ショスタコーヴィチ, ドミートリー(1906-1975)
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ショスタコーヴィチの「24の前奏曲」はタイトルからわかる通り、ショパンの同名の作品からインスピレーションを受けて作曲されたピアノ独奏曲です。1927年に“ショパン国際ピアノコンクール”に出場したほどの腕前を持つピアニストでもあったショスタコーヴィチにとってこの作品は特別な意味を持つものであり、全曲の初演も完成直後に彼自身が行っています。この曲集をヴァイオリンとピアノ用に編曲を思い立ったのが、「ベートーヴェン弦楽四重奏団」の第1ヴァイオリン奏者で、ショスタコーヴィチの友人でもあったドミトリー・ツィガノフです。彼はまず1937年に4曲、1961年と1963年に15曲を編曲し、軽快で機知に富む魅力的な作品に仕立てました。そして残りの5曲は2000年に女性作曲家アウエルバッハが編曲。全てが揃うことになり、演奏機会も増えています。オイストラフの誕生日のために書かれたソナタは、前奏曲とは対照的な作風を持つ深遠な作品。最終楽章はパッサカリア形式で書かれており、最後は静かに消え入るように終わります。ロシアの名手2人による演奏です。(2018/01/26 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573753 |
現在は素晴らしい指揮者として活躍している1960年生まれのヤープ・ヴァン・ズヴェーデンですが、彼はもともとジュリアード音楽院で学んだ優れたヴァイオリニストであり、1979年から1995年まではロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のコンサート・マスターを務めていました。このアルバムはそんな時期に録音され、名盤として親しまれた記録を復活させたものです。。ショスタコーヴィチの協奏曲は1947年から1948年にかけて作曲されており、交響曲に匹敵する深い内容を持つもので、有名なジダーノフ批判(ソビエト連邦共産党中央委員会による前衛芸術への抑圧)を避け、公表を差し控えたという経緯があります。第1楽章から唐突に「夜想曲」で始まるという不思議な構成を持ち、全体は思索的でありながらも爆発直前のエネルギーを秘めています。リームの作品は名ヴァイオリニスト、アンネ=ゾフィー・ムターに捧げられた作品で、もちろん彼女の名演も存在しますが、ズヴェーデンの演奏は、また違った立ち位置での解釈で、一つの作品が普遍的な価値を持つ経緯を眺めることができるでしょう。(2013/11/20 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573271 |
ハンブルク生まれの名ヴァイオリニスト、クリスティアン・テツラフによるONDINEレーベル5枚目の録音は、ショスタコーヴィチ(1906-1975)の2つの協奏曲集です。これまではモーツァルト、シューマン、メンデルスゾーンと、現代曲(ヴィトマン)の演奏で高く評価されていましたが、今回はまさに本領発揮ともいえる鬼気迫るショスタコーヴィチです。第1番の冒頭から異様な緊張感を湛えた説得力ある演奏は、これまでに存在した他の演奏を楽々と凌駕するほどのスケール感を有しています。ヘルシンキ・フィルハーモニーの醸し出す静謐な音にもゾクゾクさせられます。お約束の、第4楽章での喧騒も申し分なし。第2番がこれまた渋い雰囲気を持ち、テツラフは落ち着き払った演奏を聴かせています。(2014/11/26 発売)
レーベル名 | :Ondine |
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カタログ番号 | :ODE1239-2 |
48年に完成した「第1番」は、内容に対する当局からの批判などを恐れて、オイストラフ独奏ムラヴィンスキー指揮で55年に初演されるまで作曲者が封印したといういわくつきの作品です。高度な技巧を発揮できる上に内容の深さも申し分がない傑作で、第4楽章などは活力抜群で理屈抜きで愉しめます。「第2番」はより単純化されたわかりやすさが魅力。チャイコフスキー・コンクール優勝など華麗な入賞暦を誇る若手カーラーが、ヴィトの指揮にのって難曲を征服します。(1987/10/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.550814 |
2018年「ミュンヘン国際音楽コンクール」トランペット部門の覇者、セリーナ・オットの3枚目のアルバム。オーケストラをバックに超絶技巧と溢れる歌心を披露したデビューアルバムは2021年の「OPUS KLASSIK」賞を獲得した彼女、今作では近現代の3作品を伸びやかに演奏しています。ショスタコーヴィチの「ピアノ協奏曲第1番」は、正式には「ピアノとトランペット、弦楽合奏のための協奏曲」といい、トランペットにもソリストとしてのテクニックが求められ、ショスタコーヴィチ自身や他の作曲家、民謡まで様々な作品から引用された旋律を演奏して作品にシニカルかつコミカルな味わいをもたらします。ジョリヴェのコンチェルティーノはノリの良いリズムが印象的なジャズのテイストが感じられる10分程度の作品。ここでもトランペットはコミカルな旋律を吹き、ピアノとオーケストラの対話に割り込んできます。ピアノを演奏するのはオーストリア=ルーマニア出身のマリア・ ラドゥトゥ。クラシック音楽と現代美術のコラボに熱心に取り組み、エキサイティングなコンサートを開催する気鋭の演奏家です。ヴァインベルクの協奏曲にはピアノは登場せず、ショスタコーヴィチに通じる音楽世界をトランペットの妙技で聞かせます。3曲を通じてドイツの指揮者ディルク・カフタンが巧みな指揮でサポート。アルバム末尾にアンコールのように置かれたラフマニノフではピアノとのデュオで歌心を存分に聞かせます。(2022/03/04 発売)
レーベル名 | :Orfeo |
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カタログ番号 | :C220011 |
20世紀ソ連で活躍したショスタコーヴィチとヴァインベルク。年齢こそ違うものの、ショスタコーヴィチはヴァインベルクの才能を認め、ヴァインベルクはショスタコーヴィチから多大な影響を受けるなど、2人は親しい交友関係を続けました。トリオ・ヴィヴェンテのヴァイオリニストであるアンネ=カタリーナ・シュラウバーは、ショスタコーヴィチの「7つのロマンス」の初演をめぐる話をラジオ放送で聴いて感動し、ぜひこの曲をレパートリーに取り入れたいと思っていました。ロシア語で歌える適切な女性歌手を探し出すまでには思いのほか時間がかかりましたが、カタリーナ・カスパーに出会ったことで遂に実現。そしてシュラウバーはヴァインベルクの三重奏曲を研究しているときに、ショスタコーヴィチとヴァインベルクの緊密な結び付きを実感し、ここに2人の作曲家の歌曲と三重奏曲を組み合わせたこのアルバムが誕生しました。表現力豊かな歌唱と親密なアンサンブルをぜひお楽しみください。(2022/02/25 発売)
レーベル名 | :CPO |
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カタログ番号 | :555367-2 |
ショスタコーヴィチの全作品の中でも高い人気を誇り、かつ“異色の作風”として知られる「ロマンス」は、この映画「馬あぶ」の中の1曲です(アルバムではトラック4)。この美しい曲が映画のどの場面で使われているのか、ましてや、作品のストーリーを知る人はほとんどいないでしょう。舞台は19世紀のイタリア。政治不安の中、信仰を捨ててまで地下活動に身を投じた青年を主人公とするこの物語はなんとも皮肉と風刺に満ちており、タイトルの「馬あぶ」というのは、重傷を負いながらも、権力と戦うアーサーのあだ名です。最後まで権力に抵抗し銃殺刑に処せられるアーサー。彼が心から思い続けていたジェンマ。彼らの心情が克明に描かれたこの映画のサウンドトラックを、指揮者フィッツ=ジェラルドが復刻。壮大なオーケストレーションで聴かせています。(2017/11/29 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573747 |
昨年リリースの女ひとり(8.570316)も大好評ですが、こちらはもっと珍しいショスタコーヴィチ(1906-1975)の映画音楽「女友だち」です。この映画は3 人の少女が成長し、南北戦争で看護婦として活躍する物語。社会主義の体制の中での女性の社会進出を描いた興味深い内容でもあります。いつものようにF=ジェラルドによる復元版を使用したこの演奏は、いつものように絢爛豪華なオーケストレーションで聴き手を魅了します。この盤は他にも世界初録音となる3 つの作品が含まれています。交響的断章は、交響曲第9 番のスケッチと考えられ、こちらもまことに興味深い内容です。(2009/07/29 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.572138 |