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おんがくしつトリオ「おうちdeおんがくしつ」

ongakushitsu


2016.7.1リリース

「おうちdeおんがくしつ」
おんがくしつトリオ



「音楽室で使ったあの楽器、実はこんなに面白い」
ピアノ、リコーダー、鍵盤ハーモニカをたずさえた、
前代未聞の三人組がおくるファースト・アルバム!




※8月2日(火)の公開レコーディングライブ「PrimeSeat Salon サマースペシャル2016」に、
おんがくしつトリオが登場。7月25日(月)まで招待席の応募受付中。
詳しくはこちら!



おんがくしつトリオは、「音楽室で使ったあの楽器、実はこんなに面白い」をコンセプトに、2014年秋に結成、2015年より活動を開始した三人組。内藤 晃(ピアノ)、中村 栄宏(リコーダー)、菅谷 詩織(鍵盤ハーモニカ)という前代未聞の編成により、上質の音楽を本気で追求中。

彼らが現れると、どんな場所も楽しい音楽室に早変わり!メンバーによるエキサイティングな編曲で、聴き慣れたクラシックやポップスが驚きの躍動を見せ、音楽室で吹いたリコーダーや鍵盤ハーモニカが、実はすばらしい楽器であったことに気づかされます。

ファースト・アルバムとなるこちらの「おうちdeおんがくしつ」は、おんがくしつトリオの「いま現在のベスト3曲」を収録した会心の一作。洒脱なピアノ、天衣無縫なリコーダー、艶っぽい鍵盤ハーモニカがおくる、即興性とライブ感、そしてひとかけらの懐かしさに彩られたサウンドをお愉しみください。

☆e-onkyo musicのNewsページ、moraのトピックスページに記事をご掲載いただきました!☆

アルバム * メンバー * ライブスケジュール * インタビュー





ongakushitsu

■ 商品タイトル:
おうちdeおんがくしつ

■ 価格(税込):
750円(DL配信/通常音質)
1080円(DL配信/ハイレゾ)

※ハイレゾはPCM 192kHz/24bitでの販売となります。

■ 発売日:
2016年7月1日

● ダウンロードはこちらから

e-onkyo/バナー mora/バナー
※通常音質
mora/バナー
※ハイレゾPCM
victorHD/バナー

groovers/バナー

■ 収録楽曲:

  • 踊り明かそう(F. ロウ)
  • ハナミズキ(マシコタツロウ)
  • めぐり逢い(A. ギャニオン)

  • 演奏:おんがくしつトリオ
    録音:2016年4月30日 Sala MASAKA








*「おんがくしつトリオ」メンバー*


ongakushitsu


ピアノ: 内藤 晃
神奈川県横浜市出身。東京外国語大学卒業。CD「Primavera」がレコード芸術特選盤に選出されデビュー。ピアノ、オーケストラの指揮、映画音楽の作曲、執筆など幅広く活躍。訳書や校訂楽譜など著作も多い。
http://www.geocities.jp/ak_naito/

リコーダー: 中村 栄宏
三重県桑名市出身。東京理科大学大学院電気工学専攻修了。岡田文化財団より助成を受け、2016年秋より、アムステルダム音楽院リコーダー専攻入学。第30回全日本リコーダーコンテストで独奏・重奏部門ともに最高位受賞。
http://hidehiro-recorder.wix.com/hidehiro-recorder

鍵盤ハーモニカ: 菅谷 詩織
東京都町田市出身。昭和音楽大学音楽学部ピアノ演奏家コース卒業。クラシックベースな感性であらゆるジャンルにおいて演奏活動をする傍ら、オリジナル楽曲制作や、主にピアノや鍵盤ハーモニカ向けの編曲などを行う。
http://shiico.com/




*「おんがくしつトリオ」ライブツアー*


・2016.07.03 おとなの放課後 ~夏の作曲家まつり!~@東京・神楽坂
・2016.07.18 アトリエミストラルに『おんがくしつトリオ』がやってくる!@群馬・高崎
・2016.07.22 夏の饗宴!中村栄宏&川口成彦/おんがくしつトリオ@三重・桑名
・2016.07.31 おんがくしつトリオ/ハッピースマイルコンサート@鳥取・倉吉
・2016.08.13 おんがくしつトリオ Special Live!@北海道・札幌

各ライブの詳細はこちらから




*「おんがくしつトリオ」インタビュー*




2016年6月8日、ナクソス・ジャパン(三軒茶屋)でインタビューを行いました。


●小学校の音楽室にある楽器を使ったアンサンブル


──すばり「おんがくしつトリオ」とはどんなユニットですか。

内藤晃(ピアノ):「音楽室で使ったあの楽器、実はこんなに面白い」をコンセプトとしたユニットです。ピアノ、リコーダー、鍵盤ハーモニカという、小学校の音楽室にある楽器を使って、本気で面白いアンサンブルを追求しています。


──これまでの活動について教えてください。

内藤:2014年の秋に結成して、2015年の1月から活動を開始しました。小ぢんまりとしたライブを重ねるにつれ、徐々にいろいろなつながりができて、ホテルのコンサートなどにもお招きいただくようになりました。ライブハウスでの単独のライブもたくさん行っています。 2015年の秋、メンバーのひでくん(中村栄宏)の地元である三重県桑名市をはじめとして、滋賀県、東京都、埼玉県など、計15の小学校で、コンサートやワークショップなどを行いました。 ※新聞記事はこちら


──結成のきっかけは何ですか。

内藤:私はレナード・バーンスタインを尊敬しているんですが、彼が企画したシリーズ「ヤング・ピープルズ・コンサート」に影響を受けて、こんな風に子どもたちをわくわくさせるようなことをやってみたいという思いを昔から持っていました。そんな中、一昨年ヒデくんと出会って、彼の喜びにあふれた楽しそうなリコーダー演奏に惹かれ、以前から知り合いだったしーこさん(菅谷詩織)とつなげてみたら面白そうだなというアイデアが浮かびました。小学校で誰もが習うおなじみの楽器で素敵なアレンジができたらいいんじゃないかと。


──「トリオ」以外にも、それぞれ個別の活動をされているそうですが。

内藤:おんがくしつトリオではポピュラーな曲を多く演奏していますが、ふだんはクラシック専門の何でも屋という感じですね。ピアノ演奏、オーケストラの指揮、映画音楽の作曲やアレンジ、研究活動など、幅広く活動しています。

中村栄宏(リコーダー):リコーダーの演奏や指導をしています。実は、「おんがくしつトリオ」を結成したときには、会社員でした。トリオのメンバーになってから演奏をする機会が増えて、「これはそろそろ音楽に導かれつつあるな」と思い、去年、脱サラをして、いまは音楽一本で活動しています。

菅谷詩織(鍵盤ハーモニカ):ずっとクラシックを勉強して、音大のピアノ科を卒業しましたが、いま現在はポップスのサポートピアノなどでも幅広く活動しています。作曲や編曲も好きで、いまは、鍵盤ハーモニカのアンサンブル用の編曲も書き進めているところです。


●異色トリオゆえの編曲の妙

──「トリオ」では、クラシックやポップスの名曲を演奏されることが多いですが、ピアノ、リコーダー、鍵盤ハーモニカという独自の編成なので、1曲1曲、編曲を行わなけければなりませんよね。どなたが、どのような形でアレンジをされているんですか?

内藤:編曲は、自分と菅谷が行っています。

菅谷:楽譜もきちんと作成します。ただ、書き上げた完成作をそのまま演奏するわけではなく、実際には3人でセッションしながら、手を入れていくことが多いですね。

中村:自分は(クラシック出身なので)楽譜に忠実に演奏することが多いですが、いざ本番になってみると、他の2人は楽譜を見ていなくて(笑)自分だけじーっと見てるなんてこともあります。つまり、「おんがくしつトリオ」のリコーダーパートは、楽譜を見れば、誰でも吹けます!

内藤:いやいやいや。彼しかできませんよ(笑)技術的に。

中村:……まあ、楽譜を受け取ったときは、大概、僕、怒ってますよね。「なにこれ(ワナワナ)」みたいな(笑)超絶技巧だらけだったり、リコーダーを2本同時に吹かされそうになったりとか。

内藤:それから、編曲で苦労するのは、鍵盤ハーモニカの扱いがとても難しいことですね。とても主張の強い音なので。どうすると他の楽器と波長が合うか、活動していく中で少しずつわかってきた感があります。

菅谷:音程の問題もあります。リコーダーは強く吹くとピッチが高くなり、逆に鍵盤ハーモニカは低くなってしまうので、曲を盛り上げたいときに、一緒に音量を上げてしまうと、どんどん音程が離れて、音痴になっていってしまう。だから、どの楽器をどのように使って曲のクライマックスを作っていくか、かなり工夫する必要があります。この編成特有の難しさですね。

中村:リコーダーは「替え指」を使って、音程を微調整することもあります。古楽器なのでモダンな楽器と比べるとダイナミクスの幅が狭くて、こうした技で対応していくことが必要になります。アルバムの収録曲のなかにも、「このパッセージはひとつも正規の指遣いをしていない」という箇所が、実はたくさんあるんです。


──特殊な編成ゆえに、色々な工夫が必要だからこそ、ライブを重ねてどんどん小慣れていったところがあるように感じました。一観客としての感想ですが、どんどん「バンド感」が出てきましたよね。

中村:よくぞ1年と少しでここまで来たという感じですよね(笑)。


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●ライブ活動で感じたこと


──活動をスタートされて以降、小学生から大人まで、さまざまなお客さんの前でこれまでライブをされていますが、反応の違いなどはありますか?

菅谷:「最後まで楽しんでもらう」という意味では、意外と変わらないかなという印象があります。

中村:でも、小学校だと、曲目を言うと「ギャァアアアアア!」と歓声が上がったりしますね(笑)

内藤:ああいうダイレクトな反応は面白いです。ジブリの曲を演奏すると、自然に歌い出したり。

菅谷:でも、1番人気は『千本桜』です(笑)。実は、アレンジしにくい曲なんですけどね。

内藤:小学生は原曲により近いテイストでやった方がウケるというのはありますね。そのあたりは、気を遣っているポイントといえるかもしれません。

中村:大人の方が喜ばれるのは、技巧的な曲や、リコーダーの持ち替えが多かったりと、視覚的にも面白い曲ですね。あとは、懐メロやバラード。アルバムにも収録されているTr3の『めぐり逢い』は、ライブで演奏すると、すすり泣きが聴こえてくる曲です。運動会メドレーで泣いてしまう方もいらっしゃいますよ。「なんか、懐かしくって…」って。過去の記憶がよみがえるみたいです。

内藤:リコーダーや鍵盤ハーモニカの音色は、やはり、大人の方のノスタルジーを誘うみたいですね。

菅谷:あと、大人の方は、好きな楽器も分かれますね。それまでの音楽体験にもよると思います。リコーダーは素朴でストレートな音楽が好きな方、鍵盤ハーモニカは…なんというか、リコーダーよりも「夜」の感じですね。

中村:「夜」!? (笑)でも、抒情的な感じですね。強弱がはっきりあって、表情が出やすいので。先日のライブでは、彼女(菅谷)が、バス鍵盤ハーモニカでオリジナル曲を演奏したんですが、とても色気のある音色で、大好評でした。

内藤:鍵盤ハーモニカは、とてもエモーショナルな楽器ですね。


●ファーストアルバムについて

──そういったライブでの研鑽を重ねて、ついにファーストアルバムのリリース…となったわけですが、アルバムを作ろうと思ったきっかけや、アルバムのコンセプトについて教えてください。

内藤:いろいろな場所にお招きいただく中で、「CDないの?」と訊かれるようになったというのが、アルバム制作の最初の動機ですね。

菅谷:このアルバムでは、色々あるレパートリーの中から3曲をセレクトしました。毎回、作品を演奏するときには、そのときのベストを残せたらと思っていますので、今回の収録にあたっても、このタイミングでベストを出せる曲をチョイスしました。

中村:僕はふだん、大中小5種類のリコーダーを使用しているんですが、今回の収録ではその5種類をもれなく全部使用しています。

内藤:それ、重要なポイントだね。

菅谷:鍵盤ハーモニカは1種類しか使用していませんが、バス鍵盤ハーモニカの登場は、次回に期待ということで。


──この1stアルバムはハイレゾで録音されていますが、ハイレゾならではの聴きどころはありますか?

中村:最初に録って、イヤホンで聴いたときには、演奏している「空気そのもの」まで聴こえることにびっくりしましたね。44.1kHzで録るのとは、立体感、奥行き、クリア感がまったく違いますね。いい環境で聴くとよりその空気感が伝わると思います。


──録音での苦労したポイントは?

内藤:ワンポイントで録りましたが、どういう風に並ぶと音のバランスが良くなるか、試行錯誤しました。

中村:3人それぞれこだわりがあるので、ああだこうだと議論して、マイク位置と3人の立ち位置を決めるのに2時間くらいかかりました。

内藤:結果としてはギュッと密集させる形で録りました。

菅谷:楽器のコンディションにも気を遣いました。私の担当している鍵盤ハーモニカはどんな環境でも割と安定した音が出ますが、木でできた楽器は湿気などに影響されて音が変わります。ライブであれば与えられた環境のなかでベストを尽くそう、ということになりますが、いざ録音となると、「どういう音が自分たちにとってベストなのか」ということをいまいちど考え直さなければならなくて、それも新しい発見でしたね。

中村:テイク自体は割と少ないですが、そういう調整に時間を使いました。


●今後の活動について


──今後のライブのご予定は?

内藤:夏休みに各地でライブが控えていますが、7月3日のライブ では、ひとつ新しい試みをします。さまざまな作曲家の方に、この編成(ピアノ、リコーダー、鍵盤ハーモニカ)のためのクラシックのオリジナル作品を書き下ろしてもらい、それを演奏する予定です。

菅谷:今まで、意外とクラシックの作品を扱ってこなかったので、これを機にレパートリーを増やしていきたいですね。一応「教育楽器」と呼ばれる楽器で演奏をしていますので。

内藤:新しい血を入れていけるといいですよね。

菅谷:自分たち以外の作曲家の方々がどういう風に楽器を扱うか、そのテクニックを盗みたいという下心もあります(笑)


──ほかに、レパートリーについてお考えのことはありますか?

内藤:たとえば私も中村も、個々人の活動では、マイナーな作曲家の作品を取り上げたりもしています。けれど、マイナーかメジャーかというよりも、そのコンサートが、聴く方にとっての「新しい音楽体験」でありたいという思いがあります。有名な曲であっても、「これってこんな曲だったんだ」という新しい発見をお客さんに持ち帰ってもらえたら嬉しいですし、おんがくしつトリオでは、「あの曲が、この楽器で、こんなふうに…!」という、おんがくしつサウンドとの新鮮なマリアージュを楽しんでいただければと思っています。


──ありがとうございました。