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オペラ・クラシックス

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    ロッシーニ:歌劇「ランスへの旅」(ジョルダーノ/ピッツォラート/ムチェドゥリシヴィリ/ポズナン・カメラータ・バッハ合唱団/ヴィルトゥオージ・ブルネンシス/フォリアーニ)

    1825年に挙行されたフランス国王シャルル10世の戴冠式のために、ロッシーニ(1792-1868)が作曲した「ランスへの旅」。フランス国王の紋章を暗喩した「黄金の百合亭」というホテルに集まったヨーロッパ各国の人々が繰り広げるちょっとしたドタバタコメディです。当時活躍していた名歌手を集め、カンタータ形式で初演が行われ大好評を博しましたが、このような機会音楽はどうしても人気が長続きせず、劇場のレパートリーとして定着することもありませんでした。ロッシーニは一部のアリアを「オリー伯爵」に転用しましたが、結局、本編のスコアは散逸、結局、この作品が復興されたのは、1970年代の「ロッシーニ・ルネサンス」を迎えてからでした。1984年にロッシーニ・フェスティヴァルで上演された(クラウディオ・アバド指揮)のものが、ブームの火付け役。以降、優れた演奏が数々出現し、現在では高い人気を誇るまでになっています。この演奏は、ロッシーニ財団とリコルディ社による批判校訂版が用いられています。(2016/07/27 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.660382-84

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    ヴォルフ=フェラーリ:歌劇「マドンナの宝石」(ウシャコヴァー/キム・ギョンホ/スロヴァキア・ナショナル・オペラ合唱団/スロヴァキア放送響/ハイダー)

    イタリアの作曲家ヴォルフ=フェラーリ(1876-1948)の代表作「マドンナの宝石」。一昔前、レコードで音楽鑑賞をしていた時代、クラシックの小品といえば必ず名前が挙がるのが、この歌劇の第2幕への間奏曲でした。かの"イージー・リスニングの巨匠"ポール・モーリアや、大指揮者カラヤンがこよなく愛し、度々録音を行ったために広く知られるようになった美しい曲です。とは言え、今回の録音がオペラ全曲の正式な世界初録音となるほどに、実際の上演を体験する機会は全くないと言っていいほどのレアな作品です。実は内容もかなり凄惨。その時代を席巻した「ヴェリズモ・オペラ」の典型的な作品といえるでしょう。物語は1900年頃のスペイン統治下のナポリ。情熱的で奔放な娘マリエッラと、その義兄ジェンナーロ。マリエッラが心を寄せるのは悪の親玉ラファエレですが、ジェンナーロはマリエッラに好意を寄せています。ある日ラファエレが彼女に「マドンナの宝石を盗み出してこよう」と囁き、嫉妬したジェンナーロが先に宝石を盗み出してマリエッラに渡すと、喜んだ彼女はジェンナーロに心を許してしまいます。しかし、街のシンボルである聖母像の宝石を盗むのは大罪。自責の念にかられたジェンナーロは宝石を返しに行くのですが…。リヒャルト・シュトラウスや、ベルカント・オペラを得意とするフリードリヒ・ハイダーが美しく全曲を纏め上げています。(2016/06/29 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.660386-87

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    バルフェ:歌劇「サタネラ」(シルバー/ワン・カン/ヘイズ/ジョン・パウエル・シンガーズ/ヴィクトリア・オペラ管/ボニング)

    ダブリン生まれの作曲家バルフェ(1808-1870)は、7歳でポロネーズを作曲するなど、幼い頃から音楽の才能を示していました。ヴァイオリニスト&舞踏指導家であった父に最初の音楽の指導を受けながら、ヴァイオリニストとしての才能を開花させていきます。それと同時に声楽の勉強も進め、イタリアに留学、ロッシーニに弟子入りをすることとなります。その後、歌手活動よりも作曲家としての活動に力を入れ、いくつかの英語による歌劇で大成功を収めることとなるのです。この「サタネッラ」は彼の23作目の歌劇で、1858年にコヴェントガーデンで初演されてから、60年以上も各地の劇場のレパートリーとなっていた作品です。今回は名指揮者ボニングが作品に手を加え、新たな形の上演版を製作しました。悪魔との契約から逃れる術のないルバート、彼を愛するレリア、そして悪魔サタネッラ。登場人物たちの思惑が絡み合い、最後は愛の力が幸せをもたらすのです。(2016/04/27 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.660378-79

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    チプロ:アフター・ライフ/ライトマン:イン・スリープ・ザ・ワールド・イズ・ユアーズ(ミュージック・オブ・リメンブランス/キーロフ)

    2015年、シアトルのベナロヤホールで行われた「ホロコースト追悼コンサート」で演奏されたトム・チプロ(1956-)の「来世」は時と場所を越えて共鳴する2つの魂の物語です。一人はパブロ・ピカソ。もう一人はアメリカの詩人で美術収集家であるガートルード・スタインです。二人はどちらも20世紀初頭のパリで芸術を擁護し、また様々な形で戦争に対する考えを発表しています。二人が現代に甦ったらどのような対話をするのでしょうか?最初は不条理なコメディで始まるこの物語、フランス人孤児の少女が現れてからは少しずつ恐怖へと転換していきます。もう一つの作品、ライトマンの歌曲は、ルーマニアのユダヤ人家庭に生まれたメールバウム=アイジンガーの詩によるもので、彼女は15歳で詩を書き始めたものの、18歳の時にウクライナの労働収容所でチフスのために亡くなります。彼女の親戚がその詩を保存していたおかげで、現在でも残存し、この美しくも悲しい歌として甦りました。演奏は、退廃音楽のオーソリティ、ミュージック・オブ・リメンブランス。心が痛くなるような、何かを考えずにはいられない音楽です。(2016/03/30 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.669036

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    ラヴェル:歌劇「スペインの時」/ドゥルシネア姫に思いを寄せるドン・キホーテ(ロンバルド/ドゥルエ/アントゥーン/ル・ルー/フランス国立リヨン管/スラットキン)

    18世紀のトレドの町で繁盛しているトルケマダの時計店。ラバ弾きのラミーロが時計を修理してもらうためにやってきます。そこに現れたのはトルケマダの女房コンセプシオン。「はやく町の時計台の調整に行きなさいよ」とがなりたてますが、実は彼女は早く亭主を追っ払って、その間に愛人を招きいれて××を楽しもうとしているのです。亭主もジャマ、客のラミーロもジャマ。彼女はラミーロには「そこの時計を持って2階に上がって」と頼みます。誰もいなくなった店に現れたのは愛人ゴンザルヴェ。若干の気持ちの食い違いでコンセプシオンがやきもきしていると、そこにラミーロが戻ってきます。おや、またもう一人の愛人イニーゴがやってきました。しかしコンセプシオンはラミーロにすっかり目移りしています…さてどうなることやら。この「スペインの時計」は、同じく短いオペラ「子供と魔法」と一緒に論じられることが多い作品です。とは言え、こちらの作品は少しだけ"大人向け"。ちょっと色っぽくてキワドイ内容になっていますのでご注意くださいね。「ドン・キホーテ」はラヴェル(1875‐1937)の最後の作品。映画の劇中歌として作曲されましたが、他の作曲家との競作であり、結局こちらは採用されることなく、最終的には演奏会用の歌曲集として発表されたものです。ヴェテラン、ルルーの素晴らしい歌唱でお聴きください。 【歌劇「子供と魔法」…8.660336】(2016/03/30 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.660337

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    ジェネラーリ:メロドラマ「アデリーナ」(ビジェリック/ナーニ/ムニョス/ヴィルトゥオージ・ブルネンシス/リゴン)

    歴史に埋もれていた名作を蘇演することで知られるヴィルトバードの「ロッシーニ音楽祭」のプロジェクトです。ロッシーニがオペラ作曲家として正式にデビューを飾った1810年、ヴェネツィアのサン・モイゼ劇場の秋のシーズンで大ヒットを記録したのが、このジェネラーリ(1773-1832)の「アデリーナ」でした。当時のイタリアでは1幕物のファルサ(笑劇…1幕の楽しい内容を持つオペラ)が流行していましたが、この「アデリーナ」は少々センチメンタルな内容を持つため「メロドラマ」に分類されています。恋人に捨てられ妊娠している少女というだけで、確かに深刻な内容になることは想像に難くありません。最初のうちは、彼女の父はアデリーナを赦す事はないように思えましたが、姉や教師らのおかげで、恋人であるエルネヴィッレとやり直すことにし、生まれてきた子供も含めて、全てが丸く収まるというひたすら優しい結末の物語です。もし、最後がハッピーエンドで終わらなかったとしても、それはそれで素晴らしいものなっていそうなオペラです。(2015/12/23 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.660372-73

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    ワーグナー:楽劇「ラインの黄金」(ゲルネ/デヤング/ベグリー/シドム/ケンジェロシ/香港フィル/ズヴェーデン)

    ワーグナー(1813-1883)が創り上げた壮大なる叙事詩「ニーベルングの指環」は、北欧神話を下敷きとし、欲望、愛憎、人智を超越した物語が重厚な音楽とともに描かれる大作です。全曲完成までに26年を費やしたこの作品は、演奏時間も15時間を必要としますが、1876年に書かれた序章である「ラインの黄金」は物語の入門編とも言える部分で、コンパクトに纏められた(と言っても2時間以上)ストーリーとなっています。世界中の歌劇場で上演される人気作ですが、歌手の選択から演出、オーケストラのテクニック、そして指揮者の力量など、多くの問題をクリアしない限り、名演にはならない難しい作品です。この香港フィル初の「指環」は演奏会形式で上演されたものですが、鬼才ズヴェーデンの指揮によって文句の付け所のない演奏に仕上がっています。また名バリトン、ゲルネがヴォータンを演じているところにも注目が集まりました。ちなみにジャケットデザインはこのコンサートのポスターがそのまま用いられています。(2015/12/23 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.660374-75

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    ラヴェル:歌劇「子供と魔法」/マ・メール・ロワ(エブラー/ガルー/パスチュロー/フシェクール/フランス国立リヨン管/スラットキン)

    子供たちに最初に観せたいオペラと言ったら何がいいでしょう?「サロメ」とか「トスカ」では人生の理不尽は学べますが、夢がありません。かと言って「フィガロの結婚」や「ルル」ではちょっと早過ぎます。そこでオススメはこのラヴェルの「子供と魔法」です。本来なら実演を観るのが一番のこのオペラ、時計やカエル、ネコ、ティーカップ、イスなど普段なら動かず、しゃべらないものたちが瞬時に命を得て、舞台狭しと動き回り、勉強がイヤになった子供に話しかけてくるのです。ラヴェル(1875-1937)が付けた音楽もまたカラフルで飛び切り幻想的。映像がなくても全く問題ありません。はらはらどきどき興奮の45分をお楽しみください。カップリングはこれまた楽しい「マ・メール・ロワ」組曲。こちらも不思議な世界が展開します。スラットキンの表情豊かな指揮は、魔法のようにステキな音楽を造りだすのです。全く、子供って乱暴で言うことを聞かなくて、そして本当は心の底から優しくて、お母さんの事が大好きで…。(2015/11/25 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.660336

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    フィルドール:歌劇「復讐する女たち」(オペラ・ラファイエット管/R. ブラウン)

    バロックから古典派の知られざるフランス歌劇を取り上げて、これらに新たな命を吹き込むことで知られるアメリカのピリオド楽器アンサンブル「オペラ・ラファイエット」。これまでにもラモー、リュリやモンシニ、ルベルなどの作品を演奏、その中にはいくつもの世界初演も含まれています。今回彼らが取り上げたのは、フィリドール(1726-1795)の歌劇「復讐する女たち」です。浮気性の男に仕返しをする女性というのは、モーツァルトの「コジ・ファン・トゥッテ」を予見させるもので(モーツァルトはこのフィリドールの作品が初演された時にパリに滞在していた)、フィリドールは男女間のやりとりを、当意即妙なアリアやアンサンブルで表現し、生き生きとした作品に仕立て上げているのです。全体はコンパクトに纏められていて、歌手たちの巧みな歌唱もあり登場人物の描き分けも的確。これは確かに楽しい歌劇です。(2015/10/28 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.660353

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    ロッシーニ:歌劇「泥棒かささぎ」(モレーノ/ターヴァー/レガッツォ/プラティコ/ブルノ・クラシカ室内合唱団/ヴィルトゥオージ・ブルネンシス/ゼッダ)

    T.B.ドービニー&ルイ・シャルル・ケーニエ原作 ジョヴァンニ・ゲラルティーニ台本。1817年、25歳のロッシーニ(1792-1868)がたったの3か月で書き上げた歌劇「泥棒かささぎ」。当時、創設間もないミラノ・スカラ座のために書いたこの作品は、それまでのオペラ・ブッファ(滑稽で身近な素材を扱った歌劇)や、オペラ・セリア(王侯貴族のための壮大で贅沢な歌劇)とは違う素材が用いられています。それは19世紀初頭にフランスで流行していた「救出もの」であり、当時の社会情勢を反映した、庶民や農民と、彼らに不当な圧力をかける権力者との対決がモティーフであり、いわば日本における「水戸黄門」のドラマのような物語は多くの聴衆の心をとらえたのでした。この「泥棒かささぎ」もその王道を歩む物語で、無実の罪で投獄されるヒロイン、ニネッタを巡る救出ストーリーが克明に描かれています。ロッシーニの第一人者ゼッダによる、素晴らしいロッシーニをお楽しみください。(2015/06/24 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.660369-71