アメリカン・クラシックス
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20世紀において、回顧的なロマンティシズムに浸るわけでもなく、極端な前衛に走るわけでもなく、フツーに美しい音楽を創る、ということは容易なようで、実はそうではない命題であり続けましたが、フランス生まれのアメリカの女流ルイーズ・タルマは模範解答の一つを与えた作曲家といえましょう。収録曲の大半が、ピアノを中心として、切り詰められた編成による室内楽曲ですが、独特の温かみのある響きは、安心して聴けるゲンダイオンガクといった感じでしょうか。やや異色作ながらユニークなのは、教育用のピアノ作品である「サウンドショット」で、表題どおりの曲想が機知豊かな筆致で描かれています。(2005/09/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.559236 |
その名前からわかるように、キムは韓国移民の子として生まれたアメリカの作曲家ですが、その音楽も純西洋クラシックというよりも、アジアンテイストを帯びたロマンが薫る、神秘的な美しさを持ったものとなっており、極めて個性的と申せましょう。パールマンに捧げられているヴァイオリン協奏曲は、確かに難曲なのですが、名人芸を披瀝するというよりも、美しい旋律を歌ったかと思うと、不可思議なパッセージを弾きまくったりと、謎めいた味わいです。また、「コルネット」はリルケの詩(の英訳)の朗読と音楽を融合させた作品ですが、詩の内容と言葉の抑揚に対する音楽のシンクロぶりには、うならされるものがあります。(2005/09/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.559226 |
アメリカ前衛音楽における女流として知られるシーガーの音楽は、特にその1920~30年代の作品が「いかにも前衛」な作風で刺激的です。中でもインパクト絶大なのは、「3つの歌」でしょう。メゾ・ソプラノ、オーボエ、打楽器、ピアノが独奏的な主要な役割を務める、室内オーケストラのための作品ですが、特に謎めいた超低音を終始奏し続ける打楽器の存在感は異様ですらあります。低音楽器2台によるディアホニック組曲第2番も、ユニークな楽器用法に驚かされます。またヴァイオリン・ソナタは、作曲者によって破棄された(写しが現存)若書きの作品ですが、後期ロマン派的要素を残しているところが魅力的です。Musical Heritage Society の再発売盤です。(2005/09/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.559197 |
ナンカロウといえば、人間には演奏不可能な超複雑なリズムや対位法、猛スピードのパッセージを駆使した、自動ピアノ用の作品群が有名ですが、当盤は「生身の人間」による演奏にこだわった内容となっています。そのため、収録曲の構想自体は、彼の作品の中では最も過激なものとはなっていませんが、そのリアライズ=生身の人間による表情豊かな演奏までを含めたトータルの面白度では、決して自動ピアノ作品に劣るものではありません。特に楽想の類似性が高い「小品第2番」などでは、強くその感を受けます。また、彼の音楽のもう一つの魅力であるジャズ、ブルース系の哀感も、生身の演奏ではより魅力的に引き出されているといえましょう。(2005/08/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.559196 |
貴方のステレオのヴォリュームに注意!このディスクは、いきなり女性の悲鳴から始まります(この曲を含め、世界初録音曲を多数含みます)。アメリカを代表する作曲家ボルコムの声楽曲は、作曲手法の多彩さと切れ味鋭い楽想で、聴き手を飽きさせることがありません。ブロードウェイっぽいナンバーからシリアスな芸術音楽的歌曲まで、ベルクのオペラ「ルル」の主役で成功したファーレイの見事なソプラノが、表現の幅広く描き切ります。名歌手マリリン・ホーンのために書かれた、アメリカの女性詩人たちの詩による歌曲集(アイ・ウィル・ブリーズ・ア・マウンテン)は紛れも無く20世紀歌曲の名曲です。随所で存在感をアピールするピアノ伴奏は作曲家自身です。(2005/08/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.559249 |
生前は詩人としての業績は評価されなかったにも関わらず、今日では最も重要なイギリスの詩人と位置づけられているウィリアム・ブレイク。多くの作曲家たちをも惹き付けて止まない代表作「無垢と経験の歌」の世界を、現代アメリカの作曲家ボルコムが、25年間の人生を捧げ、何と2時間を大きく超える超大作声楽曲として描きました。普通に調性がある曲から激しい不協和音はもちろん、フォーク、ロック、レゲエなどの要素も惜しげなく使うという、「何でもあり」作戦。これだけごたまぜにするからこそ、全体の終曲のわかりやすさ、楽しさが感動を誘います。大指揮者スラットキンの棒の下、声楽の水準が非常に高いライヴ録音でお届けします。(2005/07/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.559216-18 |
20世紀アメリカの名室内楽曲を辿る本シリーズ、今回はブルックリンに生まれ、シェーンベルク、ブロッホ、セッションズらに学び、ヨー・ヨー・マを指導したこともあるという、キルシュナーの登場です。彼の音楽は、耳当たりのよい旋律がほとんど見当たらないにもかかわらず、ダイレクトに聴衆に感情に訴えかけてくるような、力強い表現力を持っています。奏者には、それぞれの楽器の持っている特性を素直に引き出す範囲で、高度な要求が課されており、演奏効果も高い作品ばかりです。特にピアノ三重奏曲など、激しいリズムや、鋭い音のぶつかりによるテンションの高まりが凄まじく、ただひたすら圧倒されるばかりです。(2005/07/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.559195 |
コープランドといえば、オーケストラ曲の人というイメージがありますが、ピアノ曲も重要なフィールドです。もちろん当盤の収録曲でも、コープランドらしい、ジャズやラテン・アメリカの民俗音楽の要素を随所に聴くことができますが、有名曲などに比べると、より抽象的な、純粋な音の戯れが前面に出てきている分だけ辛口ですが、味わい深さも格別です。中でも注目作は、とりわけ規模も大きい「幻想曲」でしょう。飛行機事故で若き命を絶たれた天才ピアニスト、ウィリアム・カペルのために計画していた協奏曲のスケッチを改作したものだけに、技巧的にも大変高度なものを要求する作品となっています。(2005/07/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.559184 |
交響曲第9番のタイトル「フォッセ・アルデアティーネ」とは、ナチスによる虐殺事件の起きたアルデアティーネ洞窟のことです。作曲に先立って訪れた、同地の印象がインスピレーションを与えたというこの作品は、単旋律で静かに始まり、多くのドラマを経て、弔鐘の打ち鳴らされるクライマックスで終了しますが、その息の長く、深い感情の表現は見事といえましょう。一方、交響曲第4番や小品2曲は、シューマンの別の顔を見せていて、いかにもアメリカといった明るく屈託のないパワーを感じさせる、爽快な仕上がりです。また、どの曲でもそうですが、アカデミックに洗練された作曲技法の確かさにも、感服させられます。(2005/07/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.559254 |
流石はアメリカ実験楽派の中でも、大物中の大物のアイヴズです。ピアノを核とした、小規模アンサンブルを中心とした当盤ですが、常人の発想を超越したそのサウンドの刺激度たるや、脳に心地のよい痺れが来るほどです。暴力的なまでに打ち付けられるピアノの音塊をバックに、絶叫するかのようなソプラノが絡んだり(3など)、弦楽器が狂ったように走り回ったり(6など)、物凄いとしかいいようがありません。4分音(通常の半音の中間)に調律したピアノを用いた15~17は、まさに調子が外れたような響きの連続で、慣れてくると気持ちがよい?ですが、それまでは体質によっては、気分が悪くなるかもしれませんのでご用心!(2005/06/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.559194 |