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オペラ・クラシックス

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    マイール:歌劇「ラカデミア・ディ・ムジカ」(モラーチェ/コルテス/ベッロッチ/セゲル/クラクフ・パッショナルト管/パスコーリ)

    ヨハン・ジモン・マイールの歌劇《ラカデミア・ディ・ムジカ(音楽の学校)》は1799年秋にヴェネツィアのサン・サムエレ劇場で初演されました。作品自体が短かったため別の作曲家のファルサ(笑劇)と組み合わされての上演で、少なくとも2回上演された記録がありますが、以降忘れられてしまいました。とはいえ、「劇中劇」やオペラの一環として行われるコンサートなど18世紀の伝統を継承する聴きごたえのある興味深い作品です。この物語は、もともと1780年代に戯曲作家アルベルガーティ・カパチェッリが書いた同名の2幕のコメディを元にしており、息子のヴァレリオに財産を渡したくない金持ちの老人グリエルモが、自身が結婚しようと小間使いのヴェスピーナを誘惑するも、彼女は召使のチェッキーノと相思相愛の仲。一方、美しいヴェネツィア娘アンネッタと恋に落ちたヴァレリオは、結婚の許しを得るために彼女を「アカデミーの主催者」として父に紹介。一旦はアンネッタになびいたグリエルモですが、最後は2組の若者たちの結婚を認めるというもの。ここではグリエルモ役のフィリッポ・モラーチェが強靭かつコミカルな歌を披露、老いても盛んなグリエルモを見事に演じました。また2018年国際ベルカント賞を受賞したエレオノーラ・ベッロッチも魅力的なコロラトゥーラを披露。会場を沸かせています。音楽祭デビューとなるクラクフ・パッショナルト管弦楽団の熱演も聴きどころ。(2022/10/14 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.660511

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    ブロンザルト:歌劇「イェリーとベーテリー」(プラス/ブルカー/マルメ歌劇場管/サルヴィ)

    スウェーデン人の両親を持ち、ロシアのサンクトペテルブルクで生まれたインゲボルク・フォン・スタルク。熱心な音楽愛好家の父母のおかげで、14歳の時にはすでに優れた演奏家として知られるまでになった彼女は、更なる飛躍を求め1858年にワイマールへ留学。偉大なフランツ・リストにピアノを師事します。ライプツィヒ、ドレスデン、パリでコンサートデビューした後、1861年には、リストの取り巻きの一人、ハンス・ブロンザルト・フォン・シェレンドルの2番目の妻となり、更に華々しい活躍が期待されましたが、1867年に夫がハノーファー王立劇場の総監督に就任したことで、国家政策のため、公の場で演奏することを禁じられてしまいました。その後の彼女は作曲をすることで、その芸術的才能を磨き、歌劇をはじめ50曲以上の歌曲などを発表。1873年に初演されたゲーテの戯曲に基づく歌劇《イェリーとベーテリー》は大成功を収めました。山奥で年老いた父と暮らすベーテリー、彼女に恋心を抱く農家の息子イェリー。イェリーの友人の退役軍人トーマス。この3人の恋模様が描かれたこの歌劇は、歌の間に対話が組み込まれたジングシュピールの伝統に属しており、ウェーバーやワーグナーを思わせる美しい旋律に満ちています。(2020/09/11 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.660476

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    マイール:歌劇「2人の公爵夫人」(アン・ヨンジュン/ジョ・ジェギョン/バイエルン国立歌劇場合唱団/ジモン・マイール合唱団/コンチェルト・デ・バッスス/ハウク)

    すでにNAXOSではおなじみの作曲家ヨハン・ジモン・マイール。フランツ・ハウクが指揮するオペラや宗教曲などの一連の作品は、どれも高い人気を博しています。今回の新譜は、中世イギリスの騎士道をテーマにした歌劇《2人の公爵夫人》。物語の舞台はエドガー王が統治する10世紀のイングランド。中世イングランドに魅了されていたマイールは、この作品の他にも“薔薇戦争”や“アルフレッド大王”をテーマにしたオペラを書いていますが、この《2人の公爵夫人》は、波乱に満ちた物語の台本とイタリア風の様式がうまく溶け合った野心的、かつ素晴らしい出来栄えを誇っています。この世界初録音となる演奏では韓国の歌手たちが多数起用されており、若々しくかつ柔軟な演奏が楽しめます。(2020/05/15 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.660422-23

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    J. シュトラウスII:喜歌劇「おにごっこ」(デイヴィッドソン/クンクル/ボルトロッティ/ソフィア・フィルハーモニー合唱団&管弦楽団/サルヴィ)

    裕福な地主ショッレ氏が所有する田舎の邸宅で起きる騒動を描いた楽しいオペレッタ。ヨハン・シュトラウス2世の6作目の喜歌劇=オペレッタ《鬼ごっこ》は、1878年12月18日にアン・デア・ウィーン劇場で初演され、16回再演されたものの、好評を得ることができず、序曲のみは、時折り演奏されることがあるものの、全曲は上演されることがないまますっかり忘れられてしまった作品です。しかし、全曲に溢れる旋律美は名作《こうもり》にひけを取らず、物語に散りばめられたワルツやポルカ、マズルカ、マーチは聴き手をうっとりさせる力を持っています。なかでも第2幕のフィナーレは圧巻。序曲の旋律をそのまま用いたワルツに乗って合唱が「Blindekuh」と繰り返すところはまさに《こうもり》の舞踏会の場面を思わせる華やかさです。1975年生まれの中堅指揮者ダリオ・サルヴィが極上の音楽を紡ぎ出しています。(2020/03/20 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.660434-35

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    モルラッキ:歌劇「テバルドとイゾリーナ」(1825年ドレスデン版)(ポルヴェレッリ/パストラーナ/ジュスティニアーニ/バリエット/ヴラド/ヴィルトゥオージ・ブルネンシス/フォリアーニ)

    イタリアの風光明媚な都市ペルージャ出身の作曲家モルラッキ。彼は1822年にナポリの劇場で、ロッシーニの後任を務める機会に恵まれましたが、なぜかそれを断り、ドレスデン歌劇場の音楽監督として残りの人生を過ごしました。当時のドレスデンではウェーバーを筆頭とするドイツ・オペラが主流でしたが、モルラッキはこの地でイタリア歌劇の普及に努め、自身も作品をいくつか発表しました。しかし彼の代表作となったのは、この1822年にヴェニスで初演された《テバルドとイゾリーナ》であり、この曲はドレスデンでも人気を獲得、ここでも“ドレスデン版”が収録されています。中世の騎士物語を下敷きとした恋人たちの悲恋の物語に付けられた抒情的な旋律は、現代の人々の耳にも大きな感動を与えます。(2020/02/21 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.660471-72

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    ロッシーニ:歌劇「ゼルミーラ」(ダッラ・ベネッタ/スチュワート/コンパラート/グレツキ室内合唱団/ヴィルトゥオージ・ブルネンシス)

    ロッシーニが1822年に作曲した歌劇《ゼルミーラ》は、彼がナポリの劇場のために書いた最後の作品。2月16日にナポリ・サン・カルロ劇場で初演され、その1か月後にロッシーニは歌劇で主演を務めた歌手イザベラ・コルブランと結婚。作曲当初から予定されていたウィーンの上演に出かけたロッシーニは、その後ナポリに戻ることはありませんでした。ナポリ、ウィーンとも初演は成功を収めましたが、1826年にパリで初演された際には、歌手勢が一新されたこともあり、ロッシーニはいくつかの場面に変更を加え、ゼルミーラの夫イーロ役の歌唱難易度を高めるなど、当時の歌手たちを引き立てる工夫をしています。この時代の作品らしく序曲はなく、幕が上がるといきなり緊迫の場面が展開、観客は有無をいわさず物語に引き込まれていくという手法が採られており、ここではジェルメッティの指揮のもと、優れた歌手たちが迫真の歌唱を聴かせます。(2020/01/31 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.660468-70

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    ファッチョ:歌劇「ハムレット」(チェルノフ/ダン/スグーラ/カイザー/プラハ・フィルハーモニー合唱団/ウィーン響/カリニャーニ)

    1881年、ミラノ・スカラ座でボーイトの台本を用いたヴェルディのオペラ《オテッロ》が初演された際、指揮を執ったのはボーイトの親友であるフランコ・ファッチョでした。彼は当時様々な理由で停滞していたヴェルディの創作意欲に火を付け、ボーイトとヴェルディの間を取り持つことで《オテッロ》の完成における立役者となったことでも知られています。ファッチョ自身も優れた作曲家であり、この《アムレット》も同じくボーイトの台本に拠って書かれた歌劇。どちらもシェークスピアの戯曲を原作としているあたりに、ボーイトの挑戦的な試み…“新しいドラマ性の追求”が感じられます。この歌劇、1865年の初演時は成功を収めましたが、1871年の再演時、主役を歌ったテノールが病気のために思うように声を出せず上演は失敗。その後は歌劇自体が忘れられてしまいましたが、最近になって再評価され、上演も増えつつあります。2016年ブレゲンツ音楽祭でのライヴ収録。(2019/08/30 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.660454-55

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    カーチン:歌劇「ジェーン・エア」(ゼットラン/マクファーソン/トンプソン/オーケストラ・オブ・ザ・リーグ・オブ・コンポーザーズ/カーチン)

    1951年フィラデルフィア生まれのアメリカの作曲家、ルイス・カーチン。レオン・キルヒナー、サミュエル・アドラーらに師事し、数多くの声楽作品で知られています。彼の作品の多くは合唱曲ですが、2010年から2014年にかけて作曲された歌劇《ジェーン・エア》は、彼の作曲活動の中でも最大のプロジェクトであり、渾身の作品の一つになっています。カーチンはシャーロット・ブロンテが書いた原作の持ち味を崩すことなく、ジェーンの意志の強さを鮮やかに描き出し、彼女に表情豊かなアリアを与え、物語を大胆に進めていきます。オーセンによる台本は、彼女を取り巻く登場人物たちも細部にわたって性格付けがなされており、各々の歌手たちによる歌は感動的な結末へと聴き手を誘います。(2019/08/30 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.669042-43

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    グノー:歌劇「ファウスト」(1864年版)(ファラシン/コロンバーラ/テッポネン/リエカ歌劇場合唱団&管弦楽団/マトヴェイェフ)

    1839年にローマ賞を受賞したグノーは、ローマ留学時代にゲーテの「ファウスト」を熟読し、作品のオペラ化を志していました。その後《サッフォー》や《いやいやながら医者にされ》などいくつかのオペラに着手したものの、どれも失敗。結局1852年から作曲をはじめ、1858年に完成させた《ファウスト》がグノーの初の成功したオペラとなりました。1859年の初演後、グノーは作品に何度も改編を施し、最初は台詞を用いた「オペラ・コミック」形式で書かれていたものを、台詞をレチタティーヴォに変更、その後も5曲のバレエ音楽を追加するなど、上演の都合にあわせて変更が行われています。このアルバムには1864年のロンドン上演のためのヴァージョンが収録されており、当時人気のバリトン歌手チャールズ・サントリーのためのアリア「Avant de quitter ces lieux」が含まれていますが、バレエ音楽は追加されていません。この演奏でファウストを歌うフラシンは劇場の首席ソリスト。カルメンの“ドン・ホセ”を当たり役にする注目のテノールです。(2019/07/26 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.660456-58

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    ロッシーニ:歌劇「エドゥアルドとクリスティーナ」(ポルヴェレッリ/ダッラ・ベネッタ/ターヴァー/アンデルジャノフ/ジェルメッティ)

    エドゥアルドとクリスティーナは秘密の内に結婚し、子供も生まれています。しかし、このことを知らないクリスティーナの父であるスウェーデン王カルロは、彼女とスコットランドの王子ジャコモとの縁談を目論みます。いよいよ王カルロがクリスティーナのところにやってきた時に、出てきたのは2人の子供グスターヴォ。「父は誰なのか?」と問い詰める王、答えることのできない娘…王は法廷で彼女を裁くことを決断しますが…1819年に初演された《エドゥアルドとクリスティーナ》。実は新作ではなく、ロッシーニの以前のいくつかの作品からかなりの曲が転用された「再生オペラ」であったため、それに気が付いた当時の聴衆は作品を非難。次第に忘れられてしまいました。しかし、全体の出来ばえは素晴らしく、また転用元のオペラはほとんど演奏されることもないので、現在の聴き手としては、全く新しい作品として楽しむことができるでしょう。ロッシーニを得意とするジェルメッティの見事な演奏に乗って、歌手たちが迫真の歌唱を聴かせます。(2019/07/26 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.660466-67