珍しく、オペラよりもインストゥルメンタルを推奨した作曲家でしたが、その作品は恋愛映画のBGMさながら。この曲も、ヴェネツィアの美しい街で出会い、愛を誓い、かけおちし、最後に結婚するカップルの姿が、美しいサウンドと共に描かれています。最近ハイレゾに夢中なあなたに少々呆れ気味(?)の助手席の恋人も、このロマンチックな音楽には思わずハッと耳をそばだてるはず。
演奏: ローマ交響楽団/フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)
録音: Recorded at the Auditorium di Via Conciliazione, Rome, 18th-19th December 2011 (tracks 1-6) and 27th-28th November 2011 (track 7)
Producer: Fondazione Arts Academy
Music Assistant: Desirée Scuccuglia
Engineer and Editor: Piero Schiavoni
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マンチネッリ: ヴェネツィアの情景/クレオパトラ
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Tr.9 ショパン: ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11 – 第2楽章
♪集中力を高める「作業用BGM」としてのハイレゾ♪
せっかくの自慢のオーディオ設備+自分の趣味で選び抜いた珠玉のハイレゾ・トラック。聴くときに「全身全霊を傾ける」モードになってしまうのも当然のこと。でも、仕事中、読書中、ほかの趣味をしている時に、アロマを焚くのと同じ感覚で何気なく流しておくハイレゾは、あなたの音楽ライフをもっと豊かにするはず。このアルバムの収録トラックは、いずれも生活空間のなかで流す音楽にぴったりですが、わけてもショパンは「作業用BGM」にうってつけ。ピアノのきらめくメロディと落ち着いたオーケストラの音色が、だんだんと集中力を高めていくことでしょう。
演奏: エルダー・ネボルシン(ピアノ)/ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団/アントニ・ヴィト(指揮)
録音: Recorded at the Warsaw Philharmonic Hall, Warsaw, Poland, 1–5 September 2009
Producers, Engineers & Editors: Andrzej Sasin, Aleksandra Nagórko (CD Accord)
Publisher: The Foundation for the National Edition of the Works of Fryderyk Chopin
「ピアノ協奏曲第1番」全曲はコチラ
ショパン:ピアノ協奏曲第1番/ポーランド民謡による幻想曲/演奏会用ロンド「クラコヴィアク」
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Tr.10 ゴドフスキー: 12の印象 – VIII. ワルツ
♪小洒落たカフェ・タイムを愉しむハイレゾ♪
「ハイレゾクラシック Relax」のラストは、ヴァイオリンとピアノのお洒落なワルツで締めくくり。ゴドフスキーは、ニューヨーク・ウィーンほか世界中で活躍したロシア生まれの音楽家。難度の高いテクニックで紡がれるハイセンスなピアノは、重厚なオーディオ・ルームを一瞬で軽やかで居心地のいいカフェ空間に変身させます。珈琲とお菓子を用意して、カフェ・タイムを満喫してはいかがでしょう。高音質のBGMは、きれいな天然水で淹れた珈琲と同じ美味しさをもたらすはず。それにしても、ハイレゾが愉しめるカフェ、かつての名曲喫茶のように増えてくれるといいですよね。
演奏: ナツリン・ラシドヴァ(ヴァイオリン)/ロデリック・チャドウィック(ピアノ)
録音: Recorded at Wyastone Concert Hall, Monmouth, Wales, on 13th and 14th July, 2012
Producer and editor: Andrew Walton (K&A Productions Ltd.)
Engineer: Mike Clements
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ゴドフスキー: ヴァイオリンとピアノのための作品集: 12の印象/他
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