Home >

ポエム・ド・エクスタシー for MEN & WOMEN<配信限定>

5harps




5harps

5harps 5harps

5harps






scriabin





スクリャービン没後100年オリジナル

ポエム・ド・エクスタシー
for MEN & WOMEN
100th Anniversary Album of Scriabin for your MYSTIC LOVE AFFAIR
Keep Out of the Reach of Children



scriabin
「エクスタシー(法悦)」を追求したロシアの作曲家、アレクサンドル・スクリャービンの
没後100年を記念して新たに誕生したセンシュアルなコンピレーション。
「法悦の詩(ポエム・ド・エクスタシー)」ほか神秘和音が含まれた作品を中心に
14曲のミスティックで官能的な芳香が、貴男&貴女の秘めたる欲望を引き出し、
いまだ体験したことのないエクスタシーの境地へいざないます。



■収録曲数■
14曲
■価格■
900円(税込)
■発売日■
2015年4月24日
■販売■
iTunes Store/Amazon Digital



ATTENTION!
・本アルバムは配信限定商品のため、誰にも知られないように
こっそりとダウンロードしてお愉しみいただくことが可能です。
・iTunes Storeでは、ギフト機能を使用してアルバムを恋人にプレゼントすることができます。
・本アルバムは大人の男性・女性を対象とした商品です。お子様が誤って試聴されないよう、
ダウンロード済ファイルの保管先にはくれぐれもお気をつけください。











scriabin





不協和音は、快楽の手段となっています。
私は例えば、女性を愛撫することができる。そして私は愛撫の中にも
また不協和音を用いることができる──痛みをもたらしながら、
それが快楽になるでしょう。

──アレクサンドル・スクリャービン




scriabin


Alexander Nikolayevich Scriabin
(6 January 1872 – 27 April 1915)



近代ロシアを代表する作曲家であり、神秘主義者。

モスクワの軍人貴族の家系に生まれ、モスクワ音楽院に入学。同級生のラフマニノフと並ぶ
ピアノの才能を発揮するが、手を痛めピアニストの道を断念。1902年より、本格的に作曲に専念。
同時期に神秘主義に傾倒し、女弟子タチヤーナ・シュリョーツェルと愛人関係を結ぶ。
自身の考案した神秘和音を用い、「エクスタシー(法悦)」を志向する作品を数多く残す。
代表作「法悦の詩」「プロメテウス」「詩曲」「ピアノ・ソナタ「白ミサ」」「焔に向かって」など。
晩年は音、色、香り、舞踊を一体化させた壮大な「神秘劇」を構想するが実現には至らなかった。
2015年で没後100年を迎える。







scriabin





scriabin



神秘和音 Mystic Chord



アレクサンドル・スクリャービンにより考案された和音。
四度(例 ド-ファ-♭シ-ミ-ラ-レ)を積み重ねて構成された音型で、
謎めいた雰囲気、浮遊感が醸しだされる。
「法悦の詩」ほか後半生の多くの作品に登場し、とりわけ、
現実と非現実の一体化=「エクスタシー(法悦)」を
表現する際に効果的に用いられる。







scriabin






01
2つの詩曲 Op. 32: I. アンダンテ・カンタービレ(オーケストラ編)
2 Poèmes, Op. 32 – I. Andante cantabile(Orchestra version)
1903年(31歳)
モスクワ交響楽団/イーゴリ・ゴロフスチン(指揮)

アレクサンドル・スクリャービン。青年時代はラフマニノフと競いあうほどのピアノの優等生であった彼の作品に、悩ましげな香りがたちこめだすのは30代に入った頃。母校であるモスクワ音楽院の教授職を辞し、フリードリヒ・ニーチェや神智学に共鳴し、女弟子タチヤーナ・シュリョーツェルとの禁断の愛に耽る日々を送る中で、彼のうちに、だんだんと、センシュアルなインスピレーションが芽生えていきます。31歳にして彼がはじめて手がけたこの「詩曲(ポエム)」からは、彼がその後、10年の歳月をかけて深めていった「神秘和音」の気配がすでに漂いはじめています。オーケストラの白く柔らかなヴェールのはざまから、ときおりこぼれる、かすかに色づいた芳香を嗅ぎとってください。



02
4つの前奏曲 Op. 48: II. 詩的に、無上の快楽と共に
4 Preludes, Op. 48 – II. Poetico con delizio
1905年(33歳)
エフゲニー・ザラフィアンツ(ピアノ)

自分の思想を理解してくれる女性タチヤーナへの愛の奔流を押しとどめられず、スクリャービンは、静養先のスイスに妻子を置いたまま、彼女とイタリアに駆け落ちするというスキャンダルを起こします。ちょうどその年に書かれたこの「プレリュード」には「詩的に、無上の快楽と共に(ポエーティコ・コン・デリツィーオ)」というなんとも意味深い指示が与えられており、彼らが世間の目から逃れ、ふたりきりのナイーブな愛の世界を紡ぎ、互いを求め合って過ごしたさまを想像させます。



03
4つの小品 Op. 51: III. 翼のある詩曲
4 Pieces, Op. 51: III. Poeme aile
1906年(34歳)
アレクサンドル・ギンジン(ピアノ)

「翼」はスクリャービンが当時愛したモチーフのひとつです。ピアニッシモの音の連なりが、羽のように軽やかに、ときに気まぐれに速度をゆるめながら、鍵盤の上をそっとくすぐります。タチヤーナもまた、彼のそのいたずらな手つきに、身をよじらせ、かわいらしい笑い声をあげたのでしょうか。しかしそれは、いくども繰り返されるうち、やがて「エクスタシー」に至る危険を秘めた欲情の翼でもあるのです。



04
3つの小品 Op. 52: II. 謎
3 Pieces, Op. 52 – II. Enigme
1907年(35歳)
ワン・シャイン(ピアノ)

スクリャービン(この曲を見せながら)「これは何、当ててご覧?」
タチヤーナ「羽のある物で、女でも昆虫でもなく、でも女性的でトゲのある有節類的なもの。すばしこく、色気があるけど、どうしても何かは判らないの」
スクリャービン「まさにそんなものを私も作曲中に想像したよ」

──レオニード・サバネーエフの証言録より



05
アルバムの綴り Op. 58
Feuillet d’album, Op. 58
1911年(39歳)
ワン・シャイン(ピアノ)

最初から最後まで、すべて神秘和音の連続で作られたこの短い曲は、スクリャービンが、それまでの調性の重力から完全に解き放たれたことを示しています。神秘和音という快楽の翼でもって、彼は、地から飛び立ち、神のもとへと高く飛翔するのです。彼はこう語っています。世界は現実世界と非現実世界に引き裂かれており、人間は、神秘的なパワーがもたらす一瞬の「エクスタシー」によって、その両方を一体化させることができるのだ、と。



06
ピアノ・ソナタ第7番 Op. 64「白ミサ」
Piano Sonata No. 7, Op. 64, “Messe blanche”
1911年(39歳)
ベルント・グレムザー(ピアノ)

スクリャービン「ここには神秘の雲に似た芳香が漂っています……この音楽はすでに神秘に近づいています…この静謐な悦びに耳を済ませてください」(冒頭について)
「すべてがここで生まれます…波は高まり…太陽は雲を払います…その燃えるさまを、しだいしだいに大きくなっていくさまを聴いてください」(第2主題(1:02~)について)
「この曲も神秘劇の場合のように、射精行為で終わります」「ここです。射精です、その後に生じる弛緩、忘我の境地への消滅です。現実に我々の性行為で起こる事が神秘劇で起こるわけではないが、性行為は神秘劇の原型にすぎません」(終わりの小節を弾きながら)



07-09
2つの詩曲 Op. 63: I. 仮面
2 Poèmes, Op. 63 – I. Masque
1912年(40歳)
アレクサンドル・ギンジン(ピアノ)

2つの詩曲 Op. 69: I. アレグレット
2 Poèmes, Op. 69 – I. Allegretto
1913年(41歳)
アレクサンドル・ギンジン(ピアノ)

2つの詩曲 Op. 71: II. 夢の中で、深い静けさと共に
2 Poèmes, Op. 71 – II. En revant, avec une grande douceur
1914年(42歳)
アレクサンドル・ギンジン(ピアノ)

1903年にはじめて書いた「詩曲」を、スクリャービンはこの時期にもたびたび書いています。 「白ミサ」の直後に書かれた「Op. 63(仮面)」は、「隠された甘さをもって」「謎めいて」「風変わりに」という指示がつけられ、この副題の雰囲気をそのまま伝えるような、ミステリアスな神秘和音で彩られています。
「Op. 69 (アレグレット)」は、「優しく繊細に」「優雅にもろく」という2つのなまめかしいニュアンスの指示が与えられており、神秘和音と全音音階(#ド-#レ-ファ-ソ-ラ-シのようなオクターブを6等分した音階)が交互に現れ、その雰囲気をディープに表現しています。
そして「Op. 71」につけられた指示は「夢の中で、深い静けさと共に」。官能の疼きのように細かく震えるトリルの部分(0:09~ほか)を彼は「光を発する大気の振動」と語っています。この詩曲では神秘和音はほとんど使われておらず、彼がさらなるエクスタシーの高みを求め、新たな愛撫の方法をさぐりはじめたことがわかります。



10
詩曲「焔に向かって」Op. 72
Vers la flamme, Op. 72
1914年(42歳)
ベルント・グレムザー(ピアノ)

「靄から目も眩む光にまで徐々に開花するさま」────スクリャービンはこの作品をこう語ったと伝えられます。冒頭で現れるただ2つの音を、あたかもフェティッシュな欲望に憑かれたかのようにひたすら執着して繰り返し、刺激的なトリルを加え、全身を撫で回すかのように音域を広げ、ボリュームを高め、やがてクライマックスに至り、そして唐突に事切れる。────彼は、もともとは大がかりなオーケストラ曲として構想していたこの「究極のエクスタシー」を、わずか5分あまりの小さなピアノの詩曲でもって実現するに至ったのです。



11
2つの舞曲 Op. 73: I. 花飾り
2 Dances, Op. 73 – I. Guirlandes
1914年(42歳)
ワン・シャイン(ピアノ)

「白ミサ」を手がけた頃から、彼は「神秘劇」創作の構想を抱くようになります。それは、音楽だけでなく、ダンスや照明、宗教思想、さらには「芳香」までも盛りこんだ一大パフォーマンスで、彼はインドでこれを上演し、演者と観客をエクスタシーの極致に導くことを夢みていました。この曲は、神秘劇のなかでダンサーが花飾りを持って踊るシーンのために書かれたスケッチであり、彼はこの作品を、クリスタルガラスと紅色の生成物が育っては壊れることにより生じる「痛むほどの喜び」のあらわれであると語っています。



12
5つの前奏曲 Op. 74: II. 非常にゆっくりと、瞑想的に
5 Preludes, Op. 74 – II. Tres lent, contemplatif
1914年(42歳)
エフゲニー・ザラフィアンツ(ピアノ)

スクリャービンはこの曲を、神秘劇の一部であり、「死と愛」「最高の調和、白い光輝」を示すものであると語っています。もし本当に上演が実現したとしたら、この音楽は、いかようなかぐわしい香りをほどこされて披露されたのでしょうか。しかし、予期せぬ病に襲われ、彼はタチアーナや大勢の神秘主義の信奉者たちに看取られてこの世を去ります。わずか1分あまりのこの短い曲のなかに、彼が死の直前に夢みた芳香のハーモニーを想像しながら聴いてみてください。



13-14
交響曲第4番「法悦の詩」Op. 54(2台ピアノ編)
Le Poème de l’extase, Op. 54 (4 Hands Piano version)
1908年(36歳)
イロナ・プルニ(ピアノ)/シャーンドル・ファルヴァイ(ピアノ)

交響曲第4番「法悦の詩」Op. 54
Le Poème de l’extase, Op. 54
1908年(36歳)
ドミートリー・ロカレンコフ(トランペット)/モスクワ交響楽団/イーゴリ・ゴロフスチン(指揮)

1908年に書かれた「法悦の詩」は、スクリャービンの代表作であるとともに、彼が後半生で追い求めた「エクスタシー」という思想のもっともストレートな表現であるといえるでしょう。
この音楽の作曲のプロセスには、やはり、彼が愛と欲望を注いだタチヤーナの存在があったともいわれています。彼女は、自分こそがまさにこの交響曲が書かれた動機であり、その音の描写は彼女とスクリャービンとの官能の日々に由来しているのだと、ときおりフランス語をまじえ、またときおり表現をぼかしながらも、友人たちに語ったと伝えられています。
一方で、この曲の示す「エクスタシー」は、あくまでも宗教的な悦びであるという解釈もあります。しかし、スクリャービンにとっては、セクシャルな昂りは自分がもっとも神に近づく瞬間であり、両者は決して切り離せるものではなかったのではないでしょうか。このアルバム「ポエム・ド・エクスタシー」のしめくくりとして、それぞれ異なるイメージをもたらしてくれる「法悦の詩」の2つのヴァージョンを聴いてみてください。2台ピアノによるアレンジはあたかもふたりの人間が交わす情愛の結晶するエクスタシーを、オーケストラによる原曲は宇宙を想起させるダイナミックで破壊的なエクスタシーを感じさせてくれるのではないでしょうか。







参考文献
「スクリャービン 晩年に明かされた創作秘話」レオニード・サバネーエフ/森松皓子 訳 音楽之友社 2004年
「新編 世界大音楽全集 器楽編43 スクリャービン ピアノ曲集」音楽之友社 1992年
「モスクワの憂鬱」藤野幸雄 彩流社 1996年
「ピティナ ピアノ曲事典」http://www.piano.or.jp/enc/composers/34