ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
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色彩的でありながら渋さも感じさせるオーケストレーションが魅力のアルヴェーンですが、「岩礁の伝説」は「この世で最も美しい管弦楽曲」の一つといって間違いありません。作曲者自身、暗い嵐の海の情景がインスピレーションの源であることを述べていますが、寄せて返すようなハープのアルペジオにのって、各種楽器がどこまでも果てしなく哀愁漂う旋律を歌うさまには、露骨描写的要素は皆無であるにもかかわらず、目の前にそのような情景が浮かぶかのような感があります。同様にやや暗さが勝った「ダラ狂詩曲」、より明るく幸福な気分も感じさせてくれる交響曲第3番もともに究極の美しさ。心行くまで味わい尽くして下さい。(1987/10/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.553729 |
スコットランドにおける芸術音楽復興の祖とされるトーマス・ウィルソン、その交響曲第2集です。1927年イギリス人の両親のもとアメリカに生まれたウィルソンは、まもなく両親に連れられ英国へ渡り、グラスゴーに暮らして音楽を学びました。彼は生涯に5曲の交響曲を完成させますが、ここに収められた第2番は、現代的な手法を用いつつ高い芸術性を保持し、心地よい緊張感と緻密な構成を持つ彼の作風が確立された作品として重要なもの。そして第5番は彼の最後の作品となったもので、スコットランド室内管弦楽団の依頼で書かれ、彼の交響曲の手法を室内管弦楽団の枠内で実践してみせた単一楽章の作品。ロリー・マクドナルドとロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団は、第3番と第4番を収録した前作(CKD616)に続き、「スコットランド芸術音楽の父」の作品を深い共感を持って描きあげています。(2020/11/13 発売)
レーベル名 | :Linn Records |
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カタログ番号 | :CKD643 |
2018年、ガーシュウィンの生誕120周年を記念して再リリースされたアルバム。原盤は1998年に「Dinemec Classics」レーベルからリリースされたもので、ロンドンで行われたガーシュウィン生誕100年記念コンサートの後、グラスゴーでの演奏が収録されています。一連の企画をたてたのはガーシュウィンの実の妹であるフランシズ・ガーシュウィン(1906-1999)。素晴らしい歌手であった彼女は夫のレオポルド・ゴドフスキーJr.(名ピアニスト、ゴドフスキーの息子)とともに活躍していましたが、このコンサートでは夫妻の息子でピアニストであるレオポルド・ゴドフスキー3世がソリストとして登場。伯父であるガーシュウィンのピアノ協奏曲を堂々と演奏しています。また、フランシズはこの日の指揮者としてセレブリエールをロンドンに招待、彼は自身が編曲した「3つの前奏曲」と「子守歌」を披露しました。(2019/03/29 発売)
レーベル名 | :SOMM Recordings |
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カタログ番号 | :ARIADNE5003 |
ポルトガル出身の指揮者、作曲家カッスート(1938-)。彼の情熱の源は常にクラシック作品と管弦楽にありますが、時としてアバンギャルドな音にも興味をそそられ、12音音楽の研究をするためにダルムシュタットの講習会にも参加しています。彼は作品を多くの聴衆のために書いたといい、そのコンセプトはこのアルバムの収録曲でも顕著です。タイトルにもなっている「未来への帰還」はバッハのブランデンブルクに触発された作品で、バロックチェンバロの代わりに電子キーボードを用い、イタリア・バロックの音楽を思わせる華麗な音階を駆使し、見事な音楽を構築しています。「友人たちへの訪問」は彼のエッセイ的な作品。こちらも過去の時代へのオマージュ足り得るものです。ピアノ協奏曲とは名付けられていませんが、広い意味での協奏曲と言っても良いでしょう。作曲家の心を雄弁に表現した興味深い作品です。(2013/12/18 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573266 |
【弦楽合奏あるいは大管弦楽のための、スコットランドにゆかりのある現代作品群】1980年代生まれの作曲家たちの作品を中心とした現代管弦楽曲集。合唱作品を中心に日本でもファンの多いマクミランとカッパーロールド、サックリングはスコットランド出身で、作曲の傍ら絵画制作でも知られ本盤のジャケットも手がけたクラインはエディンバラ大学を出ており、マクスウェル・デイヴィスの作品(原曲は1980年に書かれたピアノ独奏曲、ここでは弦楽版で演奏)はスコットランド北部オークニー諸島の町から着想を得てているなど、レーベルとオーケストラの本拠であるスコットランドにゆかりの深い作品集になっています。日本の伝統的な金継ぎ技術に感銘を受けて書かれたというカッパーロールドの表題作と、マクミランの「オスカーの死」、サックリングの「瞑想」は打楽器や金管も加わる大管弦楽のための作品で、他の3作は弦楽を中心とした編成のためのもの。いずれも各楽器の音色をよく活かしたモダンな響きながら前衛に寄り過ぎず聴きやすい作品で、じっくり親しんでゆきたくなる映画音楽のような起伏に富んだ曲想や、あるいは徹底して美しい音楽世界に出会うことの出来るアルバムです。(2024/06/21 発売)
レーベル名 | :Linn Records |
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カタログ番号 | :CKD713 |
18世紀のイタリアで全盛を誇ったオペラ・ブッファ(滑稽な登場人物による楽しい喜劇)は、パイジェッロやチマローザ、そしてモーツァルトにより完成され、その後、ロッシーニを経てドニゼッティへと引き継がれて行きます。またフランスやドイツでも独自の進化を遂げ、愉快な作品が次々と生まれていきました。しかし19世紀後半には衰退してしまい、現在では一部の作品を除き、ほとんど上演されることもありません。とは言え、これらの序曲は今でも変わらず愛されています。例えばエロールの「ザンパ」序曲は、昔FMのクラシック番組のオープニングテーマとして使われていたので、中間部の軽やかなメロディは広く知られているのではないでしょうか?どの曲も、これから起こる物語を想起させるが如く、ワクワク感に満たされたステキなものばかり。ついついメロディを口ずさんでしまうかもしれません。まずは極上のサウンドでお楽しみください。(2015/05/27 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573418 |
かつてリストに激賞され、多くのピアニストに愛奏されたグリーグのピアノ協奏曲も、20世紀最後の四半世紀には、やや斜陽となってしまったことは、大変に残念なことです。本来は長所であるはずの分かり易さゆえか、どことなく「クラシック入門者用」というイメージが強くなり、より「難解」な作品に、世間の嗜好は向いていった感があります。ロマン主義に対する反発という時代の空気も、この曲にとっては居心地の悪いものであったでしょう。しかし21世紀こそ、この魅惑の協奏曲が復権すべき時です! 美しい旋律と名技性を、これほどよく調和させた作品はありません!!(2004/07/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.557279 |
グリーグ自身も、相当数の楽曲においてピアノ用と管弦楽用の双方の版を作曲しましたが、当盤の収録曲はすべて他人の手による、ピアノ曲から管弦楽への編曲です。それにしても、集まってきた編曲者達の錚々たる顔ぶれには、マニア心をくすぐられるものがあります。その中でもとりわけ注目されるのは、グリーグと同じくノルウェー出身で、近年評価が高まってるトヴェイトの編曲でしょう。「バラード」は、グリーグの数少ないオリジナルのピアノ独奏用の大曲で、技巧的な展開の面白さでもよく知られている作品ですが、叙情的なムードを壊さずに、ピアニスティックな書法を巧みに管弦楽に翻訳した手腕には、驚かされます。(2007/05/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.557854 |
上海で生まれ、アメリカのコロンビア大学で博士号を得た作曲家 葛甘孺(ゲ・ガンリュ 1954-)の作品集です。以前の弦楽四重奏曲では、微分音や特殊奏法を駆使した不思議なハーモニーで魅了しましたが、今作の「上海の回想」は自らの体験を基にした「大河ドラマ」のような作品となっています。5歳からヴァイオリンを始めた彼の幼い視点は、様々な街の音を拾いながら、少しずつ芸術家としての使命を見据えていきます。彼が生まれた1954年は、すでにヴァイオリンを学ぶことに対しての偏見があり、幼い彼がレッスンをするときには、両親は彼のヴァイオリンにミュート(弱音器)をつけなくてはいけなかったのです。そして勃発した「文化大革命」のため、高校卒業後に強制収容所に送られ農作業に従事するも、その才能が認められ、ヴァイオリニスト、作曲家として成功するのです。そんな思い出がきっちり描かれたこの作品が演奏されるだけでも、中国という国の良い変化が見て取れるのではないでしょうか。素晴らしい文化を有する国の将来に幸福があることを祈らずにはいられません。(2015/02/25 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.570609 |