シューマン, ロベルト(1810-1856)
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1832年に作曲された「間奏曲」Op.4で、以前ジャン・パウルの文学に触発され作曲した「蝶々」Op.2と同じ手法を取ることを試みたシューマン。「蝶々」では夢想家のヴァルトと情熱家のヴルトという対照的な2人の兄弟の性格を音で表現しようしましたが、今作では更にそれを発展させ、刻々と移り変わる気分や、数多くの引用を用いたシューマンの夢見がちな性格が良く表れた作品が完成しました。そして、2人の対照的な性格を音楽で表すという考え方はシューマンを強く魅了し、架空の団体「ダヴィッド同盟」に登場する「フロレスタン」と「オイゼビウス」が生まれました。明るく積極的なフロレスタン、冷静で内省的なオイゼビウスと異なる性格を持つ2人ですが、どちらもシューマン自身の内面を表しているとされています。同じ年に着想されたピアノ・ソナタOp.11の初版には「フロレスタンとオイゼビウスによるピアノ・ソナタ、クララに捧ぐ」と記されており、この頃のシューマンのあらゆる趣向が盛り込まれた意欲的な作品として愛奏されています。この録音ではシューマンが活躍していた時代のピアノを用い、19世紀初頭の雰囲気を伝えます。 (2019/07/26 発売)
レーベル名 | :Dynamic |
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カタログ番号 | :CDS7842 |
1848年にドイツで起きた三月革命は、ドレスデンに住んでいたシューマン夫妻にも多大な影響を与えました。二人は喧噪を離れ田舎に移り住み、シューマンは落ち着いた環境でいくつかの室内楽作品に取り組んだのです。このアルバムに収録された作品はその前後の時期に一気に書かれたもので、どれも豊かなインスピレーションを感じさせます。それぞれの曲の楽器指定はホルン、オーボエ、クラリネットとなっているものの変更が可能で、チェロや他の楽器で演奏されることもあります。アルバムではスペイン出身のチェロ奏者アルベルト・マルトスとピアニスト、ミリアム・ソテロが薫り高い作品を演奏。冒頭にはクララの作品も添えられています。(2024/05/03 発売)
レーベル名 | :IBS Classical |
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カタログ番号 | :IBS-12024 |
スコットランド出身のピアニスト、アラスディア・ビートソンが演奏するロマン派から近代のピアノ作品集。2003年の「上海国際ピアノ・コンクール」で第2位に入賞、ウィグモア・ホールで開催したリサイタルが絶賛され注目を集めた人です。このアルバムは各々の作曲家の「作品番号第1番」が集められたもの。シューマンの「アベッグ変奏曲」でのストーリー性、グリーグ作品にみられるシューマンの影響、ブラームスのソナタから感じられるベートーヴェンの様式、独創的なベルクと、それぞれの作品から特徴を引き出した見事な演奏です。(2019/05/24 発売)
レーベル名 | :SOMM Recordings |
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カタログ番号 | :SOMMCD086 |
新しい演奏家への出会いの提供で好評を頂いている当シリーズ、2003年クリーヴランド国際ピアノコンクールで優勝した、日本期待の星・福間洸太朗の登場です。オール・シューマン・プログラムとなっていますが、超メジャー曲が外れた選曲が興味をそそります。若々しく華やかな「アベッグ変奏曲」、詩情と充実したピアニズムが魅力の「8つのノヴェレッテ」、やや晦渋な色も見え隠れする「3つの幻想的小曲」、いずれもシューマンらしいロマンティシズムが横溢していますが、力任せの勢いだけでは絶対に聴かせることのできない、真の意味での難曲といえましょう。そして福間は見事に楽曲の魅力を引き出すことに成功しています!(2005/08/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.557668 |
韓国とドイツの血を引くピアニスト、クリストファー・パーク。バンベルクで生まれ、ザールランド音楽大学に最年少(12歳)で入学、研鑽を積みながら、数多くの音楽祭に出演し国際的な注目を集めます。ソロ活動だけでなく、室内楽、歌曲の伴奏にも熱心に取り組み、とりわけスミ・ジョーと共演盤(ドイツ・リート)は、その巧みな伴奏がが絶賛されました。このアルバムではシューマンの4つの作品を演奏しており、豊かな音楽性を楽しむことができます。「オーケストラなしの協奏曲」は後に「ピアノ・ソナタ第3番」として改訂された作品。当初5楽章で構想されたものの、2曲のスケルツォを割愛して出版されましたが、その後1曲を付け加え、ピアノ・ソナタ第3番となりました。このアルバムでは、割愛されたスケルツォ(シューマンの死後出版)も最後に付け加えられています。(2019/04/19 発売)
レーベル名 | :Oehms Classics |
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カタログ番号 | :OC1886 |
シューマンの様々な思いを伝える1枚。冒頭に置かれている「幻想曲」はシューマンが「ボン・ベートーヴェン記念碑」のために構想したものですが、第1楽章でベートーヴェンの歌曲集『遥かなる恋人に』第6曲から「この歌をどうか受け入れて/愛するあなたに歌ったこの歌を」の部分の旋律を引用し、クララへの深い愛を託しています。当盤で注目すべきは第3楽章の最後で、ロッシはシューマンの最初の構想によるエンディングを採用し、出版譜では静かな和音で締めくくられるところに上記の旋律が回帰してクララへの思いの強さを強調しています。「アルバムの綴り」は1853年出版。もともとは「子供のためのアルバム」Op.68のために書かれた小品集で、青春の残像から娘マリーへの子守歌までさまざまな曲が散りばめられています。最後に置かれた「アレクシス」によるカノンは1830年代初頭の作品。シューマンのJ.S.バッハ作品への敬愛を示す短い曲ですが、対位法の技術とシューマンのインスピレーションが完璧に融合しています。ジュゼッペ・ロッシはイタリア出身。サンタ・チェチーリア音楽院で学び2006年に卒業し、ヨーロッパ全域で演奏活動を行いながら、ベートーヴェンとシューマン作品の研究に熱心に取り組んでいます。(2023/04/21 発売)
レーベル名 | :Dynamic |
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カタログ番号 | :CDS7979 |
シューマンの第1番のヴァイオリン・ソナタは1851年に着手され、たった16日間で完成されたという曲。まだまだ活動的で、情熱に溢れる時期の作品であり、全体的に緊密に書かれた名作なのですが、シューマンはこの曲に満足していなかったようで、第1番の完成後、約1か月ほどですぐに第2番に着手、たった1週間で完成させるという超人的能力を発揮。第1番よりも更に円熟の作品を作り上げたのでした。まるでヴィオラのように深く幅広く歌うテツラフのヴァイオリン。それをがっちりと受け止めるフォークトのピアノ。何と感動的で多感なシューマンでしょうか。第3番のソナタはほとんど知られていない作品で、これはかのヨアヒムに献呈された「F.A.E.ソナタ」のシューマンが作曲した部分(第2楽章と第4楽章)に、新たに2つの楽章を加えてソナタとして完成させたものです。完成度は高いものの、ほとんど注目もされず、没後100年目の1956年になってようやく楽譜が出版されたという秘曲です。(2013/11/20 発売)
レーベル名 | :Ondine |
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カタログ番号 | :ODE1205-2 |