オペラ・クラシックス
Search results:169 件 見つかりました。
ある国の物語。暴君に死刑を宣告された異国の男。抗議する男の前に現れたのは、暴君の妻ヘリアーネ。男とヘリアーネは惹かれあい、ついにヘリアーネは彼に一糸まとわぬ姿を見せてしまいます。自死する男、純潔を守りながらも、男への愛はあったと告白するヘリアーネ。怒る暴君は「本当に純潔であるなら男をよみがえらせることもできるだろう」と妻に告げますが・・・。
「早熟の天才」コルンゴルトが4番目の歌劇《ヘリアーネの奇跡》を完成させたのは30歳の時。すでに、23歳の時に作曲した《死の都》で世界的評価を得ていた彼は、この《ヘリアーネ》で一層名声を高めることとなりました。コルンゴルトと同世代の表現主義作家カルトネーカーの作品を原作にしたこの歌劇の主題は、「世界は普遍的な愛で救済される」というもので、コルンゴルトは、あらすじのつじつまを合わせることよりも、官能性を前面に押し出し、ワーグナーを思わせる劇的で妖艶な音楽を付けることに終始しました。
コルンゴルトの死後、作品が忘れられてしまったのは、ナチスによって「退廃音楽」に分類されてしまったこともありますが、もう少し整理された物語であったら(例えば《死の都》のように)もっと早くに人気が再燃していたかもしれません。しかしながら、この絢爛豪華な響きを味わうことこそ、コルンゴルトを聴く醍醐味と言えるでしょう。
(2018/10/31 発売)
レーベル名 | :Naxos |
---|---|
カタログ番号 | :8.660410-12 |
1813年に初演された歌劇《パルミラのアウレリアーノ》は、ロッシーニがカストラートを想定して書いた唯一の作品として知られています(現在ではそのアルサーチェ役をカウンター・テナーかメゾ・ソプラノが歌います)。実際の史実に基づいたローマ帝国における戦いと愛の物語に、ロッシーニは素晴らしい曲を付けました。残念ながら歌手たちの不調などのもあり、初演は成功することがなく、落胆したロッシーニは、人々が誉めてくれた音楽を他の作品に転用することにしました。この転用が最もわかりやすいのは序曲でしょう。ロッシーニはほとんど変更することなく、そのまま《セヴィリヤの理髪師》に用いた他、少し手直しを加えて《英国女王エリザベッタ》にも用いています。他にもアリアや二重唱にいくつかの転用が認められます。1980年に復活蘇演が行われて以来、演奏機会が増えた作品でもあり、この第29回ロッシーニ音楽祭での公演も優れた歌手たちを起用、素晴らしい演奏が行われました。(2018/09/28 発売)
レーベル名 | :Naxos |
---|---|
カタログ番号 | :8.660448-50 |
ヨーゼフ・フォン・リントペイントナーはドイツ、コブレンツェに生まれ、ヴェルテンベルク宮廷楽長を務めた初期ロマン派の作曲家。生涯21曲の歌劇を書き、シューマンが「最も有望な歌劇作曲家」として絶賛しましたが、死後はすっかり忘れられて現代に至ります。この歌劇《シチリア島の夕べの祈り》は1843年の作品で、ヴェルディの名作同名歌劇と同じく、1282年にシチリアで実際に起こった住民の暴動を原作とした壮大な歴史絵巻です。豊かなオーケストレーションに支えられた美しいベルカントの印象的な旋律が満載の秘曲オペラを、ヴェテランの歌声でお楽しみください。(2018/07/27 発売)
レーベル名 | :Naxos |
---|---|
カタログ番号 | :8.660440-43 |
この歌劇《デメトリオとポリビオ》はロッシーニの最初の作品とされていますが、成立については不明な点が多く、作曲年代もロッシーニが14歳の時、あるいは18歳の時、と諸説あり、はっきりとはわかっていません。しかし内容はとても成熟しており、ロッシーニの天才がはっきりと示された素晴らしいアリアも存分に楽しめます。/物語は、政治的な混乱の中、身元不明の青年シヴェーノが真の愛と家族の絆を手に入れるというもので、荒唐無稽な話の筋を流麗な音楽でまとめるという若きロッシーニの手腕が生かされた作品となっています。/トビリシ出身の若きソプラノ、ムチェドゥリシヴィリと、ロシア出身のメゾ・ソプラノ、ヤローヴァヤを中心としたまとまりのよいアンサンブルで、この知られざる作品を歌い上げています。/(2017/10/27 発売)
レーベル名 | :Naxos |
---|---|
カタログ番号 | :8.660405-06 |
17世紀のヴェネチア。戦いに勝利した将軍ファッリエーロは、かねてから思いを寄せていた元老院議員コンタレーノの娘ビアンカにプロポーズします。しかしビアンカは裕福なカペッリオとの政略結婚が決まっていました。気が進まない結婚式に臨むビアンカ、式に乱入するファッリエーロ、大混乱となりますが…/1819年-20年の謝肉祭の季節に、ミラノ・スカラ座で少なくとも39回の上演が行われたというロッシーニの歌劇《ビアンカとファッリエーロ》。ロッシーニがこの劇場のために書いた最後の歌劇で、超絶技巧を駆使したアリアの数々は、当時の聴衆を魅了しました。初演時にはファッリエーロをカストラートの歌手が演じましたが、現在ではメゾ・ソプラノが歌うのが一般的です。しかしこの華麗なアリアを歌える歌手を見つけることが困難だったため、演奏の機会に恵まれず、1980年代まで忘れられていたことでも知られています。ヤローヴァヤとフォルテの2人の名歌手を揃えたバランスの良い演奏です。(2017/09/29 発売)
レーベル名 | :Naxos |
---|---|
カタログ番号 | :8.660407-09 |
13世紀シチリア島のアグリジェント。老侯爵カルロの領地を奪い彼を幽閉したフィリッポは、カルロの娘で現在未亡人のビアンカをわが物にしようと企んでいます。そこへやってきたのは、幼い頃フィリッポに追放されたカルロの息子ジェルナンド。彼はアドルフォと名乗り、真実を暴くためにフィリッポの部下になります。フィリッポの悪だくみを知らなかったビアンカもやがて真実に気が付き、弟ジェルナンドと力を合わせ、父カルロの救出に奔走するという物語。/ベッリーニの初期の作品ですが、これまではロマーニが改訂した1828年版のみが知られていますが、もともとはこちらの《ビアンカとジェルナンド》を、フェリーチェ劇場のこけら落としのために改作したものです。いくつかの曲の違いがありますが、どちらもコロラトゥーラの超絶技巧を駆使した歌手泣かせの演目です。この上演では理想的な歌手を揃え、素晴らしい声の饗宴が繰り広げられています。/(2017/08/30 発売)
レーベル名 | :Naxos |
---|---|
カタログ番号 | :8.660417-18 |
愛する妻アルディミーラが自分を裏切ったと誤解し、彼女に死刑宣告を出したポーランド王シジスモンド。しかしやはり後悔に苛まれ、ついには精神を病んでしまいます。しかし、アルディミーラは生きており、エジェリンダと名を変え王の前に現れます。黒幕は/王の腹心、宰相ラディスラオ。全てが明らかになって王はようやく正気を取り戻すというお話です。1814年に初演されたロッシーニの歌劇《シジスモンド》。しかしその後はほとんど演奏される機会のない「失敗作」でした。しかし、21世紀になって巻き起こった“ロッシーニ・ルネサンス”はこのような光の当たらない作品も発掘。人々は作品の素晴らしさを再確認することとなります。この演奏はヴィルトバート・ロッシーニ祭のライヴ収録。バランスの良い歌手たちの配役が光ります。(2017/07/28 発売)
レーベル名 | :Naxos |
---|---|
カタログ番号 | :8.660403-04 |
古代ギリシャの長編叙事詩「オデュッセイア」(ホメロス作と伝承される)の最初の部分に登場する、オデュッセウスの息子テレマーコ(テレマコス)を主人公とした物語。遺産目当てに母ペネロペに群がる男たちを排除するために、死んだとされる父オデュッセウスを探す旅に出るテレマーコ。彼に付き添う父の友人メントーレ(実は女神アテナが姿を変えている)。彼らは旅の途中で嵐に遭い、海岸に漂着。そこで美しいカリプソと出会うのです。この冒険物語は様々なオペラの主題に取り入れられて人気を博しており、マイールの作品も初演当時高く評価されました。しかし、物語がハッピーエンドでなかったためか、人気が衰えてしまい、以降演奏されることもなく歴史の片隅に埋もれてしまっていました。マイール研究家であるハウクの尽力によってようやく甦った作品です。(2017/03/24 発売)
レーベル名 | :Naxos |
---|---|
カタログ番号 | :8.660388-89 |
1984年のピューリッツァー音楽賞を受賞したアメリカの作曲家ランズの歌劇「ヴィンセント」。タイトルの通り、オランダの画家フィンセント・ファン・ゴッホと、彼を取り巻く人々が描かれたこの歌劇は、1970年代にランズがアムステルダムのゴッホ美術館を訪れた際にインスピレーションを得て、その後40年に渡って画家の生涯について研究を重ねた末に生まれた物語です。ゴッホと弟テオとの交流、ゴッホの内面における葛藤とその悲劇的な死、様々なエピソードが、ベルクを思わせる“現代的な抒情性”を帯びた音楽の上で紡がれています。(2017/03/24 発売)
レーベル名 | :Naxos |
---|---|
カタログ番号 | :8.669037-38 |
1820年頃のドイツの小さな町。ここに住む小心者の兵士ヴォツェックが、彼の内縁の妻マリーと鼓手長の不義を知り、口論の末に彼女を刺し、自身も沼にはまり溺れ死ぬという実際に起きた事件を元にした悲惨な物語「ヴォツェック」。それまでの後期ロマン派の歌劇とは全く違い、厳密に構成された台本と、無調を取り入れた各場の音楽が絡み合った斬新で革新的な作品は、20世紀の最高傑作として評価されています。そして作品の持つメッセージはいつの時代にも変わることがありません。このヒューストンでの上演は、日本でも人気の高いバリトン、トレーケルが温かみのある響きを駆使しながらも、主人公ヴォツェックの絶望と狂気を余すことなく歌い上げています。ワーグナーを得意とするシュヴァネヴィルムスのマリーも的確な配役です。ハンス・グラーフ率いるヒューストン交響楽団の美しく厚みのある響きも、演奏の完成度を高めています。(2017/01/25 発売)
レーベル名 | :Naxos |
---|---|
カタログ番号 | :8.660390-91 |