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今や、ヴァイオリニストとしてよりも指揮者としてその名前が知れ渡りつつあるクリストフ・ポッペン。彼とドイツ放送フィルによるチャイコフスキー・ツィクルスも4作目となりました。今回も見通しの良い構成感と、的確なテンポ設定は健在、チャイコフスキーの全交響曲の中では比較的地味な存在である第2番と第3番に、新しい風を送ることに成功しました。1872年に作曲された第2番は3つのウクライナ民謡を用いた明晰な作品で、初演時に大成功を収めたことで知られています。第3番は1875年の作品で「ポーランド」の愛称が付いてますが、こちらは終楽章にポーランド舞曲のリズムが使われているだけであり、別にタイトルに固執することもなさそうです。ポッペンは弦の響きを最大限に引き出しながら、小気味よいテンポで曲を進めていきます。両曲ともライブならではの盛り上がりが素晴らしく、とりわけ第3番の終楽章の鮮やかさは類を見ません。聴衆たちの熱狂を肌で感じる拍手入りです。(2012/05/09 発売)
レーベル名 | :Oehms Classics |
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カタログ番号 | :OC762 |
期待のシリーズ、キタエンコのチャイコフスキー(1840-1893)交響曲集。第1番、第5番、第6番でのアグレッシヴな音楽作りはここでも変わることがありません。第2番の交響曲はチャイコフスキーが1872年に作曲した曲で、初演時は大変な成功を収めたのですが、なぜかその後にチャイコフスキー自身が大幅な改定を行ったことでも知られています。ウクライナ民謡が効果的に使われているため、評論家ニコライ・カシュキンから「小ロシア」という愛称を付けられたと言われています。この演奏、冒頭からメロディをたっぷりと歌わせ、大きな流れを作っていくという極めて聴き応えのあるものです。併録の「ロココ」でチェロを弾くエルシェンブロイヒがこれまた美しい音色を持つ人で、こちらも大満足いただけることでしょう。彼はムターに認められた俊英で、来日の際も高い評価を受けています。最後におかれたアンダンテ・カンタービレも絶妙です。(2013/02/20 発売)
レーベル名 | :Oehms Classics |
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カタログ番号 | :OC669 |
1875年に作曲されたチャイコフスキー(1840-1893)の第3番の交響曲は「ポーランド」という副題が付されていますが、これは第5楽章の主題にポーランド舞曲である「ポラッカ」のリズムが用いられているから。それなら第2楽章が「アッラ・テデスカ(ドイツ風)」と題されているので「ドイツ」でもいいのでは?という疑問はさておき、全体に漲る明るさと活気が愛されている作品です。第1楽章はなぜか「葬送行進曲」風に始まりますが、第1主題はニ長調の美しい音楽。第2楽章は三拍子ですがワルツではなくレントラー(ここがドイツ風)です。第3楽章は落ちつきのある牧歌風の音楽。第4楽章はチャイコフスキーらしい風が戯れるような軽やかなメロディ。そして力強く堂々とした終楽章を迎えます。カップリングは「眠りの森の美女」から4曲。キタエンコはいつものように壮大で勇壮な部分を強調しながらも、繊細さを打ち出すメリハリのある演奏で楽しませてくれます。もちろん音質は最高です。(2013/07/19 発売)
レーベル名 | :Oehms Classics |
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カタログ番号 | :OC670 |
1876年から1877年にかけて作曲されたこの交響曲第4番。この時期の彼は、メック夫人という素晴らしいパトロンを手に入れ、ようやく経済的な余裕が生まれ作曲に専念できるようになった、彼にとっては穏やかな日々がやってきたのです。しかしながら、身にまとわりついた「同性愛疑惑」を晴らすだめに1877年に彼の元弟子であった娘と結婚するのですが、これが失敗。精神的打撃を負った彼は自殺未遂を起こしてしまいます。そんな相反する生活の中でこのような素晴らしい作品が生まれたのはほとんど奇跡とでもいえるのではないでしょうか?そんなドラマティックな作品をキタエンコはいつものように冷静沈着に分析。決して感情に溺れることなく見事に音にしています。(2013/12/18 発売)
レーベル名 | :Oehms Classics |
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カタログ番号 | :OC671 |
キタエンコのチャイコフスキー(1840-1893)は、前作の第4番(OC671)で、交響曲全集が完成したと思っていた方も多いのではないでしょうか?しかし、実は「交響曲第7番」がまだあったのです。この作品、もともとは1892年に着手された「人生」と呼ぶ交響曲のスケッチ(途中で放棄)がピアノ協奏曲第3番に作り替えられ始めたものの、こちらも第1楽章のみが完成されました。そしてチャイコフスキーの死後、1950年になって作曲家セミヨン・ボガティレフが、この協奏曲をもとに交響曲の復元(・・・というよりっ素材を用いて新しい曲を創り上げた)に着手、第1楽章は協奏曲に若干の手を加え、第2楽章と第4楽章は協奏曲に使われるはずだった第2楽章と第3楽章のスケッチから、そして第3楽章は全く別の曲「ピアノのための小品Op.72」の第10曲を引用。なんとか交響曲の形に仕上げたというものです。日本の女性指揮者が「幻の交響曲」として演奏し話題になった曲としても知られています。このキタエンコ盤は、ピアノ協奏曲第3番(ソロはジルベルシュタイン!)も併せて収録。この興味深い作品の理解度を高めてくれること間違いありません。もちろん演奏は最高です。(2014/03/26 発売)
レーベル名 | :Oehms Classics |
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カタログ番号 | :OC672 |
ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団が"首席指揮者"の任にあたることのなかったドミトリー・キタエンコに"名誉指揮者"の称号を送ったのは、その数多い録音が高く評価されているためです。ショスタコーヴィチ(Capriccio C49545)、プロコフィエフ(C7190)、ラフマニノフ、そしてチャイコフスキー(OEHMS OC027)の各々の交響曲全集は、その機動力の高さと緻密な構成、迫力ある音色で他の追従を許しません。とりわけチャイコフスキーに関しては、交響曲の録音が終了してから歌劇「イオランタ」(OC963)の全曲盤をリリース、キタエンコの思い入れの深さが感じられましたが、今回の「くるみ割り人形」全曲盤も注目すべき演奏です。この作品は組曲版の演奏が多い中、キタエンコは全曲版を選択し、この物語の全容をすみずみまで聴かせています。一瞬たりとも聴き手の耳をそらすことのない集中力の高い演奏は、キタエンコとオーケストラの良好な関係性を明確に示しています。余白に収録されたストラヴィンスキーの「妖精の口づけ」も絶品。(2016/11/23 発売)
レーベル名 | :Oehms Classics |
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カタログ番号 | :OC448 |
2008年にミュンヘン国際音楽コンクールで最優秀賞を獲得し一躍注目を浴びた、ポーランドの若手弦楽四重奏団、アポロン・ミューザゲート・クァルテット。2012年に来日した際も、その瑞々しい感性と揺るぎない解釈、そして見事なアンサンブルで耳の肥えた聴衆をうならせたのが記憶に新しいところです。OEHMSレーベルからの第2弾リリースはロシアの作品集。前作(OC749)は自己紹介のような選曲であり、ハイドン、ブラームス、シマノフスキ、シチェドリンと多彩なプログラムでしたが、今回はじっくり腰を据えて「ロシア物」に取り組んでいます。甘さと若々しさを併せ持つチャイコフスキー、諧謔的なプロコフィエフ、聴きやすそうな振りをして、実はトンデモなく難しい音楽であるショスタコーヴィチの第4番(特に終楽章が凄い)。やっぱり一筋縄ではいかない彼らの世界をじっくりと。(2014/03/26 発売)
レーベル名 | :Oehms Classics |
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カタログ番号 | :OC874 |