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New Releases - 2024年11月 発売タイトル

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    シテインベルク:交響曲第3番/ショスタコーヴィチ:バレエ音楽「ボルト」組曲(ウラル・ユース響/フィラトフ)

    リムスキー=コルサコフの教えを受けその義理の息子でもあり、またショスタコーヴィチの師としても知られるシテインベルク。現在では作曲家としてよりも指導者として名を残す彼の交響曲第3番。第1番と第2番はネーメ・ヤルヴィなどの録音があり、第4番も録音がありますが、第3番はこれが初めての録音とのこと。1927年中頃から28年いっぱいをかけて作曲され、1929年にレニングラードで作曲者自身の指揮で初演、1930年代にはソヴィエト連邦内のみならず西側諸国でも演奏されましたが、その後演奏史がぱったりと途絶えてしまいます。ロシア五人組など国民楽派の流れを受け継ぎ、ストラヴィンスキーと同世代でありながら世界的な音楽の新しい流れに乗らなかったその作風はロマン主義の枠を出るものではありませんが、当時新作が大きな期待を持って待たれただけあって、これまでほとんど知られることのなかったこの作品も実に聴き応えのある堂々たる出来栄え。全編非常にメロディアスで管楽器の使い方などもたいへん巧く、三管編成の大オーケストラを色彩感豊かに駆使しています。演奏はウラル地方の若い優秀な奏者を集めたウラル・ユース交響楽団と、2018年のエフゲニー・スヴェトラーノフ国際指揮者コンクールで第2位の実力派ドミートリー・フィラトフ。作品を深く読み込み、積極的な音楽性でその素晴らしさを引き立てています。ショスタコーヴィチが二十代で書き上げたバレエ「ボルト」の組曲版も、一体感の高い溌溂とした演奏で楽しませてくれます。(2024/11/22 発売)

    レーベル名:Fuga Libera
    カタログ番号:FUG831

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    ハバネラとタンゴ - ギター作品集(ガレン)

    アンダルシア地方のリナーレス出身で、マドリード、グラナダ、ミュンヘン、そしてザルツブルク・モーツァルテウムで学んだスペインのギターの名手、リカルド・ガレンが2017年(一部2014年)にフアン・マルク財団で行ったコンサートのライヴ。キューバ発祥でスペインに伝わったハバネラと、イベリア半島発祥のタンゴという2つの舞曲を元にした作品がプログラムの中心となっており、中には冒頭のテニディスによるギリシャ風のハバネラなども聴くことが出来ます。リズムとメロディの複雑な絡み合いを、高い技術力とセンスでたいへん魅力的に聴かせています。(2024/11/22 発売)

    レーベル名:MarchVivo
    カタログ番号:MV012

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    ヴォルフ=フェラーリ:歌劇「スザンナの秘密」(フリードマン/モンタナーリ/ベルリン・オペラグループ管/クリーガー)

    ジル伯爵は、外出禁止にしたはずの妻スザンナを外で見かけたように思いました。しかし、家に戻ると彼女はそこにいて、伯爵は安心しましたが、なぜか部屋にはタバコの匂いが・・・。「もしかしてスザンナに恋人がいるのでは?」と伯爵は疑心暗鬼に陥りますが・・・。《マドンナの宝石》で知られるヴォルフ=フェラーリのコミック・オペラ《スザンナの秘密》は、全1幕で、歌手も2人というコンパクトな作品です。リディア・フリードマンとオマール・モンタナーリは、ともにドニゼッティ作品でその高い技量が評価されており、フェリックス・クリーガー率いるベルリン・オペラグループ管弦楽団も2013年の創設以来、さまざまな作品の演奏で名を馳せています。(2024/11/22 発売)

    レーベル名:Oehms Classics
    カタログ番号:OC992

  • プッチーニ:歌劇《蝶々夫人》

    【アスミク・グリゴリアンの蝶々さん、満を持してコヴェント・ガーデンに登場!】2024年3月、今をときめく歌姫、アスミク・グリゴリアンが蝶々夫人役としてコヴェント・ガーデンに登場し大きな話題を呼びました。グリゴリアンのコヴェント・ガーデン出演による舞台映像は、好評を博したヤナーチェク《イェヌーファ》、ドヴォルザーク《ルサルカ》に続く3作目。この上演では、未知の世界に憧れる純真な少女から、母となり、愛する夫の帰宅を待ち続ける忍耐強く、誇り高い女性へと変身を遂げる主人公を、期待に違わぬ迫真の歌唱で演じています。伸びやかな美声を聴かせるピンカートン役のジョシュア・ゲレーロ、表情豊かなシャープレス役のラウリ・ヴァサル、ゴロー役の演技派ヤーツォン・ホァン、蝶々さんに寄り添う健気なスズキ役のホンニー・ウーら、脇を固める粒よりの歌手たちの好演が光ります。コヴェント・ガーデンの《蝶々夫人》の定番となっているモッシュ・ライザー&パトリス・コーリエのコンビによる演出は、作品の佇まいを端正に描く洗練されたもの。タクトを執るケヴィン・ジョン・エドゥセイが率いるオーケストラと合唱によるプッチーニの音楽の豊かな情感と流麗な響きは、グリゴリアンを中心とした歌手たちによる歌唱演技を見事に支え、その始まりから悲劇の結末に至るまで、観る者を釘付けにせずにはおきません。(2024/11/22 発売)

    レーベル名:Opus Arte
    カタログ番号:OA1391D

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    サン=サーンス:2台のピアノのための音楽(ピサロ/トロンカネッティ)

    サン=サーンスの2台ピアノのための作品集 。管弦楽曲の編曲を含む全7曲を収録しています。ギリシャ・ローマ神話にインスパイアされた「オンファールの糸車」やフランスとプロイセンの間の戦いを予感させる「英雄的行進曲」など、優れたピアニストでもあったサン=サーンスらしく、どの曲も演奏効果の高い華麗な作品です。演奏は1968年、リスボン生まれのアルトゥール・ピサロと1991年シエナ生まれのルドヴィコ・トロンカネッティのデュオ。2人は10年を超える友情を育み、2023年12月にピアノデュオとしてデビュー。2台ピアノと4手連弾のレパートリーの演奏に情熱を注いでいます。(2024/11/22 発売)

    レーベル名:SOMM Recordings
    カタログ番号:SOMMCD0693

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    ORLANDO ある憂鬱な男の肖像~ラ・タンペートによるラッスス~(ラ・タンペート/ベスティオン)

    【16世紀ネーデルラント楽派を代表する大家を、現代のサウンドスケープに文脈づける異色作】柔軟な音楽性の持ち主であるシモン=ピエール・ベスティオンを中心に、選び抜かれた声楽家たちと器楽奏者たちが集まり、テーマ性の強い独特なステージ体験を提供しつづけるラ・タンペート。古楽から近現代までさまざまな作曲家の作品を意外なコンテクストに置き直し、ジャンルの垣根を超えさまざまなアーティストをゲストに招きつつ意欲的な企画を聴かせてきました。今回のプロジェクトでは、フランス語圏ベルギーの古都モンス出身でバイエルン選帝侯家から絶大な信頼を得、イタリアやフランスに旅し広範な音楽性を養った16世紀の巨匠ラッススに光をあて、自在なアプローチでその音楽世界に迫ります。この作曲家を紹介するドキュメンタリーへの音楽提供依頼から生まれたプログラムで、ベスティオンはそれまで殆ど知らなかったラッススについて学ぶうち、その多面性のある作品と生涯に急速に惹かれてゆき、できるだけ自由にその音楽を捉えたいと考えたとのこと。ア・カペラ作品のピアノ独奏アレンジに始まり、ヴィオラ・ダ・ガンバ合奏や木管コルネット&サクバット、トリプルハープなどを使った古楽色の強いラ・タンペートの演奏陣が紡ぎ出すサウンドを軸に、ドラムスやサクソフォンなど現代楽器がごく自然に加わって、ロックやジャズを日常的に知る21世紀人の音感覚に驚くほどすんなり16世紀ポリフォニーの響きがなじむ独特な音楽体験が詰まっています。ジャズや現代音楽の側から古楽の魅力を知る一歩になりそうな異色の1枚です。(2024/11/15 発売)

    レーベル名:Alpha
    カタログ番号:ALPHA1084

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    A. ユゴー:ヴィクトル・ユゴーの詩による歌曲集(デエ/ピオー/ドゥルエ/ファニョ/ヴィクトル・ユゴー・フランシュ・コンテ管/ヴェルディエ)

    【文豪ヴィクトル・ユゴーの次女アデルの歌曲集が登場!】ヴィクトル・ユゴーの次女(5番目の末子)アデル・ユゴー。繊細で感受性豊かな彼女は幼いころから音楽への強い情熱を抱き、ピアノを習得するとすぐに作曲を始めるなど、若くしてその才能を開花させました。しかしその後は精神の不安定に苦しみ総合失調症を発症、24歳の頃出会ったイギリスの将校に恋をし、その後41歳になるまで彼を世界中追いかけて生きたという劇的な半生は、フランソワ・トリュフォーの映画『アデルの恋の物語』の下地となりました。フランスに戻ってからは42歳から85歳で亡くなるまで、パリ郊外の精神病院で後半生を過ごしたといわれます。そして近年、若い日の彼女の手による多くの手稿譜が発見されました。ヴィクトル・ユゴー博物館はこれをローザンヌ生まれの作曲家リシャール・デュビュニョンに託します。デュビュニョンは、彼女の父ヴィクトル・ユゴーによる詩や『レ・ミゼラブル』のテキストに基づく、断片を含むこれらの手稿を研究して再構築のうえ伴奏にオーケストレーションを施し、管弦楽伴奏による歌曲と、ピアノ伴奏の5つの器楽作品へと仕上げました。作品は優しく繊細な美しさを感じさせるものが多く、『レ・ミゼラブル』に登場する浮浪児ガヴローシュの歌での快活さなど(そしてラストは哀しい運命の暗示)も聴きもので、いずれもアデルの豊かな才能を今に伝えてくれる秀作揃いです。フランス楽壇きっての名歌手たちとユゴーの名を冠した管弦楽団が、活き活きとした演奏で作品の素晴らしさを引き立てます。(2024/11/15 発売)

    レーベル名:Alpha
    カタログ番号:ALPHA1086

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    輝かしい鉄~騎士と中世の物語(センペイ/ボルドー・アキテーヌ国立管/ヤコブ)

    【フロリアン・センペイがおくる、騎士と中世の物語の歌】2009年にボルドー国立歌劇場で《魔笛》のパパゲーノを歌ってデビューしたフロリアン・センペイ。その後は欧米各地の有名歌劇場で成功を収め、日本でも大きな評判を呼んでいるのは周知の通りです。2022年のロッシーニ・アルバムに続く2枚目のソロは、初期古典派から現代までの歌劇に限らない様々な作品から、中世のファンタジーと騎士をテーマにセンペイ自身が選曲したコンセプト色の強い内容となりました。所縁のボルドーの管弦楽団と共に、一夜のプログラムのように管弦楽作品も間に挟みつつ進められるバラエティに富んだ内容で、センペイの深みと艶のある歌声を堪能することが出来ます。タイトルの「輝かしい鉄」は彼の母方の祖父が鍛冶屋で剣などを作っていたことに由来し、長い年月をかけて輝かしく鍛え上げられる声ともかけているとのこと。アルバムは今年(2024年)若くして亡くなったソプラノ歌手ジョディ・デヴォスに捧げられています。(2024/11/15 発売)

    レーベル名:Alpha
    カタログ番号:ALPHA1104

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    人間喜劇~バルザックの時代の歌(リシャルド/デュボワ/ヴァルニエ/リュネジアン/マルゾラーティ)

    【名手揃いのメンバーで描かれる、バルザックの生きた世界】様々な階級の人々の生活、その目を通して見た社会を描いた小説を多数発表し、それらを『人間喜劇』という題でくくった作家オノレ・ド・バルザック(1799-1850)。彼が描いた人々の暮らしと同じ目線で作られた同時代の歌を集めたアルバムが登場します。演奏はアルノー・マルゾラーティ率いるレ・リュネジアン。流動的なメンバーによる伸縮自在の編成で、ナポレオンの生涯を当時の歌で綴った「セントヘレナ」などコンセプチュアルな良質アルバムを多数リリースしている彼ららしく、今回も精鋭のアーティストが揃っています。リュシール・リシャルド、シリル・デュボワらによる表情豊かな歌はもちろん、ダニエル・イゾワールが弾く19世紀中盤のプレイエルの端正ながら粒のそろった美しさが花を添えているほか、低音金管ピリオド楽器の名手パトリック・ヴィバールの巧みな伴奏も大きな聴きどころです。(2024/11/15 発売)

    レーベル名:Alpha
    カタログ番号:ALPHA1105

  • ストラデッラ: マルカントニオ・オルリゴーニのための作品集

    【才能あるカストラート歌手の技量が導き出したストラデッラの至芸の数々】17世紀中~後半にイタリア北部で溢れんばかりの才能を発揮しながら、男女関係のいざこざで各地を転々とし、最後は暗殺された作曲家ストラデッラ。劇的な生涯ばかり知られ長く見過ごされていた作品は近年急速に再評価が進んでいますが、そこでは多くの音楽学者や古楽演奏家たちの尽力、特にローマ出身のガンバ奏者=指揮者アンドレア・デ・カルロの熱心な紹介が大きな貢献を果たしてきました。自らの楽団マーレ・ノストルムと共にARCANAで多くの大作を録音してきた彼は今回、ストラデッラが世を去る数年前に出会った実力派歌手マルカントニオ・オルリゴーニとの関係に注目。この歌手のために作曲家が残した3つのオペラに加え、他の作曲家の作品上演時にストラデッラが補筆した楽章も集め、歌手が携行した架空の音楽帳の掲載曲という体裁で作曲家後期の業績を紹介するアルバムを作り上げました。独唱は伝説的古楽集団ラ・ヴェネクシアーナの一員で、デ・カルロの録音にも多く参画してきた名歌手シルヴィア・フリガート。アンサンブル・マーレ・ノストルムは今回も管楽器抜き&通奏低音陣厚め(ヴァイオリン2挺に対しガンバ1、コントラバス1、撥弦3、チェンバロ)の室内楽編成の緊密さと機敏さを活かし、フリガートの伸びやかな歌唱を的確にサポート、コレッリ前夜の端正かつ自在なストラデッラ芸術の粋を存分に味わわせてくれます。(2024/11/15 発売)

    レーベル名:Arcana
    カタログ番号:A571