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ショスタコ全集完結!ペトレンコの13番

ショスタコ全集完結!ペトレンコの13番

2014年11月26日発売

ショスタコーヴィチ(1906-1975)

交響曲第13番「バビ・ヤール」Op.113

アレクサンダー・ヴィノグラードフ(バス)

ロイヤル・リヴァール・フィルハーモニー男声合唱団

ハッダーズフィールド・コーラル・ソサエティ

ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団

ヴァシリー・ペトレンコ(指揮)

 

録音:2013年9月27-29日
イングランド リヴァプール・フィルハーモニック・ホール

品番:8.573218
発売日:2014年11月26日

 

 

●ショスタコーヴィチ交響曲第13番「バビ・ヤール」Op.113

ヴァシリー・ペトレンコによるショスタコーヴィチ(1906-1975)の交響曲ツィクルスも、ついにこの第13番で完結となります。第8番以降、自身の交響曲に様々なメッセージを忍ばせていったショスタコーヴィチですが、この第13番にはあからさまな政府批判があり、リハーサルの時から様々な問題が勃発、あまりにも直截的だった歌詞は、初演後に一時変更を余儀なくされるなど、多いなる物議を醸し出した作品としても知られています。 この曲を作曲する動機となったのは、1961年の9月に新聞に発表された詩人エフゲニー・エフトゥシェンコの詩「バビ・ヤール」で、これはユダヤ人迫害に対するソ連の無関心を告発したものであり、これを読んだショスタコーヴィチの親友、イサーク・グリークマンがいたく感動し、ショスタコーヴィチに紹介したというものです。当時のソビエト連邦の公式見解では「ソ連には人種問題などない」ということになっていたあたりへの、明らかな皮肉でもありました。 第1楽章がそのバビ・ヤールで、これはキエフにある峡谷の名前で、1941年にこの地に連行された3万7771人のユダヤ人が虐殺された場所であり、確かにそのような歴史はソ連としても闇に葬りたいことであったのは想像に難くありません。最初は1楽章の交響詩として構想されていたこの曲、結局はエフトゥシェンコの詩集「手の一握り」から3編と書き下ろしの詩「恐怖」を用い、5楽章の交響曲として完成を見たのでした。無論完成してからの騒動や、曲の受容など、まだまだ色々な出来事がついて回るこの作品ですが、とりあえずは、全てのしがらみを振り切ったようなペトレンコの演奏で先入観を全てすててお楽しみください。

 

ヴァシリー・ペトレンコ(Photo:Mark McNulty)

1976年レニングラード(現サンクトペテルブルク)生まれ。ヴァシリー・ペトレンコは2006年9月にロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者(Principal Conductor。2009年9月からはChief Conductor)。英国ナショナル・ユース管弦楽団の常任指揮者に加え、12年7月には自らの出身地であるロシア・サンクトペテルブルクで、1990年代半ばに指揮者としてデビューを飾ったミハイロフスキ劇場の首席客演指揮者に就任。13年からはオスロ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者も務めている。

ペトレンコはEUユース管弦楽団とのツアーをはじめ、世界の名だたる管弦楽団との交流を積極的に行っており、欧米やオーストラリア、ニュージーランド、日本などでツアーを行っている。ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団とはBBCプロムスに2008年の初出演後、2010年、2012年にも出演している。今後は、ロシア・ナショナル管弦楽団との欧米ツアーや、シカゴ交響楽団、ワシントン・ナショナル交響楽団などとの初共演が予定されている。

オペラの分野でも、これまでに数多くの作品を手掛けており、グラインドボーン音楽祭でのヴェルディ:《マクベス》やパリ国立歌劇場でのチャイコフスキー:《エフゲニー・オネーギン》、オランダ国立レイス歌劇場でのムソルグスキー:《ボリス・ゴドゥノフ》、ハンブルク州立歌劇場でのチャイコフスキー:《スペードの女王》、サンティアゴ・デ・コンポステラの聖ヤコブ音楽祭でロイヤル・リヴァプール・フィルとワーグナー:《パルジファル》などを指揮している。

ロイヤル・リヴァプール・フィルとの録音も数多く、チャイコフスキー:マンフレッド交響曲(2009年の『グラモフォン』年間最優秀管弦楽録音を受賞)、サー・ジョン・タヴナー:レクイエムの世界初演、ラフマニノフ:交響曲第3番(2012年の独・エコー・クラシック賞で注目アーティスト賞を受賞)、第2番、第1番、シンフォニック・ダンスおよびマケドニアのピアニスト、シモン・トルプチェスキとのピアノ協奏曲全曲録音などがある。現在進行中であるショスタコーヴィチ:交響曲全曲録音の一部である交響曲第10番は、2011年に『グラモフォン』年間最優秀管弦楽録音を受賞した。

ヴァシリー・ペトレンコはリヴァプール大学およびリヴァプール・ホープ大学で名誉博士号を、リヴァプール・ジョン・ムーアズ大学名誉フェローの称号を授与されている。また2007年にはグラモフォン賞の年間ヤング・アーティスト賞を受賞、2010年および2012年にはクラシカル・ブリット賞の年間男性アーティスト賞を受賞した。

2014年3月、オスロ・フィルとの来日公演を行い、成功を収めた。15年1月にはロイヤル・リヴァプール・フィルの初来日公演を指揮する予定。