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21世紀クラシックス

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    バラダ:交響曲第5番「アメリカン」/プラハ・シンフォニエッタ/ディヴェルティメント(セビーリャ王立響/クレスポ)

    ナクソスで人気上昇中のバラダによる、オモシロ作品がまたまた登場です。交響曲第5番「アメリカン」は、短三度の響きを中心にして、アメリカを描いたもので、第1楽章は、9.11同時テロの悲惨な地獄絵で幕を開け、第2楽章の黒人霊歌風の癒しの歌をつなぎとして、第3楽章の陽気なウエスタン音楽に至るという、暗黒から光明、絶望から希望へ展開される、ポジティヴな力にみなぎった曲です。その他モーツァルト風?の「プラハ・シンフォニエッタ」や、特殊奏法を多用し、弦楽合奏という編成の様々な可能性が探求される、ディヴェルティメント集なども、それぞれの面白さを十二分に発揮しています。(2006/05/01 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.557749

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    尹伊桑:室内交響曲第1番/弦楽のためのタピ/ハープと弦楽のためのゴンフー(韓国室内アンサンブル/ボルコフスキ)

    日本で作曲を学ぶも反日運動に加わり投獄、その後ドイツでの亡命生活を余儀なくされるという人生を送ったユン・イサン。死後においても彼の音楽は繰り返し演奏され続けています。東洋と西洋との融合への指向が特に顕著なのが「ゴンフー」。タイトルはペルシャから伝わったとされる中国の一種のハープのことですが、この作品はハープという楽器の特性もあり、極めて聴きやすく美しい仕上がりを見せます。長大なカデンツァなど独奏者の技巧の見せどころです。「室内交響曲第1番」と「タピ」も音楽の力に満ち満ちた快作です。チョン・ミュンフンに学んだこともあるポーランド人指揮者の棒で。(2006/04/01 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.557938

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    パヴロワ:交響曲第2番「新世紀のために」、第4番(モスクワ放送チャイコフスキー響/フェドセーエフ)

    モスクワで作曲を学び、ブルガリアでオペラ中心に活躍、そしてロシアに戻った後、ニューヨークを拠点に作曲活動を進めているパヴロワ。彼女は自身の「交響曲第2番」第3楽章の改訂作業中、一年前の同時多発テロを思い出し、音楽は改訂によって、より悲劇的な味わいを帯びたものになりました。この交響曲は、全編が柔らかく、ほのかな哀しみに満ちています。第3、4楽章のわかりやすい映像音楽的テイストには、癒しのシンフォニーとでも形容できそうな静かな感動があります。「交響曲第4番」は下書き無しに3週間で仕上げられた、オルガンソロと素直な高揚が印象的な小交響曲。日本でもお馴染みの指揮者フェドセーエフが登場、演奏家も万全です。(2005/11/01 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.557566

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    バラダ:ナレーター、合唱、管弦楽とテープのための交響的悲劇「無」/エボニー幻想曲(マドリード州立管/エンシナール)

    20世紀スペインに生まれた作曲家バラダは、若い頃からアマチュア合唱団に所属し、合唱という表現媒体への限りない愛着を育みました。作曲家としても合唱の表現力を最大限に生かす作品を書き、その代表的成果が当盤の2曲です。「無」のテキストは、フランスの詩人ジャン・パリが自作言語を含む複数の言語で、愛する者の死に対する抗議を表現したもの。バラダの音楽は、テープ使用も含め合唱と管弦楽の激しい音響でテキストに呼応し、聴き手に怒涛のごとく押し寄せます。「エボニー幻想曲」はスピリチュアルを素材に自由に展開させるという、興味深いもの。激しい音楽を好む方に是非お薦めします。 (2005/10/01 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.557343

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    レンディーネ:受難と復活(キエーティ・マッルチーノ劇場管/コンティ)

    何という問題作、そして感動的な快作!ナポリの作曲家レンディーネが、クラシックの枠を超えてワールドミュージック的語法で仕立て上げ、20世紀の最後の年に初演された、キリストの受難と復活の物語。ありふれた主題を扱ったこの作品は、例えばバーンスタイン「ミサ曲」などと並ぶ、宗教的題材による現代の衝撃的名作として語り継がれていくのではないでしょうか。音楽は、現代を生きる我々には常にわかりやすく、晦渋な現代音楽とは一線を画すものです。特に「復活」の場面からは、美しい「アレルヤ」に導かれて徐々に高揚し、最後は忘我の境地へ。熱い演奏とサウンド(特にパーカッションが快感)が、貴方の耳に激しく突き刺さります。(2005/10/01 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.557733

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    インス:交響曲第3番「ウィーンの包囲」/交響曲第4番「サルディス」/ドーム(プラハ響/インス)

    アメリカ人とトルコ人を両親に持ち、アメリカで生まれながらも、少年から青年時代までをトルコで育ったというインスの人生は、東西文明の出会いの地である、トルコの歴史そのものに通ずるものがあります。そして、彼の芸術上のインスピレーションもまた、トルコを抜きにして語ることができません。当盤収録の交響曲でも、東西文明の衝突の歴史的事件である「ウィーン包囲」や、リュディア王国の首都であった、サルディスの遺跡が題材となっています。エレキベースやギターをも含む大オーケストラによって放出される音楽は、確かに西欧クラシックの本流とは異質なものを大いに感じさせる、大胆にして不可思議なものです。(2005/08/01 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.557588

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    ライエンデッカー:ヴァイオリン協奏曲/交響曲第3番(グロイター/北ドイツ放送響/カリツケ)

    戦後生まれのライエンデッカーの音楽には、かつての前衛音楽が持っていたカドや理屈っぽさはなく、自然体の聴きやすい作風といってよいでしょう。といっても、聴衆に媚を売るような甘ったるいものではなく、独特の重厚、かつ繊細さと透明感あふれるサウンドで、真摯に訴えかけてくるといった趣きです。オーケストレーションの技術は卓抜で、特に至難で複雑なパッセージを奏し続けるソロと、負けず細かく書き込まれたオーケストラが絶妙に絡み合うヴァイオリン協奏曲は、その冴えを存分に味わうことができます。交響曲もそうですが、非常に動的な場面でも、むしろ密やかといってよいような緊張感があり、そこが彼ならではの魅力と申せましょう。(2005/06/01 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.557427

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    クーネ:飛行中のエンターテイメント/発電所/エレベーター・ミュージック(シドニー響/湯浅卓雄)

    オーストラリアの作曲家クーネは、クラシックの系統に属する現代音楽には、ポピュラー音楽持っているような人を惹きつける魅力に欠けていることに問題意識を持ち、作曲活動を行っていますが、その作品はなんとも型破りなパワーに満ちています。「エレベーター・ミュージック」や「発電所」はオーケストラによるルンバですが、その陽気を通り越した大騒ぎ振りには仰天です。しかし単なるお祭り騒ぎではなく、高度な作曲技術と都会風に洗練されたセンスが、この作品に独自性を与えているといえましょう。「飛行中のエンターテイメント」は超絶技巧のオーボエ協奏曲ですが、特に「西部劇」での垢抜けてポップなロマンティシズムは絶品です。(2005/05/01 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.555847

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    スカルソープ:アース・クライ/ピアノ協奏曲/カカドゥ(バートン/シスロフスカ/ニュージーランド響/ヴィト)

    オーストラリアの先住民族であるアボリジニの音楽に深い関心をよせるスカルソープですが、「アース・クライ」は、まさにそんな彼ならでは作品、冒頭からビヨーン、ビヨーンと耳慣れない音に驚かされますが、これはディジェリドゥーというアボリジニの民族楽器を用いているためです。しかし、決して奇を衒っただけの作品ではありません。平明でありながらも、深い感動へと自然に導かれて行く、というスカルソープの魅力は、すぐに感じていただけることと思います。「怒りの日」を引用した「メメント・モリ」や、ガムランや日本の雅楽にインスパイアされたというピアノ協奏曲なども、大変に美しく、心の洗われるような響きに満ちています。(2005/01/01 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.557382

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    プティジラール:歌劇「エレファント・マン」(モンテカルロ・フィル/プティジーラル)

    1980年に鬼才リンチが映画化したことで有名な「エレファント・マン」の物語を、映画音楽作家としても活躍するプティジラールが緊迫感溢れる音楽でオペラ化しました。舞台は19世紀ロンドン。神経線維腫症の一種で特異な容姿を持つ青年メリックは生計のために見世物小屋に加わる。医師トリーヴスのおかげでメリックは有名になり、王室まで訪ねてくるようになる。一人の人間として生きたいという望みだけを持っていた彼の人生は…。全体が無調の中で唯一、調性がはっきりしたCD1トラック9「病人たちの祈り」、リフレインのメロディーが印象的なCD2トラック3「ヒポクラテスの誓い」、コロラトゥーラが強烈に叫ぶCD2トラック9「コロラトゥーラのアリア」など、音楽的にも聴きどころが満載です。(2005/01/01 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.557608-09